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第9章 戦いの中で真実を?
9-8 どうやら緊急事態・・・?
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その事をフィーナ様の部屋で愚痴っていると、何故かまた泣きながらマリエル様がやってきたのである。
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フィーナ様の部屋の扉を開け放ち、そのままフィーナ様に抱きついた。
「ふぇぇぇん、どないしよう。フィーナちゃん」
「はあぁ、マリエル?あんたどうしたのよ。泣きながら尋ねてくるなんて」
「あんな、以前会議であがってた話しがあったやん。それが近いうちに起きそうなんよ」
「はっ?何を言ってるの、この間のがそうじゃなかったの?」
泣きながらフィーナ様の部屋に入ってきて、そのままユウマの存在に気が付かず、フィーナ様に泣き付いているマリエル様にどうしたのかを尋ねると、信じられない答えが返ってきたようだ。
「うん、それなんやけど、実はあのあとシステムをすべて入れ替えたやん。それでよう調べたら・・・この間の件と違ってたんや」
「はぁ?・・・なにが違ってたの?」
うんうん、俺も何が違ってたのかは、気になるし俺の事にも気が付いて欲しい。
ミアちゃんも俺と同じ意見らしく、首を立てに振ってマリエル様の説明の言葉を待っている。
「あんな、ウチこの間の事が大厄災の元凶やと思っとったんよ。でも違ってたんよ」
「ん?あんた、馬鹿でしょう。あれは違う案件だったでしょうが、今更何を言ってるのよあんたは」
「えっ・・・そうやったんけ?でもでも、あの時システムがおかしかったから!?・・・・そう、やった・・・あん時、時間だけが狂っとったんやった。・・・・ウチ勘違いしとったん・・・・!?」
どうやらマリエル様は、物凄い勘違いをしていたらしく、その場で絶望に満ちた顔で考え込んでしまった。
マリエル様はその場で散々考えた挙句、最初の事を無かった事にして続きを話出した。
「・・・その最悪なんがな起こる時期なんよ。それが、なんと三週間後に同時に数箇所なんよ。どないしよう・・・ウチのとこの大陸・・もうおしまいや、うぅ、うう、うぇえええん・・・」
マリエル様はその様に半分訳の解らない事を語りフィーナ様に、すがり付き大泣きし出したのである。
どうやら勘違いしていたらしく、以前あった事が大厄災の元凶で、この後はそんなに大した事がないと考えていたようだ。
しかし改めてその案件の蓋を開けて見ると解決どころか何も変わってはなく、それどころか複数の箇所でその元凶が発生するらしい。しかも同時にだそうだ。
フィーナ様は困った顔をしてこちらに視線を向けてきたが、俺にどうかしてと言いたいように目を潤ませている。
まあ俺でも、複数同時に解決させる事など出来る訳が無いので、そっと首を横に振っておいた。
ただ、もしかしたらだけど・・・解決案がある。だが、そこは余り言葉にしない方がいいと思う。だってその方法は下手をしたら、時空を崩壊させてしまう可能性があるからだ。
その事は抜きにしても、流石に複数の事を解決するには・・・ん?よく考えたら別に俺が全部解決させる必要は無いんだよな・・・なら、どうにかなるかも。
その様に考えていると、フィーナ様はマリエル様に言葉を掛けていた。
「マリエル。まずはさぁ、自分ところの子達に頼んでみたら?それが駄目でもエミちゃんと話しあってさ、対策案を考えてからね。・・・・それから私達に相談をしにきなよ。ねっ」
フィーナはマリエルの肩を掴み、彼女の瞳を見つめながら真剣な表情で語り掛けた。
マリエルもその真剣なフィーナの表情を見て、涙は流していたが泣くのを我慢してその言葉を最後まで聞いて答えた。
「そっ、そうなんやけど・・・ね、実はもうエミちゃんとは、既に話してるんよ。グスッ、それで今・・・エミちゃんにはルアちゃんのところ・・・・シルクちゃんを・・・・・ふにゃぁあああっ」
話しをしている途中で、またフィーナ様の胸に、顔を埋めて泣き出した。
「ちょっと、ちょっと、どうしたのよ。なんで?また突然泣き出して・・・なんかあったの?」
「うっ、ぐすっ、ウチ・・・シルクちゃんに・・ぐすっ、散々注意されたのに・・・グスッ・・・・」
最後らへんは聞こえなかったが、その言葉を近くで聞いていたフィーナ様のほうは解ったのか『あっちゃぁ』と声をあげていた。
どうやらすでにシルク様まで巻き込んでいるようだ。それもマリエル様の勘違いで厄災の対処を怠った結果を、自分が気が付かず守護天使であるエミちゃんに、シルク様を緊急事態と言って呼びに行かせたようなのである。
しかも、散々シルク様にシステムが変わったから、今までに出ていた未来予見を確認して、早めに自分で対策をしろと念を押されていたのだ。それなのに、それをせずにすべてシステムがおかしかったとマリエル様は思い込み、これまで何もしてなかったようだ。
せっかくこの間起きた事を、反省して一時の間は真面目にしていた筈なのに、システムが完全復旧した後からは、また以前と同じような事をして、全くその反省を活かせず以前出ていた予見の対処をしていなかったらしい。
なら、おそらくシルク様は、その事を知ったら怒るだろう・・・・うん、おそらくどころか、絶対に物凄く怒るだろうね。
何故その様に思っていたかと言うと、シルク様はあのカレーパーティー以降は、実は1回だけ俺のところにある物を頼みにやって来ていた。 その時ちょうどフィーナ様のところに遊びに来ていたマリエル様を見かけて、戻ったら注意すると言ってフィーナ様にも会わずに帰っていった。
後日、俺に依頼していた物を取りに来たのは、シルク様ところの守護天使であるルアちゃんが来た。で、その時に事情を聞いたら、システムを変えた事により、色々とその対処に追われて忙しいと言っていた。
それなのにフィーナ様もそうなのだが、マリエル様はいつもここに来ていたような気がする。
まあフィーナ様に関しては、システム変更後はシステムの方を頼らず資料関係を、ある程度自分で確認して、俺達に今後厄災等の危険があるものは早めに対処をさせられていたのだ。
そのいくつかは、ユータとロンの2人と一緒に討伐をしたり、迷宮に潜り解決していたのである。まあ、実際その間に俺の工房を、奪われてしまう結果になってしまったのだが・・・。
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それで、今はおそらくマリエル様に緊急事態と言われ、シルク様はこっちに向かっているはずだ。
はっきり言ってこの後のことは、俺達は関与したくない状況だった・・・。
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その事をフィーナ様の部屋で愚痴っていると、何故かまた泣きながらマリエル様がやってきたのである。
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フィーナ様の部屋の扉を開け放ち、そのままフィーナ様に抱きついた。
「ふぇぇぇん、どないしよう。フィーナちゃん」
「はあぁ、マリエル?あんたどうしたのよ。泣きながら尋ねてくるなんて」
「あんな、以前会議であがってた話しがあったやん。それが近いうちに起きそうなんよ」
「はっ?何を言ってるの、この間のがそうじゃなかったの?」
泣きながらフィーナ様の部屋に入ってきて、そのままユウマの存在に気が付かず、フィーナ様に泣き付いているマリエル様にどうしたのかを尋ねると、信じられない答えが返ってきたようだ。
「うん、それなんやけど、実はあのあとシステムをすべて入れ替えたやん。それでよう調べたら・・・この間の件と違ってたんや」
「はぁ?・・・なにが違ってたの?」
うんうん、俺も何が違ってたのかは、気になるし俺の事にも気が付いて欲しい。
ミアちゃんも俺と同じ意見らしく、首を立てに振ってマリエル様の説明の言葉を待っている。
「あんな、ウチこの間の事が大厄災の元凶やと思っとったんよ。でも違ってたんよ」
「ん?あんた、馬鹿でしょう。あれは違う案件だったでしょうが、今更何を言ってるのよあんたは」
「えっ・・・そうやったんけ?でもでも、あの時システムがおかしかったから!?・・・・そう、やった・・・あん時、時間だけが狂っとったんやった。・・・・ウチ勘違いしとったん・・・・!?」
どうやらマリエル様は、物凄い勘違いをしていたらしく、その場で絶望に満ちた顔で考え込んでしまった。
マリエル様はその場で散々考えた挙句、最初の事を無かった事にして続きを話出した。
「・・・その最悪なんがな起こる時期なんよ。それが、なんと三週間後に同時に数箇所なんよ。どないしよう・・・ウチのとこの大陸・・もうおしまいや、うぅ、うう、うぇえええん・・・」
マリエル様はその様に半分訳の解らない事を語りフィーナ様に、すがり付き大泣きし出したのである。
どうやら勘違いしていたらしく、以前あった事が大厄災の元凶で、この後はそんなに大した事がないと考えていたようだ。
しかし改めてその案件の蓋を開けて見ると解決どころか何も変わってはなく、それどころか複数の箇所でその元凶が発生するらしい。しかも同時にだそうだ。
フィーナ様は困った顔をしてこちらに視線を向けてきたが、俺にどうかしてと言いたいように目を潤ませている。
まあ俺でも、複数同時に解決させる事など出来る訳が無いので、そっと首を横に振っておいた。
ただ、もしかしたらだけど・・・解決案がある。だが、そこは余り言葉にしない方がいいと思う。だってその方法は下手をしたら、時空を崩壊させてしまう可能性があるからだ。
その事は抜きにしても、流石に複数の事を解決するには・・・ん?よく考えたら別に俺が全部解決させる必要は無いんだよな・・・なら、どうにかなるかも。
その様に考えていると、フィーナ様はマリエル様に言葉を掛けていた。
「マリエル。まずはさぁ、自分ところの子達に頼んでみたら?それが駄目でもエミちゃんと話しあってさ、対策案を考えてからね。・・・・それから私達に相談をしにきなよ。ねっ」
フィーナはマリエルの肩を掴み、彼女の瞳を見つめながら真剣な表情で語り掛けた。
マリエルもその真剣なフィーナの表情を見て、涙は流していたが泣くのを我慢してその言葉を最後まで聞いて答えた。
「そっ、そうなんやけど・・・ね、実はもうエミちゃんとは、既に話してるんよ。グスッ、それで今・・・エミちゃんにはルアちゃんのところ・・・・シルクちゃんを・・・・・ふにゃぁあああっ」
話しをしている途中で、またフィーナ様の胸に、顔を埋めて泣き出した。
「ちょっと、ちょっと、どうしたのよ。なんで?また突然泣き出して・・・なんかあったの?」
「うっ、ぐすっ、ウチ・・・シルクちゃんに・・ぐすっ、散々注意されたのに・・・グスッ・・・・」
最後らへんは聞こえなかったが、その言葉を近くで聞いていたフィーナ様のほうは解ったのか『あっちゃぁ』と声をあげていた。
どうやらすでにシルク様まで巻き込んでいるようだ。それもマリエル様の勘違いで厄災の対処を怠った結果を、自分が気が付かず守護天使であるエミちゃんに、シルク様を緊急事態と言って呼びに行かせたようなのである。
しかも、散々シルク様にシステムが変わったから、今までに出ていた未来予見を確認して、早めに自分で対策をしろと念を押されていたのだ。それなのに、それをせずにすべてシステムがおかしかったとマリエル様は思い込み、これまで何もしてなかったようだ。
せっかくこの間起きた事を、反省して一時の間は真面目にしていた筈なのに、システムが完全復旧した後からは、また以前と同じような事をして、全くその反省を活かせず以前出ていた予見の対処をしていなかったらしい。
なら、おそらくシルク様は、その事を知ったら怒るだろう・・・・うん、おそらくどころか、絶対に物凄く怒るだろうね。
何故その様に思っていたかと言うと、シルク様はあのカレーパーティー以降は、実は1回だけ俺のところにある物を頼みにやって来ていた。 その時ちょうどフィーナ様のところに遊びに来ていたマリエル様を見かけて、戻ったら注意すると言ってフィーナ様にも会わずに帰っていった。
後日、俺に依頼していた物を取りに来たのは、シルク様ところの守護天使であるルアちゃんが来た。で、その時に事情を聞いたら、システムを変えた事により、色々とその対処に追われて忙しいと言っていた。
それなのにフィーナ様もそうなのだが、マリエル様はいつもここに来ていたような気がする。
まあフィーナ様に関しては、システム変更後はシステムの方を頼らず資料関係を、ある程度自分で確認して、俺達に今後厄災等の危険があるものは早めに対処をさせられていたのだ。
そのいくつかは、ユータとロンの2人と一緒に討伐をしたり、迷宮に潜り解決していたのである。まあ、実際その間に俺の工房を、奪われてしまう結果になってしまったのだが・・・。
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それで、今はおそらくマリエル様に緊急事態と言われ、シルク様はこっちに向かっているはずだ。
はっきり言ってこの後のことは、俺達は関与したくない状況だった・・・。
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