巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
323 / 557
第9章 戦いの中で真実を?

9-83 現実世界に戻るには・・・?

しおりを挟む



 それと今アリア達が戦っている魔神であるドロスも、その仕掛けがあった事を知らなかったのである。ただ、それに関しては、まだ誰も気が付いていなかったのであった。



 そんな戦闘が今だ行なわれている中で、まだ目を覚まさないユウマは、実はまだあの白い空間で考え事をしていた。

 もしかして、創造神様って俺の事を完全に忘れてるんじゃないのかな?普通ならもう少し早く目を覚ますと思うんだが・・・?

 そして、何故か少し不安になってきたのである。
「・・・俺は、ここからホントに抜け出せるのか?もしかしたら一生抜け出せなかったりして・・・・あはっ、あははっ」
 周囲をもう一度確認して、ここはやっぱり白い空間ではあるのだが、よくよく目を凝らしてみると小さな部屋の中でもあるなと思っていた。それは先程歩いて廻ったので解っている。

「途方もなく広かったら、どうしようと思うけど・・・いやそんな事はどうでもいいのだけど・・・」
 その場で頭を抱えて考え込んだが、最終的に考え付くのは女神様達が消えた・・・いや、現実世界に戻った時の事を思い出していたのである。

「やっぱり、寝るか気を失うかしないと駄目なのかな、寝ようにも眠くないしな、強引に寝ようとしても眠気はまったく来ない。・・・ならいっそ頭を強打して気を失うしかないのかなぁ・・・」
 そんな事を考え、その頭を強打するようなモノを探したが、そんなモノは見付らない。それにアイテムボックスの物を確認しようとしても、目の前に画面スクリーンが展開しない。そういつもみたいな半透明の薄青色のウインドウ画面が出て来ないし、ステータス事態が解らない状態である。

 それで後は、先程見つけた見えない壁の方に視線を向けて、アホらしい事を考え、息を飲んで突っ込んで行ったのである。
「うぉぉぉぉっ・・・・」
 実は面白半分に叫びながら、先程、確認出来た壁に衝突する前に目をつぶった。

 その結果その壁みたいなのモノがあった場所に、間違いなく激突した瞬間・・・何故か激突した感じではなく何か膜みたいなところをプルンと通った感覚があった。
 実際に痛いと言う感覚は全くなく、よくよく考えたら結界を通った様な感覚しかなかったのである。

 それにかなりすごい勢いで壁みたいなところにぶつかった筈なのに、何故かその前に立っていた状態であった。それには流石に訳が解らず・・・今度はその場所に勢いを付けてジャンプして、もう1度壁と思われる場所に激突を試みたが、結果先程と同じ様な感じであり、元の場所に戻っていた。
「なっ、なんなんじゃこの壁は?実は壁じゃないで結界のようなモノなのか・・・こりゃあ・・・いよいよ、俺に対しての嫌がらせか?」

 それでその壁に衝突するのは駄目だと思い、今度ははっきりとした床があるそこに頭をぶつければと考え、今度は思いっきりジャンプして床に激突しようとしたが、その結果・・・自分が霊体だった事を完全に忘れていたので、衝突する事さえ出来ず無理であった。
 何せその場で浮遊している状態で、床には不思議と頭からぶち当たる事はできず、その場所に足で立っているだけだった。
 しかも飛び上がった時には、横の壁と同じ様な結界が頭上にあったのである。・・・この部分の空間?いや、部屋?は大体5立方メートルの箱状の様な場所である事が最終的に解った。
 しかし、あくまでそれだけが解っただけで、何の解決にもならない状態であるのは変わらないのであった。

 そして、先程までは、その限られた空間で走り、飛びまわった後に、一度全ての行動をやめ息を整えて、なにも無かったように声に出した。
「まあ、冗談はこれぐらいにして、さて、ホントにどうしようかな・・・・」

 いったい何が冗談だったか解らないが、ユウマは自分でそんなアホな事を言っておきながら、なんで1人コントをしようとしていたのか解らない。とりあえずアホな事はやめて、ある事を試す事にしたのであった。
 ・・・そのある事はというと・・・・。

 その事を試し自分の霊体である身体が輝きだったのと同時くらいに、創造神様が慌ててこの空間に戻って来たのを確認したのを、最後に俺の意識は覚醒していたのであった。



 そんなアホな事と最後にとんでも無い事をユウマがその空間でやっている間に、現実世界では戦闘は続いていたのであった。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

過程をすっ飛ばすことにしました

こうやさい
ファンタジー
 ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。  どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?  そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。  深く考えないでください。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...