巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
167 / 557
第7章 冒険の始まりかもしれない。

7-20 情報の無い階層に・・・?

しおりを挟む



 ちなみにここに来る時には、フィリアに極力戦闘は他の者に任せて、危険が無い限り手を出さない様に言われていたのあった。



 そして今は魔境にある地下迷宮ダンジョンの洞窟内をどんどんと下へ進んで行っている。

 この洞窟はギルドの情報では、各5の階数で中ボス風の魔獣モンスターが出現して、各10の階数では大ボスが出現する様なのである。
 偶数の階数ではトラップが多く、奇数の階数は下位の魔獣モンスターが多く出現するそうだ。ただ20階層より下の情報は少なかった。

 5階層と15階層の中ボス風の魔獣モンスターは、5階層がアースリザードンで地属性のデッカイトカゲで動きは鈍かったが防御力が高かったようだ。そして15階層はイビルプラントと言う食虫植物みたいな奴で触手と溶解液を吐く厄介な奴だった。
 それから10階層と20階層の大ボス風の魔獣モンスターは、10階層はファイヤードラゴンモドキと言う名の魔獣モンスターなのだが見た目はファンタジーなどとかに出てくる竜種と同じ様な姿であった。だが強さに関しては良く解らなかった。報告では本物の竜種と違い炎のブレスとか空中に飛び上がって攻撃をしてくる様なことが無く、ブレスの変わりに火炎弾を撃ってくるだけで、あとは普通の打撃攻撃だった。まあ、ドラゴンなんかとは戦った事が無いのでどれくらい強いか不明ではあった。

 それから20階層はミスリルゴーレムだったこれに関しては後で説明するとして、今現在26階層まで来ていた。

 ちょうどこの前の25階層の中ボスクラスの魔獣モンスターが出現していたのだが、毎回ボスクラスの魔獣モンスターが若干可哀想になってくる。だって出てくるなり、みんなにボッコボコにされて、ものの数メリテで出番が終ってしまうのである。決して階層のボスが弱い訳ではないのである。
 ここの25階層の奴でも以前俺が倒したサイクロプスと同種の奴が2体だったのだが、1ヒュリテ時間ぐらいで退治してしまった。

 シルフィー達の話では俺の倒したサイクロプスは、突然変異の亜種であったと言う事なのだが今回の戦闘に参加していない俺には良く解らなかった。ただリンカちゃん曰くかなりの強敵でみんながいるから1ヒュリテ時間ぐらいで倒せたのだが、1人だったらかなり時間がかかったはずだと教えてくれた。

『それでも1人で倒せるのかい』と、突っ込みを入れたいところだが、自分は以前倒しているのでその突っ込みはしなかった。

 それにこの子達がかなり強すぎるのである。しかも、連携が取れていて敵を翻弄しているのであった。
 それとシルフィーさんとレーネさん、それからキュリカさんも俺と出合った頃からそんなに日付が経ってないのにかなり強くなっている様な気がした。

 この子達だったら、そんじょそこらの大厄災が起きても俺抜きで対処してしまうのでは?とユウマは心の中で思っていたのであった。

 そしてここの階層28階から下の情報がまったく無い状態である。そこから数名の冒険者が戻ってこないうえ、情報も無いのでギルドでも困っていたそうだ。

 ただ30階層の大ボスの部屋の情報だけは入っているのだが、その先はまったく未知の階層となっている。
 もしかしたらその階層で終わりかも知れないし、その下の階層が続いているかもしれないのであった。

 その30階層の情報は、その当時運の良い冒険者メンバーが、28階層より落とし穴に落ち運良く30階層のボス部屋の前までたどり付いたそうだ。そこでボス部屋に入り戦闘を行なったが、倒せる事が出来ず途中で断念して帰還アイテムを使い脱出していたので、その部屋の情報だけは存在していた。

 以前30階層にたどり付いた人達は確かに運が良かったのかも知れないが、29階層は実は宝の山と言うより宝物庫みたいなところが存在していたのだった。
「うっひゃぁ、すっごいよ。この部屋全部お宝だ」
「すごいですね。今まで誰も手を付けて無いみたいですね」
 この部屋は29階の奥にあったのだがここ部屋より先に階下に降りる階段が直ぐに見つかった。

 確かに28階層の落とし穴のトラップに引っ掛かるか、29階に降りて直ぐに見つかった階段を降りて行く事になる為、基本的この部屋に訪れる者がいなかったのだろう。

 何故かと言うと、この29階層の魔獣モンスターは上位種が多く討伐したら直ぐに次が来る状態になっていた。普通なら早く見つけた階段を降りるだろうが、俺達の今回の目的は水晶や鉱石の採取と、地下迷宮ダンジョンの洞窟探索で特に情報の無い階層の調査であるから、一応隅々まで調べる必要があったからであった。

 そこで色々調査をしていたら29階層の奥で宝物庫を見つけたのであった。その部屋にあったお宝はとりあえずユウマのアイテムボックス内に入れて調査を終らした。その階層から下の階層に向かったのであった。
「しかしさっきの部屋のお宝はすごかったよね。あれだけあれば遊んで暮らせるよね」
「うんうん、あの量はすごかったよね。ユウ兄もそう思わない」
「えっ、ああ、まあそうだね。でも・・・・」
 このときミナちゃんとユアちゃんの言葉を聞いてあいまいな返事をしたが、ユウマとしてはもう既に途方も無い金額を所持しているので、お宝に関してはどうでも良かった。どちらかと言えばその中にあった魔導書とか巻物スクロールの方に関心があったのである。

 しかしここにいる少女達は金銀財宝や宝石に興味を持っていた様だ。ちなみにロンは魔導書に興味を持ち、ユータに関しては宝剣などの武具に興味を持っていた。シルフィー達に関してはユウマ同様に余り金銀財宝には興味が無く、どちらかと言うと書物関係の方を確認していた様だった。

 ちなみにこの部屋に探し物の鉱石が数種あったので、それも確認して別に保管したのであった。
 この部屋で見つかった鉱石は、白銀鉱石が数百個とミスリル鉱石が数十個重さにして20kg以上あった。

 あと聖霊石5個と水晶柱大小様々で20本程度確認した。
 神殿の材料に必要な物はあと聖霊石が15個と水晶柱(大)が2本とクレリア鉱石とグランド鉱石が探せれば地上に戻れる。ちなみにクレリア鉱石とグランド鉱石は現状手持ちで足りるのだが、出来れば何かあった時の為に予備を確保したいと思っていた。

 この29階の宝部屋を後にして、階段のあった場所へ戻り下に向かって階段を降りていった。
 早速に30階層に降りた先には、いつもどうりボス部屋の扉の前にたどり着きそして扉に触れて開け放った。

 部屋の中に周囲を見渡しながら入っていって後から先程開け放った扉がスーット音も立てずに閉まった。
 さあ、中に入ってボスとの戦闘と開始と思ったら、奥の方で怯えきっているゴブリンの集団が奥にいた。

 おかしいのである、普通なら襲い掛かってくるのだがかなり奥の方にいるし、ここの大ボスの部屋は相当広いのであった。

 しかもいつもなら中央付近に異様な感じの上級魔獣モンスターがいるのだが、今回は中央には何もなく岩が一個あり、四隅になにやら怪しい水晶があるだけであった。
 あとが先程言ったゴブリンの集団が奥にいるのであった。

「なんなんだ、あいつら?しかしいつもと雰囲気が違うよ、兄貴」
「なんなのここ、いつものボスの部屋と違うし、敵も低級のゴブリンだけ? でも様子が変?」
 ユータはこの部屋の独特の気配に気が付き、メグミさんもこの状態が変な事に気が付いた。



 それに他の子達もこの状態がおかしい事にはうっすらと気が付いている様だ。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...