8 / 23
気まずい
しおりを挟む
あれからしばらくして、互いの器の底が見え始めた
「…飲み終わっちゃった」
そう言う彼のカップの底にはクレッセントが残されていた
僕も残りのひとくちを飲み干すとコトリ、とカウンターテーブルにそれを置いた
「もう出ましょうか」
僕の声に雅空さんが静かに頷いた
正直、気まずい。
そんなことを考えてしまうのは全て自分のせい。
分かっているけれど先程までの威圧感は僕の肌から離れない
日焼けをした時のように、じんわりと、ヒリヒリとした感覚。
それを悟らせないように、顔を背けて会計を済ませた
失礼なことをしていると自覚している
けれど、さっきのことを気にしていることを知られたくない
もっと、気まずくなってしまうかのような予感がして。
「それじゃあ、またね。舞桜」
喫茶店で「舞桜と呼んでください」と言ったことを覚えてくれていたようだ
それにきゅーっと胸が締め付けられる
ごめんなさい、失礼なことをしてしまって。
「はい、また今度」
ちゃんと雅空さんを見て、微笑んだ
彼も鏡合わせのように微笑み返してくれた
形のいい眉が下がっていたのも、僕の真似ですか?
小さく手を振ってから彼に背を向けた
数歩、歩いてから肩越しに彼を振り返ると、もうそこには彼の姿はなかった
「…飲み終わっちゃった」
そう言う彼のカップの底にはクレッセントが残されていた
僕も残りのひとくちを飲み干すとコトリ、とカウンターテーブルにそれを置いた
「もう出ましょうか」
僕の声に雅空さんが静かに頷いた
正直、気まずい。
そんなことを考えてしまうのは全て自分のせい。
分かっているけれど先程までの威圧感は僕の肌から離れない
日焼けをした時のように、じんわりと、ヒリヒリとした感覚。
それを悟らせないように、顔を背けて会計を済ませた
失礼なことをしていると自覚している
けれど、さっきのことを気にしていることを知られたくない
もっと、気まずくなってしまうかのような予感がして。
「それじゃあ、またね。舞桜」
喫茶店で「舞桜と呼んでください」と言ったことを覚えてくれていたようだ
それにきゅーっと胸が締め付けられる
ごめんなさい、失礼なことをしてしまって。
「はい、また今度」
ちゃんと雅空さんを見て、微笑んだ
彼も鏡合わせのように微笑み返してくれた
形のいい眉が下がっていたのも、僕の真似ですか?
小さく手を振ってから彼に背を向けた
数歩、歩いてから肩越しに彼を振り返ると、もうそこには彼の姿はなかった
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる