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受容
しおりを挟む目が覚めて、これが覚めない夢である現実を受け入れなければならなくなった充希は、とっても長い時間をかけて自分の置かれた状況についての説明を受けた。
重い頭で考えて、咀嚼して、どうにか自分の中の知識と常識を織り交ぜて理解したのは以下の通りである。
(つまり私は異世界トリップしてこの世界にきて、もう元の世界には帰れないってこと…?)
サイラス──この目の前の金髪碧眼のイケメンによる説明では、こうだ。
この世界には魔法があって、皆が当たり前に魔法を使っている。
だが多くの魔力を消費すると、障りと呼ばれる魔障が人体にあらわれるのだそうだ。
魔障は一度あらわれるとどんな回復魔法でも消えない。障りを失くすには異世界から召喚した聖女と呼ばれる癒しの力を持つ者との性交渉が必要となる。
聖女の体液を取り込むことで、障りは浄化されるのだそうだ。とりわけ愛液が有効で、故に聖女との性行為は浄化には必須。
つまり召喚されてしまった充希の役目は、魔障に苦しむ人間との性交渉、及びそれに準ずる行為、ということになる。
「いやいや、それってどんなエロゲ…」
酷い設定だ、と充希は頭を抱える。
そもそも聖女って、清らかなものなんじゃないの?なのにお役目が性行為って矛盾してない??
「矛盾はしていないのですよ。聖女様の御体は清らかですから」
「清らかの意味ってなんだっけ…」
「汚れなく美しい様子、ですね」
「………………」
嫌味も通じないんだ、と充希は絶望する。
こんな馬鹿みたいな話、嘘っぱちだと一蹴したいのにそれももう出来そうにない。何故ならサイラスの魔障の一部が先の充希との行為で消えたというのだ。
そう、あの夢だと思っていたえっちな行為の数々は、紛れもない現実だったのである…
「すぐに御理解頂くのは難しいかと存じます。なので、聖女様の御心が落ち着くまでは陛下の御相手のみに専念して頂ければと思います」
「えっ!?陛下!?」
「ええ、とりわけ陛下の魔障は進行が早く、深刻な状況でした。なので聖女様の同意無く事に及んでしまったことを、私からも深くお詫びさせて頂きます」
ということは、あの後ろから抱かれた夢も現実、ということになってしまうのだろうか…
(事後承諾にも程がある!!)
気を抜くと、また意識が飛んでしまいそうだった。
えっちな夢なんて呑気なことを言っている場合ではなかった。正真正銘えっちしていたのだ!それもなんの同意もなく!!
(それってレイプとどう違うの?って聞きたいところだけど、要はそれが私のここでの役割ってことなんだよね…)
それに、正直あんなに濡らして感じておいて、今更相手を責めるのも何か違う気がするのも確かだった。
充希は結局文句のひとつも言えずにサイラスの淹れてくれたミルクティーを飲み干した。
「さて、お話もひと段落つきましたし、そろそろ朝食になさいますか?それとも先に湯浴みになさいますか」
「ゆ、湯浴み…がいいです」
実はなんだか、先程から何かが垂れてきているような気がしていたのだ。
あの夢が現実だというのなら、完全に中出しされている。しかもかなりの量を。
早く洗い流したいと充希が訴えると、サイラスは何故か唐突に充希をお姫様抱っこした。
「!!」
「こちらです、聖女様」
「ある、歩けます!普通に!!」
「いいえ、おそらく無理だと思います。陛下の御相手をしたのですから、御体にかなりの負担がかかっているに違いありません」
サイラスはそう言い放つとそのまま隣の部屋の扉を開けた。なんと隣はすぐにバスルームだったらしい。
「僭越ながら、このサイラスが聖女様の御体を洗わせて頂きますね」
とってもいい笑顔でそう言われ、充希は思わず、白目を剥きそうになった。
重い頭で考えて、咀嚼して、どうにか自分の中の知識と常識を織り交ぜて理解したのは以下の通りである。
(つまり私は異世界トリップしてこの世界にきて、もう元の世界には帰れないってこと…?)
サイラス──この目の前の金髪碧眼のイケメンによる説明では、こうだ。
この世界には魔法があって、皆が当たり前に魔法を使っている。
だが多くの魔力を消費すると、障りと呼ばれる魔障が人体にあらわれるのだそうだ。
魔障は一度あらわれるとどんな回復魔法でも消えない。障りを失くすには異世界から召喚した聖女と呼ばれる癒しの力を持つ者との性交渉が必要となる。
聖女の体液を取り込むことで、障りは浄化されるのだそうだ。とりわけ愛液が有効で、故に聖女との性行為は浄化には必須。
つまり召喚されてしまった充希の役目は、魔障に苦しむ人間との性交渉、及びそれに準ずる行為、ということになる。
「いやいや、それってどんなエロゲ…」
酷い設定だ、と充希は頭を抱える。
そもそも聖女って、清らかなものなんじゃないの?なのにお役目が性行為って矛盾してない??
「矛盾はしていないのですよ。聖女様の御体は清らかですから」
「清らかの意味ってなんだっけ…」
「汚れなく美しい様子、ですね」
「………………」
嫌味も通じないんだ、と充希は絶望する。
こんな馬鹿みたいな話、嘘っぱちだと一蹴したいのにそれももう出来そうにない。何故ならサイラスの魔障の一部が先の充希との行為で消えたというのだ。
そう、あの夢だと思っていたえっちな行為の数々は、紛れもない現実だったのである…
「すぐに御理解頂くのは難しいかと存じます。なので、聖女様の御心が落ち着くまでは陛下の御相手のみに専念して頂ければと思います」
「えっ!?陛下!?」
「ええ、とりわけ陛下の魔障は進行が早く、深刻な状況でした。なので聖女様の同意無く事に及んでしまったことを、私からも深くお詫びさせて頂きます」
ということは、あの後ろから抱かれた夢も現実、ということになってしまうのだろうか…
(事後承諾にも程がある!!)
気を抜くと、また意識が飛んでしまいそうだった。
えっちな夢なんて呑気なことを言っている場合ではなかった。正真正銘えっちしていたのだ!それもなんの同意もなく!!
(それってレイプとどう違うの?って聞きたいところだけど、要はそれが私のここでの役割ってことなんだよね…)
それに、正直あんなに濡らして感じておいて、今更相手を責めるのも何か違う気がするのも確かだった。
充希は結局文句のひとつも言えずにサイラスの淹れてくれたミルクティーを飲み干した。
「さて、お話もひと段落つきましたし、そろそろ朝食になさいますか?それとも先に湯浴みになさいますか」
「ゆ、湯浴み…がいいです」
実はなんだか、先程から何かが垂れてきているような気がしていたのだ。
あの夢が現実だというのなら、完全に中出しされている。しかもかなりの量を。
早く洗い流したいと充希が訴えると、サイラスは何故か唐突に充希をお姫様抱っこした。
「!!」
「こちらです、聖女様」
「ある、歩けます!普通に!!」
「いいえ、おそらく無理だと思います。陛下の御相手をしたのですから、御体にかなりの負担がかかっているに違いありません」
サイラスはそう言い放つとそのまま隣の部屋の扉を開けた。なんと隣はすぐにバスルームだったらしい。
「僭越ながら、このサイラスが聖女様の御体を洗わせて頂きますね」
とってもいい笑顔でそう言われ、充希は思わず、白目を剥きそうになった。
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