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彼のこと。
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彼と別れてすぐに寄り道せず家に帰ってきた
鞄をソファに放り投げ、寝室へ直行する
わだかまりを抱えてしまった
何回目かも分からない溜息をついた
なんでこんなに気にしてしまっているんだろうか
「あーあ…」
だらだらとベットに身を沈めると、無意識に声が出た
くだらないと思う
原因は自分にあるはずなのに、雅空さんに気を使わせてしまった
誰もいない、自分だけの家でまた、溜息を漏らした
自分の出す溜息以外に音はなく、それが過ぎ去れば静けさだけが残る
こんなに悩む必要は無いのに考えてしまう
執拗いくらいの溜息が出そうになった時に、スマホが振動をした
リビングで微かに振動した音を耳が拾った
耳がいいのが唯一の取り柄だなぁ、とか苦笑いしてリビングにいる、もう振動の止まったスマホを手に取る
スリープモードを解けば溜まっている通知
その1番上にいまさっき来た連絡
もしかしたら、雅空さんからかもしれない、という不安と期待が打ち砕かれ、どこかほっとしている自分がいた
『明日大学来るやろ?』
大学で出来た友人からのメッセージだった
ロックを解除し、メッセージをタップすれば方言混じりの質問
スマホの向こうの友人を想像しながら
『うん、行くよ。』
簡素な返事をした
すぐに付く既読の文字。
『よかったぁー!明日一緒に行かん?』
という文と共に手を合わせて頼んでいるような、犬のスタンプが送られてくる
やんちゃで可愛らしい彼のような犬のスタンプに思わず笑みがこぼれる
『いいよ、いいよ。一緒に行こうね』
OKサインを出す猫のスタンプを送った後、何時にどこ集合かを決めていった
彼と話すのはとても楽しい
あっけらかんとしていて、一緒にいると自然に笑顔になれる
ムードメーカーな彼と出会ってから、自分の性格が前よりも、明るくなったように思える
溌剌とした雰囲気が画面越しでも伝わる彼の文面は、実際に話している時と変わらないテンションで。
明日の待ち合わせも決まり、『また明日』と言葉を交わせば、さっきまでの憂鬱な気分は少し晴れていた
雅空さんへしてしまった自分の失態を上手く飲み込めた気がした
次会うときは、気にしないようにしようと心に決めた
音楽をスマホで流し、明日の準備を進める
はじめは鼻歌だったものが、徐々にしっかりとした音を発するようになっていた
「皆とは圧倒的に違う声の高さ」に苦しい思いをしたこともあった
でも、音楽は違う
音楽ではそれも「個性」として受け入れてくれる
唯一、音楽だけが僕の声を受け入れてくれて、そんな場所で僕自身を大切にしてくれる友人にも出逢えた
それがどんなに幸福で奇跡的なことか。
それに身震いして明日、友人に会うことを心待ちにした
鞄をソファに放り投げ、寝室へ直行する
わだかまりを抱えてしまった
何回目かも分からない溜息をついた
なんでこんなに気にしてしまっているんだろうか
「あーあ…」
だらだらとベットに身を沈めると、無意識に声が出た
くだらないと思う
原因は自分にあるはずなのに、雅空さんに気を使わせてしまった
誰もいない、自分だけの家でまた、溜息を漏らした
自分の出す溜息以外に音はなく、それが過ぎ去れば静けさだけが残る
こんなに悩む必要は無いのに考えてしまう
執拗いくらいの溜息が出そうになった時に、スマホが振動をした
リビングで微かに振動した音を耳が拾った
耳がいいのが唯一の取り柄だなぁ、とか苦笑いしてリビングにいる、もう振動の止まったスマホを手に取る
スリープモードを解けば溜まっている通知
その1番上にいまさっき来た連絡
もしかしたら、雅空さんからかもしれない、という不安と期待が打ち砕かれ、どこかほっとしている自分がいた
『明日大学来るやろ?』
大学で出来た友人からのメッセージだった
ロックを解除し、メッセージをタップすれば方言混じりの質問
スマホの向こうの友人を想像しながら
『うん、行くよ。』
簡素な返事をした
すぐに付く既読の文字。
『よかったぁー!明日一緒に行かん?』
という文と共に手を合わせて頼んでいるような、犬のスタンプが送られてくる
やんちゃで可愛らしい彼のような犬のスタンプに思わず笑みがこぼれる
『いいよ、いいよ。一緒に行こうね』
OKサインを出す猫のスタンプを送った後、何時にどこ集合かを決めていった
彼と話すのはとても楽しい
あっけらかんとしていて、一緒にいると自然に笑顔になれる
ムードメーカーな彼と出会ってから、自分の性格が前よりも、明るくなったように思える
溌剌とした雰囲気が画面越しでも伝わる彼の文面は、実際に話している時と変わらないテンションで。
明日の待ち合わせも決まり、『また明日』と言葉を交わせば、さっきまでの憂鬱な気分は少し晴れていた
雅空さんへしてしまった自分の失態を上手く飲み込めた気がした
次会うときは、気にしないようにしようと心に決めた
音楽をスマホで流し、明日の準備を進める
はじめは鼻歌だったものが、徐々にしっかりとした音を発するようになっていた
「皆とは圧倒的に違う声の高さ」に苦しい思いをしたこともあった
でも、音楽は違う
音楽ではそれも「個性」として受け入れてくれる
唯一、音楽だけが僕の声を受け入れてくれて、そんな場所で僕自身を大切にしてくれる友人にも出逢えた
それがどんなに幸福で奇跡的なことか。
それに身震いして明日、友人に会うことを心待ちにした
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