115 / 627
115 またダメだった
しおりを挟む
五日後。ルキアスはザネクと二人でダンジョン探索だ。リュミアとエリリースはリュミアが講習の教官の日だから同行していない。
「セイッ!」
「またダメだったぁ!」
ザネクが気合を込めてホーンラビットを斬り倒す。
嘆くのはルキアスだ。力無く天を仰ぐ。ホーンラビットのザネクへの襲撃をザネクより先に見付けて先に倒すと言う、リュミアから出された課題をクリアできる見込みは全く立っていない。
初日にしたのは単なる競争だ。ルキアスはザネクに完敗。ホーンラビットを倒すのは勿論、発見さえできず仕舞いに終わった。それだけでなく、ザネクから見てルキアスと重なる方角から襲い掛かって来たホーンラビットに危うく突き刺されそうになる場面まであった。いくらホーンラビットがルキアスに対してアクティブにならなくても、わざわざ避けてはくれないのだ。
二日目は初日を踏まえてルキアスを前にザネクを後にした隊列を組み、ルキアスは前方のみにを警戒することにした。それ以外の方角は全てザネクに任せて範囲を限定したのだ。これは功を奏してルキアスが先に発見することもあったが、蒸気圧を高めるのに時間が掛かって全く対応はできなかった。
三日目は二日目までを踏まえ、予め蒸気圧を高めておいた。しかし高温の長時間維持が難しいことや、気密性が完全ではないために蒸気が徐々に抜けることで、いざ出番となった時に威力が出ない。酷い時には銃口からこぼれ落ちるかのような発射になった。加えて、常時高温では断熱用の木材のタンクに接触する部分での焦げが加速する。魔力も消耗して疲労するのが早く、早々に引き上げざるを得なくなった。
四日目の昨日は三日目までを踏まえ、タンクの蒸気を定期的に入れ替えるようにした。蒸気圧を高めておく時間も短くした。警戒する方角を絞るに留まらず、時間まで絞ったのだ。
それでも無理だった。この日は同行していたリュミアとエリリースが何も言わなかったのは幸か不幸か。
そして今日は昨日を踏襲しているが芳しくない。何か根本的な改変が必要そうだ。
「蒸気圧はいいと思ったんだけどなぁ」
ルキアスの嘆きにも似た声は虚空に消えた。
「セイッ!」
「またダメだったぁ!」
ザネクが気合を込めてホーンラビットを斬り倒す。
嘆くのはルキアスだ。力無く天を仰ぐ。ホーンラビットのザネクへの襲撃をザネクより先に見付けて先に倒すと言う、リュミアから出された課題をクリアできる見込みは全く立っていない。
初日にしたのは単なる競争だ。ルキアスはザネクに完敗。ホーンラビットを倒すのは勿論、発見さえできず仕舞いに終わった。それだけでなく、ザネクから見てルキアスと重なる方角から襲い掛かって来たホーンラビットに危うく突き刺されそうになる場面まであった。いくらホーンラビットがルキアスに対してアクティブにならなくても、わざわざ避けてはくれないのだ。
二日目は初日を踏まえてルキアスを前にザネクを後にした隊列を組み、ルキアスは前方のみにを警戒することにした。それ以外の方角は全てザネクに任せて範囲を限定したのだ。これは功を奏してルキアスが先に発見することもあったが、蒸気圧を高めるのに時間が掛かって全く対応はできなかった。
三日目は二日目までを踏まえ、予め蒸気圧を高めておいた。しかし高温の長時間維持が難しいことや、気密性が完全ではないために蒸気が徐々に抜けることで、いざ出番となった時に威力が出ない。酷い時には銃口からこぼれ落ちるかのような発射になった。加えて、常時高温では断熱用の木材のタンクに接触する部分での焦げが加速する。魔力も消耗して疲労するのが早く、早々に引き上げざるを得なくなった。
四日目の昨日は三日目までを踏まえ、タンクの蒸気を定期的に入れ替えるようにした。蒸気圧を高めておく時間も短くした。警戒する方角を絞るに留まらず、時間まで絞ったのだ。
それでも無理だった。この日は同行していたリュミアとエリリースが何も言わなかったのは幸か不幸か。
そして今日は昨日を踏襲しているが芳しくない。何か根本的な改変が必要そうだ。
「蒸気圧はいいと思ったんだけどなぁ」
ルキアスの嘆きにも似た声は虚空に消えた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
722
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる