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【記念日お礼・Thanks to everyone】
蒲焼きの日。one more time⑤
しおりを挟むお風呂でむにゃむにゃされ……ベットに戻り再度むにゃむにゃ……
疲れた……眠い……ダメ……むにゃむにゃ……もうやだ……グーググゥーー。やだ!これは私のお腹の音?
ぐぅ……ぅ……ん?違うわ……これは私の寝息よね?さすがにお腹が空いたわ……なんだかふわふわクルクル目が回るーー。お腹空きすぎ?こっこれは
!違う!絶対に違うーー!違う意味の食事だわ!もうダメよ!目を開かなきゃ!気合いで起きる!ガバッ!
「お風呂?もうダメ!時間も迫ってます!赤ちゃんもお腹がいっぱいなのに、私のお腹はグーグー鳴っています!ご飯食べなきゃ万全に魔法が使えません!続きは断固拒否します!」
起き抜けにドアップのルイスのお顔……ペシリッ!さりげなく手を潜り込ませるな!不埒な手はひっこめて!
「ならお風呂に入りながらでも大丈夫では?せめてお風呂に……着替えるためにもさっぱりしなくては……」
大丈夫じゃないよ?半分寝ていた私も確かに悪いかもしれません。が!入りながらって、もちろん着替えるためだけじゃないよね?絶対に違うはずです。私はルイスの腕から逃げ出し、クリーンを使用してみます。素晴らしいです。これはバッチリですね。ルイスは諦めてお風呂にいきました。ひと安心です!
この魔法は素晴らしいですね。ピンキーリングで封印されていた魔力が解放され、魔法が使えるようになりました。魔法系統のスキルも、徐々にゲット出来たら嬉しいです。魔方陣を使用するものは、お兄ちゃんズに手習い中。ちなみにクリーンなどは、生活魔法といわれます。魔力にセットされたような魔法なので、魔力もちならほとんどの人が使えます。威力は魔力とイメージ次第ですけど。ではついでにお洋服にも使用してみましょう。ルイスのにもね。ほら!パリッと爽やかフローラルな香りつき。プレスもしっかりと、まるで新品のようになりました。着がえてしてやったりとテーブルに食事の用意をしていると、しかめ面のルイスがシャワーを浴びて戻って来ました。しかめっ面でも美人さんですね。羨ましい限りです。さあさあようやくお昼です。お腹ペコペコです。いただきまーーす。
「ルイスさん?食事は美味しく食べてください。もそもそ食べない!」
「食べたりないのです……」
「腹八分目といいます。それに時間も迫っていますよね?魔力とご飯は別腹です。不足は食事の分ですよ」
「アリーも別腹です……」
「私はご飯ではありません」
うーん。拗ねると後に響くんだよね。よし!
「あんまり我儘をいうならば、帰宅してからの本物をなしにします。皆には熱々の本物を提供しますが、ルイスだけはモドキで我慢です」
「………………そっ……それは……」
実は帝国から、本物のウナギを購入してきているの。現在は商業ギルドに、細かい鑑定をして貰ってるのです。
「どうやら滋養強壮に、精力増強の力があるらしいの。これでは今のルイスには食べさせられないわよね?」
「………………」
返事なしってことは、一応自覚はあるのですね?なら妥協しましょう。
「本物のウナギをおかわり付きで食べ、私は別腹でおかわり一回のみ」
「………………」
「ルイスだけモドキで、私はおかわり……(疲れるし……眠いし……しつこいし……ダルいけど……)自由……」
「………………」
「二者択一です。本物のウナギは美味しいわよ。お箸でもホークでも、トロリと崩れるように身が柔らかいの。皮はパリッとして香ばしく、その身にのった油が秘伝のタレと絡まり、しつこくなくサッパリといただける。今回は秘伝の継ぎ足し瓶ダレを、女将さんからわけて貰ってきたの。下に敷くご飯も帝国のもちもちな白米よ。しかも薬味だという、山椒って調味料も入手したの。さらにはタレ無しの白焼きもあるのよ。ひつまぶしにお茶漬けと、色々な調理法も習ってきたわ。本当に美味しいんだから!」
「……………………」
あれ?絶対に食いつくと思ったんだけど……。もしかして外しちゃったのかしら?
「それは究極の選択以前の問題です……おかわり自由なら、アリーをいただきます……」
え……やはりウナギでは釣れなかったの?ルイスを甘くみすぎちゃったの?
「でも嫌なんですよね?言葉に出てましたよ。なら諦めます……無理強いはしたくないですから……」
やだ。ルイスがしおらしいのってめちゃくちゃ変。いつもの傍若無人はいずこへ?どうしよう。なんだか調子が狂うんですけど?
「ウナギとアリーを天秤になんてかけられません!酷いことを選択させるのですね。いえ……私がしつこくして追い詰めたのでしょう……」
………………私が悪いの?責められ感がビシバシするんですけど?
「しかもクリーンを!余計なことを言うべきではありませんでした。己の口が憎いです。疲れて眠る白雪姫のアリーを隅々まで綺麗にして、王太子様に戴いた着替えをさせるのが楽しみだったのです……」
ルイスがこわい……。最近朝起きてさっぱりしているのは、お風呂に入れてくれてたのね。しかもヒラヒラぴらぴらだし……。おかげで朝も襲われるし……でも介助されるようにお風呂に入れられ、気づかない私って変じゃない?そんなに疲れてるのかしら?
「ねえ?それに私が気付かないって変じゃない?前からじゃないわよね?絶対に気絶してるでしょ?そこまでするな!締めのお風呂なら一緒に入るから、気絶する前で止めて下さい。切にお願いします」
「それはお断りします」
「なぜですか? 理由を!」
「………………起きていたら……もう……」
「ハッキリと話しをして下さい」
「ーー寝ていて寝ぼけているアリーが可愛らしいのです!起きているときとは違う甘えっぷりがなんともいえません。多分酔ってイタすなら、
あのような感じなのでしょう」
それって……
「でも私は寝ているのよね?まったく覚えていませんよ?」
「はい。アリーは完璧に寝ています。しかしキチンと反応していますよ?お風呂の中でなら自分からも来てくれますし、大胆なこともしてくれるのです。ですから最近は、締めにも必ず入ります」
…………もしかしなくても……寝てても……してる……の……?
「そんな変な目を向けないで下さい。寝てるいのに私から無体はしませんよ。アリーに襲われるときは、ノーカウントで構いませんよね?さすがに断れませんから」
はて?寝ぼけて私がルイスを襲っているの?そんな訳ないじゃない!
「それっていつから?疲れすぎてるにしても変!私はそんな夢遊病みたいなことしないわよ?」
「……はぁ……確かに変……でしょうか?……しかし誰にも迷惑はかかりませんし、私的には嬉しいことばかりなのです。なので原因の追求は必要ありませんよ?アリーは健康そのものですから」
なぜルイスにわかるのよ!
「ゲホゲホッ!疲れすぎて不健康です!迷惑は私にかかっています!」
「……………………」
これはしっかりと調べなくちゃダメです。でもルイスは知らなかったみたいですね。そうなるとやはりあの怪しげな袋ね……男同士は厄介だわ……。
*****
時間になる少し前に、小型船が横付けされ、調査団の方が運転手として来てくれました。本当に申し訳ないです。ありがとうございます。お礼と言ってはなんですが椿姫の国には、バッチリ宣伝しておきます。さすがの道楽貴族様用船舶です。本当に快適にすごせました。私たちの乗った小型船は、そのまま大型船に横付けし、将軍からこれからのことを説明して貰いました。私とルイスは河川側に停泊した大型船の船尾から、球状結界をカームアリゲーターにぶつけて捕獲。そのまま空気を抜き真空状態にしてインベントリへ収納。その繰り返し。なるべく早くに終わらせて早目に撤退する。
「早目に撤退をすれば夜行性の魔物が少ないため、明るくなる頃には到着できるそうです。今晩は船中泊ですので、のんびりして下さいとのことです 」
私が妊婦だと判明してしまったから、今回はダンジョン探索はしないそう。予定では各フィールドを回るはずだったんだけどなぁ。残念……でも……少しくらい……駄目かな……駄目だろうな……
「将軍、有り難うございます。さぁ、アリー行きますよ。残念そうな顔をしても駄目です。なんならカームアリゲーターも我慢しますか? 」
嫌でーす!はぃはぃ!行きますよー!!
*****
「ルイスも中々やるね! でもまだ私の方がデカいよね! ほらよっと! 」
「いえ。私の方が大きいですよ! ほらいけー! 」
「ほら見てパンパン! 私の方が多いじゃない! 」
「キチンと見て下さい。真空にしたら私の方が大きいです。つまり多いんです! 」
「ならこれならどう? いけー! 」
「負けませんよ! 飛べー! 」
「私が勝ったら今晩は寝るだけだからね!約束だからね! 」
「ぐぬぬ……本家球状結界を侮りすぎました……スキルのみならず、魔力でも結界を張れるとは…………」
「「「「「………………」」」」」
私とルイスはいつの間にか……球状結界バトルになっていました。大きさ比べに獲物の数比べに球状結界の数比べ……気づくと皆様ポカンとして見ています。
ですよねー。
私たち夫婦の魔力比べは、どう見ても普通では有りませんから……ねぇ……
「ですがこれだけ使用したのです。さすがに魔力が欲しくなりませんか?」
「欲しくなりませーん。スキルには魔力は必要ないし、先にタップリ補給済でーす。身に覚えアリアリでしょ?ほれラストっと! 終了ーー!! 」
「…………そっ……それは……でも一人寝は寂しいです……」
「三人寝でしょ?寂しくないじゃない」
私は沢山のカームアリゲーターと、勝利を手に入れホクホクです。さあ夕食を食べてお休みなさい。
「………………ルイス? 」
ねっ眠い……抱きついて寝るのは構わないけど、チュッチュするのはやめて?もしかしなくてもワイン飲んでるでしょ?キスがお酒臭いじゃない。
「寂しくて死んじゃいそうです 」
……またウサギの話?ウサギは寂しくても死なないの!逆に孤独が好きなんだって!
「ウサギになりたいです……」
なんだかルイスが変?
「なんで?寂しくて死にたくなるんでしょ?それにウサギは白ころ茸と、クリーム煮にされちゃうわよ」
「ウサギには発情期がないそうです。人間と同様にいつでも愛を囁けるのです。アリー好きですよ。愛しています…………」
んーー!くっ苦しい。キスに紛れてなにかが喉に……これワインだ!でも私は酔いませんよーだ。ん?もしかしてルイスってば寝ぼけてる?しかも酔っているのかしら?ルイスもザルよね?
「アリー?美味しいですか?ならもっとどうぞ。王太子様から戴いた袋に入っていたミニボトルワインです。ピンク色で甘口で、いくらでも飲めますよ。さあ…………」
「ゴクン。プハー!」
もういいってば!しつこいな!しかし眠い…………
……………………
………………………………
「ルイス……お……き……て?チュッ。私も寂しくて死んじゃいそうなの。うさぎになりたいの。クリーム煮にして食べてく・れ・る? 」
「………………」
「ねえ?寝ているの? なら私がクリーム煮にして食べちゃうぞ。あーん……」
あら?私ってば何してるの?どうしてルイスの顔が下にあるの?
「なっなんでよー。なんで私ってばこんな格好でルイスに抱きついているの?どう見ても私が襲っている法じゃない! ルイスもニヤニヤするな!いーやー! 」
起きたらなぜかあーんとかいって、ルイスに抱きついてキスしてた。しかもどう見ても私が襲っているようにしか見えません。私からあーんなんて、絶対にしません!
「今回はお風呂は駄目なようですね。残念ですが諦めます。しかしウサギになりたいのなら協力しましょう。新婚さんセットのこれです! 」
「……………………」
「なりたいのですよね?しかも料理して食べて欲しいとねだられてしまいました。けれはお答えせねばなりません。私もウサギになりましょう。ウサギ同士なら無敵ですよ? 」
船の到着まで……後三時間……
「私はしっかり目が覚めました! ルイスも目が覚めぬなら、水で顔を洗いますか? 顔だけ結界をはり洗ってあげます。嫌ならば王太子様から戴いているという、新婚さんセットを寄越しなさい! 」
私の本気の怒りに後ずさるルイス。ですが嫌々ベッドサイドから袋を引きずりよせました。
「これだけ? 新しいのをくれたのよね?なら古いのは?残りだけでも見せてくれる? すべて鑑定します! 」
「……………………」
無言のルイスに、グイグイと手のひらを押し付ける。ようやく観念したのか、ベッドからおりて大きな箱を出して来ました。
「これで全部です。あ……このミニボトルワインも……」
これって……ルイスってば本当に気付かなかったの?王太子様もキチンと効能を伝えなくちゃ駄目じゃない。夫婦間なら問題にならないけど、間違えて使用したら大変よ。
いくらハネムーンで売り出していても、お客様に伝えなきゃ駄目です!え?プレゼントする男性には伝えてあるの?でもルイスはさっき驚いていたじゃない。はぁ?私が酔ったと思っていたの?
「こんなミニボトルの甘口ワインで、私たちが酔うわけが有りません! 多分どれかになんらかの相乗効果が有るのでしょう。 危険ですから今から鑑定で調べます。ルイスは寝てて良いですよ! 」
まだなにか言ってるな?でも知りません!私は酔いませんし、夢遊病なんて嫌ですからね!
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