巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第9章 戦いの中で真実を?

9‐99 笑いと共にその正体は?

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 その大笑い声と共に変化を終えたであろうそいつが、周りに漂っていた黒い霧を纏ったまま、その長く伸びた首を真っ先に黒い霧より、その部分だけを現したのであった。



 その首はまさしく竜?というより蛇に近い、それで頭の部分は先程まで魔神?であったキサールの顔があるのであった。
『ぐはははっ、これが魔神竜と融合進化した私だ。はぁ、はぁ、恐怖して拝め!ぐはははははっ・・・げほっ、げほっ』
 その頭?の部分をもたげ、周囲にいる俺達の方を見回した。しかし、しまりが余りにもなさ過ぎるし、まだ、息が荒い状態であった。

 それにその頭の部分だけなら違う意味で、恐らく・・・皆、恐怖するのだろうが、何せこの時点でその頭とその首の部分のバランスが、少しおかしいのである。
「なあ、俺の目がおかしいのか?頭の大きさに比べたら、なんかおかしく無いか?」
「くっ、くく、駄目だよ。お兄ちゃん、あっ、あいつ、一生懸命・・・くくっ・・・」
 ミーアには、あの状態がやはり可笑しいようで、必死に笑いを堪えている。やっぱり俺の目は、おかしくないようである。

 確かに頭はかなり大きい、それは魔神であったときより、その頭は最初に見たときより2倍ほど大きいと思える。それにその部分は大きくなっている以外は、恐らく普通?だろうと思う。
 ただ、頭から下の首の部分が、その頭に対して細すぎるのような感じである。強いて説明するならサッカーボールに細いホース(直径2cm程)が付いているような感じ、ただし、その大きさは3倍以上ある。
 とにかく、その時点でバランスがおかしいのである。

 それでその姿とその魔神の真面目な顔だけでも、十分笑えるのだが・・・それをみんな、何故か必死に笑いを堪えている。もちろんその為、俺の質問にはミーア以外は答えてくれなかった。

 その他のみんなは、恐らく声を出したら笑いを耐えられないのだろうと思う。必死に口を押さえているからだ。

 それでみんなが笑いを必死に耐え・・・その全貌が解るまで我慢して、黒い霧が完全に晴れるのを待つ事にした。 ただ、すでにロンとアリア、それに雪姫とファルか堪えられないのか、視線を出来るだけそらしているが、チラチラそいつの姿を見ては、笑いを堪えまた視線をそらす動作を繰り返していた。

 それを魔神キサールの頭は、自分に恐怖して視線をそらしていると勘違いして、何故か気分を良くして声をあげた。
『そうだろう、そうだろう。うっ、ごほっ、あまりの恐怖で私を直視できまい!ぐっははっ、ぐっはははっ・・・ふぅっ、ふぅっ?』

 その間にも魔神キサールの頭は、細い首で持ち上げつつ高笑いをしていた。それに苦しそうだ・・・そして、次の瞬間!?
『ふぅぅぅっ、ふぅぅぅっ、ふっ、さっ、さぁぁぁっ、見るが良い。私が最終進化した。魔神竜の真の姿を!そして更に恐怖するがよい・・・・』

 その言葉とドヤ顔と共に翼を広げ、自分の周りに纏わり着いていた黒い霧を振り払った・・・。 

 周囲の黒い霧が全て吹き飛ばし、その場に現れたのは竜?とはあきらかに違い、それに蛇みたいな胴体というわけでもない。ちゃんとした胴体はあるそこからひょろひょろと首?が伸びその先に先程の大きな頭がある。
 さらにはその胴体らしい場所には、禍々しい翼がコウモリの様な翼で・・・かなり無理をしてその翼を広げたのであった。

 そいつの全体の姿が見えてきた。それで完全に全貌が明らかになったのだが、その全体像が全てにおいておかしすぎるのであった。
 そうバランスだけでなく、他に色々と笑いをもたらす姿なのであった。しかも当の本人は、至って真面目で真剣な顔なのに、ある場所は・・・。

 姿が全部現れた瞬間、みんな一斉にふきだした。
「ぶばぁぁ、くっ、くぅっくくくっ、あぁぁははははは!何だあの顔はそれにあいつ、あいつは、ぷくくくくっ・・・・」(余りの面白さに笑い転げるユウマ)
「ぷっ、ぷっぷっ、もう駄目お腹痛い、しっ、死ぬ、誰かあいつを、どっ、どっかに、くっくくくっ・・・」(お腹を抱え苦しむアリア)
「くっ、くくくくっ、くっ、苦しい!だっ、だれか、くっくくくくっ・・・」(必死に堪えようとするが苦しがるロン)
「くっくく、あはっ、あはっ・・・・・ひっくっ・・・」(余りにも面白すぎて半分ひきつけを起しかけてるミーア)
『・・・あはっ、はははははっ・・・くっ、うううううっ、あははははは・・・』(一瞬思考が止まり唖然としたが、やはりおかしい笑い出すファル)
『ふっ、ふふふっ、ぷっ・・・くっくくくくっ、あはっ、あはははっ、くる、苦しい・・・』(おしとやかに笑おうとするが我慢できず笑い苦しむ雪姫)
『きゃははははっ、きゃぁぁはははははっ、あっ、あんたッ最高だよ。くあはははは・・・』(正直に笑い転げる月姫)
『ぷっ、グヮグッ・・・・・』(頭を前足で押さえ必死で堪えてるラン)
 全員が一斉に相手より先制攻撃を受けたのだ。ただしお笑いの・・・・。

 しかしその事は、当の本人である魔神竜?だろうと思っているキサールは、何がなんだか解ってない状態であった。そのみんなの笑いに驚き不思議に思い、現状固まってしまっていたのであった。

 何故この様な状態になっているかと言うと・・・それは、まず大きく広げた翼は姿は身体の・・・いや、胴体の大きさから考えたら異常な大きさであった。
 通常のコウモリの翼であるなら、胴体より遥かに大きい筈なのであるが・・・それから考えるとかなり小さい羽であった。それに胴体と思えるモノにも顔が、いや、鳥の頭があるのであった。



 一番最初に姿をさらす前には、その小さな翼を広げて長い首?で頭を上げたときの影は・・・完全な竜の姿に見え無い事もなかった。いやどちらかと言えば、影だけで言えば竜と言っても納得できる姿だった。


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