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【記念日お礼・Thanks to everyone】
蒲焼きの日。one more time①
しおりを挟むころポックル亭は本日も満員御礼。ランチタイムも無事に終了です。本日のランチメニューは、特別メニューでした。お客様に常々リクエストをされていた、蒲焼きを久々に提供出来たのです。喜んでいただけて、本当に嬉しい限りなのです。
以前Sクラス魔物のウルボロスで、帝国の蒲焼きというお料理を提供しました。それが香りもよく美味。力もみなぎると、蒲焼きは大人気を博したのです。またぜひ食したいとの、リクエストを多数戴いていました。しかし蒲焼きにあう食材が中々見付かりません。
その次に素材としたのは、新生ホワイトハットで倒したコンガーイールでした。さて今年はどうしましょう。なにか良い素材は無いでしょうか?と探していたら、隣国のダンジョンでようやく見つけたのです。
紆余曲折がありましたが、帝国が鎖国をときました。最近は帝国の品々もかなり、我が国に輸入されてきています。しかし一度に大量となると、海を隔てているため難しいのです。もちろん私が運搬するなら可能です。しかしさすがに大量には、用意出来ないのが現状です。
特に蒲焼きに使う食材。ウナギというにょろにょろとした魚類は、一匹で一人前程にしかなりません。ですから食堂で提供するほどは、用意出来ないのです。本当に残念です。
しかしいつかはころポックル亭で、本物のウナギの蒲焼きを提供したいです。実は現在帝国では、ウナギを人の手で増やす試みを始めています。養殖といわれるものだそうですが、帝国の将軍の考案ではじまりました。実は将軍は、私たちと何度かダンジョンをご一緒しているのです。将軍が強くなりたいためもありますが、ダンジョンを学び帝国をより良くしたいと頑張っているのです。実はこのウナギの養殖の案は、我国の隣国のシーグリンダンジョンで思い付いたのです。将軍さん素晴らしいナイスアイディアです!
ともかくです。ころポックル亭で蒲焼きを販売するには、蒲焼きにする素材から見つけなくてはならなかったのです。調味料はバッチリ。前回の帝国訪問で、熟成継ぎ足しカメダレをゲットしてきました。帝国は島国のため、本当に珍しい文化が多いのです。
お互いによい所を参考に出来たら良いですよね。
もちろん外交名誉特使としても働いています。帝国との交流はもちろんですが、最近は隣国の各国との交流も密になっているのです。とくに巨大なダンジョンを三つも抱える隣国。中でも有名なのが、海のフィールドがあるシーグリンダンジョン。ここにはなんと!海のフィールドだけで、四階層もあるのです。
・暖かい地方の珊瑚礁の多い海。
・寒い地方の流氷のある海。
・海水浴の出来る様な遠浅な砂浜。
・直径数メートルの着地点以外は、海だけ。海原のど真ん中。
海原のど真ん中にはビックリしました。でもキチンと船が用意してあるのです。小舟まで用意されていてビックリしました。さすがはダンジョン攻略が進み、資源や輸出用としてフル利用している隣国です。攻略が便利になる様にと、色々なものを開発して持ち込んでいました。なんとダンジョンの中には売店もあり、急なことにも対応出来ちゃうのです。
はい。実は先の話に戻りますが、将軍と共に行ってきました。めちゃ楽しんで来ました!蒲焼きにピッタリの食材もゲットし、大暴れしてきたんです!と、いいたいところなのですが……。
ハネムーンベービーが当たってしまいました。もちろんおめでたいことですよ。私も嬉しいです。しかしなんでこのタイミングで発覚してしまったのでしょうか……。
実はこのシーグリンのダンジョンで、クルーエルクロコダイルの子供が異常発生してしまいました。このダンジョンには海のフィールドだけではなく、海へ流れ込む河川や川のフィールドもあるのです。この河川には狂暴な魔物も多く、ぜひ手を貸して欲しいとの、隣国からの依頼でした。私とルイスは帝国の将軍とともに、下調べに出張することになりました。討伐隊を派遣するための下準備です。今回は国を開いたばかりの帝国と、隣国との仲を取り持つためもあります。私たちは外交名誉特使として、ダンジョンの調査に出発したのです。
*****
ダンジョンの内部に入り、クルーエルクロコダイルの子供が大量発生しているという階層に向かいます。目的地の扉を開くと、ムワッとした熱気が肌をなでます。熱帯雨林の様なフィールドに、大きな船が有りました。この船は海と同様に、ダンジョンを攻略するため開発して持ち込んだもの。海の船の大きさには敵いませんが、こちらもかなりの大きさです。なにせ川が、私のイメージしていた大きさではありませんでした。大河と言い直した方が正しいでしょう。その大河が所々で河川に分岐しています。その河川がさらに川に……。その河から川への分岐点に、クルーエルクロコダイルが大発生しました。やがて繁殖時期になり、川へ子供が溢れ出してしまったのです。私たちはその最終分岐点に向かうため、船に乗り込み川を進んだのです。
現在私は、船内の与えられた個室にいます。しかし空気が悪いです。なんだかムカムカします。少し外の空気を吸いにいきましょうか?
…………。
うぇ……。
外の空気の方が不味い……。
「うげ……うぅ……気持ち悪い……」
人のいない所に隠れて、気持ち悪さを逃します。帝国の船旅で作った魔法を使いますが、あまり効果がないようです。しかしなぜでしょう?魔法に体がなれてしまったのでしょうか?
「うぇぇ……ううぅ……うぇっ」
ダメだ……。死にそう……。
「ルイスさん!アリーさんがいました!アリーさん!大丈夫ですか?」
なぜか将軍が、前方から慌てて駆け寄ってきます。甲板を走る方が、私には危ない感じがしてしまいます。
「アリー!!部屋にいて下さいと言ったではないですか!なぜ出歩いているのです!探してしまいましたよ!ほら!早くしなさい!戻りますよ!」
さらには後方からルイスが、揺れる甲板の上を走って来ます。しかもなぜか怒りながらです。確かに朝起きた時に、目的地に着くまでは部屋にいるようにと言われたけど……。そんなに怒鳴ることなの?
「だって……空気が悪くて……外の空気が吸いたかったの。それだけだよ?なんでそんなに怒ってるの?ルイス怖いよ……バカたれ……」
なんでだろう?こんな些細なことで喧嘩なんてしたくはないのです。悲しい訳でもないのに涙が出てきちゃいます……。本当に私ってばどうしたのでしょう。
「ルイスのバカ!あっちいけ!うっ…うぇ……うわーん!」
近寄るルイスを避け、私は部屋に向かいます。しかし船の揺れと同時に、ひょいと抱えあげられてしまいました。泣いた顔を見られるのが恥ずかしくて、思わず顔を隠してしまいます。気付くといつの間にか、ハンカチが頬に乗せられていました。
「とにかく部屋に戻ります。医師を待たせてますので、詳しくはそちらで話しましょう。まさか本人が自覚なしとは……これは参りました。情緒不安定なのも仕方ありませんね。怒ってすみません」
なんだかよくわからないや。でもめちゃ眠いんですけど?寝ちゃってよいかな?ダメだよね?そう言えば、まだ昼ごはんも食べてないじゃない。しかもこんな時間に寝ちゃったら、夜にぐっすり眠れません。
…………。
夜なんてどうせ眠らせてくれないじゃない!昨晩だって、結局日付を跨いでしまいました。三角ウサギめー。アヤツの押しつけがましい、妙なラブラブ効果がいけないのです!でも朝までは無かったみたい。そう言えばなにかブツブツと呟きながら、諦めた様にふて寝したわよね?なんだったのかしら?
ダメだ。もう思考が纏まりません。しかも人肌が暖かくて気持ちよいのです。ルイス運ばせてごめんなさい。もう眠くてダメ……。
でも寝ちゃったら……。
やはり……ね……眠いです……。
もうダメです。おやすみなさい。
ぐぅぅ……。
*****
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