【完結】婚約破棄した姉の代わりに嫁ぎます

七咲陸

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番外編

僕の優しい婚約者 ⑦※

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  あ、と気づいた。婚約者になって初めて燈夜と出掛ける日まであと三日になった時だ。

「は、発情期忘れてた……っ」

  スマホに入れていたアプリから通知が来て思い出した。三日前に来るように設定してるので、慌てて燈夜さんに連絡した。発情期が明けたら連絡します、ごめんなさいと送信して、すぐに既読が付く。仕事中なはずなのに、あれ?と思ったけれどなかなか返信がない。

「直前で連絡したし…お、怒ってるかも。どうしよう……っ」

  なんとなく胃がキリキリしてくるのを感じていると、部屋の扉からノック音が聞こえてきた。

「紬。ちょっと良いか?」

  お父様の声だった。

「はい、どうかしましたか?」
「三日後から燈夜さんの所でお泊まりしなさい」
「お、お泊まり……?」
「燈夜さんが『神に誓い、鋼の意志で耐えるので、紬と過ごさせて欲しい』と連絡が来てな」
「過ごす……?」
「まぁつまりだ。発情期を一人で耐えさせたくないというαらしい要求だった」

  ようやく話が理解出来て頭からボンっと爆発音が聞こえてきた。お父様の後ろにはお母様も居てウンウンと頷いている。

「私も旦那様と添い遂げるまでは大変でしたし、燈夜さんともある取引をしておりますので大丈夫でしょう。安心して行くと良いですよ」
「? 取引、ですか?」
「そこはおいおい説明します。紬にとっても悪い話じゃないのですよ」

  にっこりと二人に言われて、僕は三日後に向けて悶々と過ごすことになった。



「よ、よろしくお願い、ひ、ましゅ」
「緊張で噛み噛みだ。こちらこそよろしく」

  霜永家まで迎えに来てくれた燈夜さん。相変わらずカッコイイと見上げると、車のドアを開けて乗るようにエスコートしてくれた。荷物を後ろの席に置いて、燈夜さんが運転席に座った。シートベルトをしようと僕がゴソゴソしていると、ふと影か差す。車にいるのに、どうして?と思い見上げると、いつぞやの時のようにまた燈夜に囲われていて身動きが取れない。

「と、やさ…っ、んっ!」
「一週間、帰りたいって泣いても帰さねぇからな」
「ひゃぅっ!」

  耳の穴にぴちゃりと音を立てて舐められた。朝からジワジワと体温が上がっている気がしていたが、舐められて下腹がキュンと疼くのを感じて一気に体温が上がった。まだ少し猶予のあった発情期の兆しは燈夜さんの手によって押し上げられてしまいそうになる。

「あー可愛い。さ、行こうか」
「か、揶揄わないでくださ……っん!」
「揶揄ってねぇよ。全部本気だ」

  本気なら本気で少し困ってしまいそうなほど押されていた。
  そう言えば僕はお母様に、αを誑かす方法を習ってはなかったなと自分が燈夜さんに振り回されながら思った。



「っ、あ! やぁあ! んんっ、んっ!」
「はー可愛い、やべー…こっちは抑制剤マックスまで飲んでんだぞ。なのにこんなにやりてぇのはもう匂いじゃなくて、可愛いからだな」

  ぐちゅぐちゅと燈夜さんの指が僕の後孔に突っ込んで暴れている。バラバラに動かされながらずっと僕の良い所をトントンと優しく押してくれる。
  発情期は完全に来ていた。僕の頭は溶け、目は蕩け、口から涎が出るほどヨガリ狂っていた。気持ちいい、気持ちいいとしか考えられない。ずっと、気持ちいいから降りてこれなかった。

「あ、あっ!やぁ、また、イク、イっちゃうぅ!」
「おーイケイケ。お前くらいの歳は猿みたいなもんだから、沢山イっても大丈夫だろ?」
「あっ、ぁ、また、きちゃ、あ、~~~っっっ!!」

  連続で極められ、声なき声で絶叫した。チカチカと星が舞う。ぺしゃりとうつ伏せで腰だけ上げて燈夜さんにみっともない姿を見せているけれど、もう僕に考える力は殆ど無くて、気持ちいいことをしてくれる燈夜さんのことばかりだった。

「とう、やさ、ぁ! 燈夜さ、挿れて、お願い、燈夜さんの、ちょうだい……!」

  後ろを見ると、僕ははだけた着物姿だけれど燈夜さんは下着姿だった。下着越しにみる燈夜さんの逞しいソレが欲しいと本能で言う。

「ははっ、かわいーじゃん。処女なのにケツ振ってお強請りか。けど悪いな。ご当主様たちと神に誓ってこれ以上はやらねぇって決めてんだ」
「やだあ!お願い、燈夜さん、おねが、んっ!ぁっ!」
「ほら、こっちで天国イかせてやるから。我慢しろ」
「指じゃやぁ……!いやぁ!」

  死ぬほど可愛いな、と何だか悪い顔で言われる。すると燈夜さんはなにか思いついたのか、うつ伏せで腰を上げていただけの僕の手を掴んで上半身を上げさせ、四つん這いにさせた。

「じゃあちょっとだけな」

  なにが、と思った瞬間、パンッと思い切り腰を打ち付けられた。

「ああっ!」
「はー可愛い。挿れてねぇのにこれだけで感じてんのか?」
「と、やさっ!あっんっ、きもち、いっ!あんっ!」

  パンパンと燈夜さんは下着をつけたまま僕の腰にぶつけ、その刺激だけで僕は快感を得ていた。硬いものがお尻に当たったり、イキすぎて勃たない僕のモノにゴリゴリ当ててくれて指を入れられるより感じてしまっている。

「あー…早く挿れて番にしてぇなぁ……十六になったら結婚しような?」
「あんっ、あっ、する、けっこんするぅ! 燈夜さ、もっとぉ……!」
「頭バカになってら。はー最高。ほらっ、紬!イけっ」
「あ、あああっ!!んんっっ!」

  パンっと大きく打ち付けられ、掴まれた腕と腰もちょっと痛いけれど、普段は優しい燈夜さんが僕が満足できるようにとずっと激しく攻めてくれる。少し乱暴な物言いだって、カッコよくて強引で、ずっと下腹がキュンキュンしていた。

  僕は帰りたい、なんて一度も思うことの無い発情期を過ごした。


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