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第9章 桜の花が散る頃に
114 超新星爆発
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全員が能力を最大まで稼働させて一撃を叩こうと動くが、
「一つ聞く」その声は後ろから聞こえた。
「あの程度で俺に打撃を与えたと考えているのか?」後ろから何かが迫ってくる、ただ、ふと全員が打ち上がり、空中で更に吹き飛ばされ、地面に着地する。空中で見たのは、先生が真上に腕を振り上げた事と、桜の魔王の攻撃が先生に撃ち込まれた事だった。
砂埃は晴れない。しかし、なつが
「最初に最大の1を叩き込まない理由がない」
そして、物凄く軽やかに宙を舞いながらその場所まで向かい、
青い焔を纏った。それが、
「収縮。あたしの全力、ぶつけてやるよ」なつの体に吸い込まれていき、ドクンと空気が脈動する。なつはその砂埃の立ち込める空間に歩を進める。そして立ち止まって、
「超新星爆発!」一瞬、視界が真っ黒になり、俺は本能的に防御を取った。
その瞬間の、大爆発。地球が割れたかのような衝撃がその場に走った。
数秒後、耳鳴りが治まり、何とか他に意識を向けられるようになると、真横に先生が立っていることに気付いた。耳が片方無くなっている。しかし、既に血は止まっていた。本人もあっけらかんとしている。どうやら、あの時咄嗟に回避をしたので首に攻撃が直撃することはなかったらしい。
「なつのエネルギーの爆発力に関しては僕でも敵わないかもな」実際、コントロールとかそう言う次元ではなく、威力で全てを解決している。しかし、
「まあ、これで終わるわけないか」先生と澄玲が飛んできた何かを抱き止める。
「なつ、少し休んでろ。廻に任せた」先生が俺になつを渡し、
「全員警戒しろ!どこから来るか分からないぞ!」先生も既に靈眼を使いすぎている。常に使い続けられる余力は無いだろう。
とにかく俺はなつを抱えて少し下がる。大きな怪我は負っていないようだが…
「どこが痛む?」俺はそう尋ね
「あ、アンタねぇ。あたしを舐めるな」そして俺の腕から降りて立とうとするが、
「危ねぇな」ふらつくところを抱き止める。
「良いから答えろ。どこが痛む?」すると、ぷいと顔を背けられながら、
「お腹と右脇腹に1発ずつ」それなら、こうやって抱きかかえるのは逆にダメか。俺は植物でクッションを作り出し、その上になつを寝かせた。
「少し触るぞ。痛かったら言え」そしてなつの腹部に手をやると、肋骨の下の方が完全にやられていた。なつは少し苦しそうな表情を浮かべている。
「右脇腹、と」そちらに手をやると
「んふっ」なつが動いた。どうやら擽ったいらしいが、こちらも骨が折れている。肺や心臓に折れた骨が刺さっていることは無さそうだが。
「笑ってる場合か。まあ良い。少し我慢してろ」俺は緑の能力を使って傷を治す。そして、目を見る。
なつの眼は元々赤いが、既に充血し切っていた。あの威力を素のエネルギー量だけで出すのに掛かる負担は計り知れない。先生も難しいと言っているし、俺は出来ない。
「能力を少し分けるが、これ以上炉心融解以上の技は放つな。お前の命に関わる」命を代償にするのは俺だけで良い。桜の魔王の母体である俺だけがこの戦いの責任を全て負う。
「分かったよ。でもさ、アンタだけは絶対に守りたいんだ」なつのその言葉に俺は驚きつつ、
「俺はこの数ヶ月で皆に充分守られたよ」と。
そして、なつの小さな手を取って立たせ、再び戦いに向かうのだった。
「一つ聞く」その声は後ろから聞こえた。
「あの程度で俺に打撃を与えたと考えているのか?」後ろから何かが迫ってくる、ただ、ふと全員が打ち上がり、空中で更に吹き飛ばされ、地面に着地する。空中で見たのは、先生が真上に腕を振り上げた事と、桜の魔王の攻撃が先生に撃ち込まれた事だった。
砂埃は晴れない。しかし、なつが
「最初に最大の1を叩き込まない理由がない」
そして、物凄く軽やかに宙を舞いながらその場所まで向かい、
青い焔を纏った。それが、
「収縮。あたしの全力、ぶつけてやるよ」なつの体に吸い込まれていき、ドクンと空気が脈動する。なつはその砂埃の立ち込める空間に歩を進める。そして立ち止まって、
「超新星爆発!」一瞬、視界が真っ黒になり、俺は本能的に防御を取った。
その瞬間の、大爆発。地球が割れたかのような衝撃がその場に走った。
数秒後、耳鳴りが治まり、何とか他に意識を向けられるようになると、真横に先生が立っていることに気付いた。耳が片方無くなっている。しかし、既に血は止まっていた。本人もあっけらかんとしている。どうやら、あの時咄嗟に回避をしたので首に攻撃が直撃することはなかったらしい。
「なつのエネルギーの爆発力に関しては僕でも敵わないかもな」実際、コントロールとかそう言う次元ではなく、威力で全てを解決している。しかし、
「まあ、これで終わるわけないか」先生と澄玲が飛んできた何かを抱き止める。
「なつ、少し休んでろ。廻に任せた」先生が俺になつを渡し、
「全員警戒しろ!どこから来るか分からないぞ!」先生も既に靈眼を使いすぎている。常に使い続けられる余力は無いだろう。
とにかく俺はなつを抱えて少し下がる。大きな怪我は負っていないようだが…
「どこが痛む?」俺はそう尋ね
「あ、アンタねぇ。あたしを舐めるな」そして俺の腕から降りて立とうとするが、
「危ねぇな」ふらつくところを抱き止める。
「良いから答えろ。どこが痛む?」すると、ぷいと顔を背けられながら、
「お腹と右脇腹に1発ずつ」それなら、こうやって抱きかかえるのは逆にダメか。俺は植物でクッションを作り出し、その上になつを寝かせた。
「少し触るぞ。痛かったら言え」そしてなつの腹部に手をやると、肋骨の下の方が完全にやられていた。なつは少し苦しそうな表情を浮かべている。
「右脇腹、と」そちらに手をやると
「んふっ」なつが動いた。どうやら擽ったいらしいが、こちらも骨が折れている。肺や心臓に折れた骨が刺さっていることは無さそうだが。
「笑ってる場合か。まあ良い。少し我慢してろ」俺は緑の能力を使って傷を治す。そして、目を見る。
なつの眼は元々赤いが、既に充血し切っていた。あの威力を素のエネルギー量だけで出すのに掛かる負担は計り知れない。先生も難しいと言っているし、俺は出来ない。
「能力を少し分けるが、これ以上炉心融解以上の技は放つな。お前の命に関わる」命を代償にするのは俺だけで良い。桜の魔王の母体である俺だけがこの戦いの責任を全て負う。
「分かったよ。でもさ、アンタだけは絶対に守りたいんだ」なつのその言葉に俺は驚きつつ、
「俺はこの数ヶ月で皆に充分守られたよ」と。
そして、なつの小さな手を取って立たせ、再び戦いに向かうのだった。
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