薔薇の病いは、君だけに

大学で講義をする尚也の前に現れたのは、元教え子の透。
久しぶりに会う元教え子に、尚也は喜ぶ。
心の奥にあるトキメキを隠したままで。

講義を終えて、自分の研究室に戻った尚也。
ふと鏡を見ると、首にできた赤い跡に気づく。
「またか……」
ため息とともに服を脱ぐと、全身に散らばる赤い跡。
いわゆる『薔薇病』と呼ばれる肌の異変。
人に感染るものではないし、かゆいわけでもない。
ただ、唇を押し当てたように赤くなるだけ。
体に不都合はないけれど、誤解を受けるのは面倒だ。

放っておけば、6週間ほどで消える病い。
けれど、早く消したくて尚也は、薬を手に取る。
その時、研究室の扉が叩かれる。

廊下に立っていたのは、透だった。
「先生、また、あれですか? 俺が薬を塗りますよ?」
断りきれずに渡した薬。
背中に伸びた透の指の動きが、少しずつ変わっていく。

何かを知らせるように現れる病いの意味とは?
卒業後、数年経って現れた透の真意とは?
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