令嬢キャスリーンの困惑 【完結】

そして…

　その後、私は寮に入り父親は王女様と結婚した。父親からの歳費はかなり溜まっている。そして、叔母さまに言われたように14歳後半からぐんぐん背が伸びた。18歳いまは平均的女性の身長より15cmほど高い。エレインは『キャスだけ背が伸びてずるい』と言ってます。エレインは平均より3㎝くらい背が高いのですけどね。

　そして今の私の婚約者は…王弟殿下だったりします。年齢がダブルスコアなんですけどね。ジェリー殿下は女性騎士の方と16で恋に落ち、卒業と同時に結婚です。先月の結婚式はそれはそれで大忙しでした。結婚後は王族の地位を降りて、アボット伯爵家を継ぎました。ジェリー様のおじい様は『やっと肩の荷が下ろせた』とおっしゃってました。次はエイドリアンとマリーベル様の式がまってます。私？私は20歳までは王宮で文官として働きます。そのあとで結婚、と。王弟殿下の年齢が年齢なので皆やきもきしてますが、当人同士はそうでもなく。

　宰相様は相変わらず独身で浮名を流してます。いやぁ、中年になっても気持ち悪いくらいもててます。そうそう、陛下は王妃様、側妃様、両方に同時に女児ができてその上両方の子供が王家の色を持った子供だったので二人の王女にメロメロです。二人は不思議なくらい似ていて、双子に見えてしまいます。そう、二人とも陛下によく似てるのです。でもものすごく可愛らしい。二人とも私やエレインにも少し似てて、自分たちに王家の血が入ってることを意識してしまいます。

　ミシェルは結局、言葉を失ったままですが神殿の中で暮らしています。外界に出で暮らすのは嫌だと本人が意思表示したそうです。



　「僕の粘り勝ちだよね」

と相変わらず両目をつぶるウインクが王弟殿下から飛んできます。

「殿下、ウィンク下手なんだからやめた方がいいですよ」

「相変わらずキャスは冷たいなぁ」

「はいはい」

そんなことを言いながら頬に軽くキスをしてくる殿下の事は…結構好きですよ？



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