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女神(割とアッサリと)降臨(2)
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私とアルクナイトはしばし顔を見合わせた。抱きかかえられているから近い。互いの息が掛かって無駄に照れる。
「あの、降ろしてもらえる?」
今度は簡単に願いが叶えられた。魔王としても少女を前にしてエロいことをしている場合じゃないと思ったのだろう。
アルクナイトの腕から解放された私は改めて岩見鈴音を見た。……紛れもなく夢で見た少女だ。
「何でここに神様が居るの?」
「俺が知るか」
「つかこのコ、現実世界に出てこられたの?」
彼女と会うのはいつも夢の中だ。
「現実と言ってもここは小説の舞台だ。何が起きても不思議は無い」
「なるほど」
私はそっと指を伸ばして少女のぷっくりした頬をつついてみた。流石は十代、肌の弾力が凄い。
「……ぷすー」
眠る少女の口元から空気が漏れた。面白くて可愛い。もう一度つついた。
「ぷひゅるっ」
つんつんつんつん。
「…………っ! はうあっ!?」
眠れる女神は覚醒した。と言うか私が目覚めさせた。
岩見鈴音はふかふかマットレスの上に上半身をガバッと起こし、私と呆れた眼差しのアルクナイトを交互に見た。
「ロックウィーナに……魔王?」
「ああそうだ」
アルクナイトは低い声で応じた。これまで散々私達を搔き回してくれた少女に対して、彼はあまり良い感情を持っていないようだった。えっちしようと企んだ今も邪魔されたしね。
「ここで何をしている」
一歩前に出たアルクナイトが凄んだ。強力な魔力が放出されて、魔力の感知能力が低い私ですら背筋が寒くなった。敵意を向けられた少女はというと……、
「そ、そんな怖い顔したって私には効かないから! 私はこの世界の創造主なんだから!」
産まれ立ての小鹿みたいにブルブル震えながら虚勢を張っていた。神様だけれど魔王が怖いらしい。
「創造主なら、霧に世界が侵食されていることに気づいているよな?」
「も、もちろんっ」
「偉そうな口をきくなら、神の御業で霧を消してみせろ」
「…………。それは……」
「できないのか? それともおまえが引き起こした現象なのか?」
「ち、違うっ……。私はそんなこと望んでない!」
涙目で反論する岩見鈴音が何だか可哀想になった。
「アルクナイト、もう少し優しく聞いてあげて?」
「ああ? 何を甘いことを言っている。コイツが全ての元凶なんだぞ? そして何故、よりにもよってこのタイミングで俺のベッドに居るのだ」
あ、やっぱりえっちなことを邪魔されて怒ってた。大人げない。
「答えろ岩見鈴音。おまえの目的は何だ」
魔王に見据えられて岩見鈴音は蒼い顔となり、魚のように口をパクパク開閉させた。もう声も出せないくらいに怯えてしまっていた。
そこで扉がノックされた。
「アル、確認したいのだがロックウィーナを連れ込んで、人に言えないことなど致してないよな?」
低音で落ち着いた響きを持つ男性の声が扉の向こうからした。勇者エリアスだ。私と岩見鈴音の声が、壁越しに彼の部屋へ微かに届いていたようだ。
「鍵は空いている。おまえも入ってこいエリー」
溜め息を吐いたアルクナイトの許可を受けて、エリアスはすぐに扉を開けた。そして室内に居た私の元へ大股歩きで一直線に近づいた。
「やはり連れ込まれていたか! ロックウィーナ、露出狂の変態にいやらしいことをされなかったか!?」
される寸前でした。あ、その前にキスは許しちゃったんだよね……。思い出して今さら恥じらった私を見てエリアスが慌てた。
「な、何をされたんだ私のロックウィーナ!!」
「落ち着け馬鹿勇者。今問題なのは俺とロウィーのことではない」
「その親密な呼び方にも地味に腹が立つのだが!?」
「いいからアレを見ろ」
アルクナイトがベッドの上を指差した。
「は…………?」
ここで漸くエリアスは、室内に居る四人目の存在に気づいた。
が、岩見鈴音は掛け布団にくるまってその身体を隠していた。どうしたよ、そんなに魔王が怖かった?
「?…………」
危険を感じなかったエリアスは布団の塊に手を伸ばした。
「そこに居るのは誰だ?」
尋ねながらエリアスは布団を引っ張った。はらりとどかされた掛け布団がシーツの上に落ち、そして三角座りでベッドの上に鎮座していた女神と勇者が対面を果たした。
「キミは………」
「!!!!!!」
先程まで顔面蒼白だった岩見鈴音の頬が赤く色づいていた。
ああ、このコ、大好きな先輩の面影を持つエリアスに会えて照れているんだ。
「この小さなレディは……まさか」
エリアスは私とアルクナイトを振り返った。私達が頷いたので彼は再び岩見鈴音と向き合った。
勇者の強い眼差しから逃れるように、女神は自分の顔を両手で覆い隠した。指の隙間からエリアスをチラ見しているけど。
「私の名はエリアス・モルガナン。後ろに居る二人の友人で冒険者だ」
礼儀正しい勇者はまず己の身分を明かした。
「キミは、この世界を想像した女神なのだろうか?」
「…………あの、そ、そうです……。こんな私が女神でごめんなさい……」
アルクナイトへは自分から創造主だと喧嘩腰で主張していたのに、岩見鈴音はエリアスには強く出られないようだ。モジモジと口ごもっていた。
「それでどうして女神であるキミがアルの部屋に居るんだ? ええと、イワミ……ちゃん?」
「!」
それは夢の中で、衛藤先輩が岩見鈴音へ向けた呼び方だった。
ぶわっと彼女の瞳から涙が溢れた。
「あの、降ろしてもらえる?」
今度は簡単に願いが叶えられた。魔王としても少女を前にしてエロいことをしている場合じゃないと思ったのだろう。
アルクナイトの腕から解放された私は改めて岩見鈴音を見た。……紛れもなく夢で見た少女だ。
「何でここに神様が居るの?」
「俺が知るか」
「つかこのコ、現実世界に出てこられたの?」
彼女と会うのはいつも夢の中だ。
「現実と言ってもここは小説の舞台だ。何が起きても不思議は無い」
「なるほど」
私はそっと指を伸ばして少女のぷっくりした頬をつついてみた。流石は十代、肌の弾力が凄い。
「……ぷすー」
眠る少女の口元から空気が漏れた。面白くて可愛い。もう一度つついた。
「ぷひゅるっ」
つんつんつんつん。
「…………っ! はうあっ!?」
眠れる女神は覚醒した。と言うか私が目覚めさせた。
岩見鈴音はふかふかマットレスの上に上半身をガバッと起こし、私と呆れた眼差しのアルクナイトを交互に見た。
「ロックウィーナに……魔王?」
「ああそうだ」
アルクナイトは低い声で応じた。これまで散々私達を搔き回してくれた少女に対して、彼はあまり良い感情を持っていないようだった。えっちしようと企んだ今も邪魔されたしね。
「ここで何をしている」
一歩前に出たアルクナイトが凄んだ。強力な魔力が放出されて、魔力の感知能力が低い私ですら背筋が寒くなった。敵意を向けられた少女はというと……、
「そ、そんな怖い顔したって私には効かないから! 私はこの世界の創造主なんだから!」
産まれ立ての小鹿みたいにブルブル震えながら虚勢を張っていた。神様だけれど魔王が怖いらしい。
「創造主なら、霧に世界が侵食されていることに気づいているよな?」
「も、もちろんっ」
「偉そうな口をきくなら、神の御業で霧を消してみせろ」
「…………。それは……」
「できないのか? それともおまえが引き起こした現象なのか?」
「ち、違うっ……。私はそんなこと望んでない!」
涙目で反論する岩見鈴音が何だか可哀想になった。
「アルクナイト、もう少し優しく聞いてあげて?」
「ああ? 何を甘いことを言っている。コイツが全ての元凶なんだぞ? そして何故、よりにもよってこのタイミングで俺のベッドに居るのだ」
あ、やっぱりえっちなことを邪魔されて怒ってた。大人げない。
「答えろ岩見鈴音。おまえの目的は何だ」
魔王に見据えられて岩見鈴音は蒼い顔となり、魚のように口をパクパク開閉させた。もう声も出せないくらいに怯えてしまっていた。
そこで扉がノックされた。
「アル、確認したいのだがロックウィーナを連れ込んで、人に言えないことなど致してないよな?」
低音で落ち着いた響きを持つ男性の声が扉の向こうからした。勇者エリアスだ。私と岩見鈴音の声が、壁越しに彼の部屋へ微かに届いていたようだ。
「鍵は空いている。おまえも入ってこいエリー」
溜め息を吐いたアルクナイトの許可を受けて、エリアスはすぐに扉を開けた。そして室内に居た私の元へ大股歩きで一直線に近づいた。
「やはり連れ込まれていたか! ロックウィーナ、露出狂の変態にいやらしいことをされなかったか!?」
される寸前でした。あ、その前にキスは許しちゃったんだよね……。思い出して今さら恥じらった私を見てエリアスが慌てた。
「な、何をされたんだ私のロックウィーナ!!」
「落ち着け馬鹿勇者。今問題なのは俺とロウィーのことではない」
「その親密な呼び方にも地味に腹が立つのだが!?」
「いいからアレを見ろ」
アルクナイトがベッドの上を指差した。
「は…………?」
ここで漸くエリアスは、室内に居る四人目の存在に気づいた。
が、岩見鈴音は掛け布団にくるまってその身体を隠していた。どうしたよ、そんなに魔王が怖かった?
「?…………」
危険を感じなかったエリアスは布団の塊に手を伸ばした。
「そこに居るのは誰だ?」
尋ねながらエリアスは布団を引っ張った。はらりとどかされた掛け布団がシーツの上に落ち、そして三角座りでベッドの上に鎮座していた女神と勇者が対面を果たした。
「キミは………」
「!!!!!!」
先程まで顔面蒼白だった岩見鈴音の頬が赤く色づいていた。
ああ、このコ、大好きな先輩の面影を持つエリアスに会えて照れているんだ。
「この小さなレディは……まさか」
エリアスは私とアルクナイトを振り返った。私達が頷いたので彼は再び岩見鈴音と向き合った。
勇者の強い眼差しから逃れるように、女神は自分の顔を両手で覆い隠した。指の隙間からエリアスをチラ見しているけど。
「私の名はエリアス・モルガナン。後ろに居る二人の友人で冒険者だ」
礼儀正しい勇者はまず己の身分を明かした。
「キミは、この世界を想像した女神なのだろうか?」
「…………あの、そ、そうです……。こんな私が女神でごめんなさい……」
アルクナイトへは自分から創造主だと喧嘩腰で主張していたのに、岩見鈴音はエリアスには強く出られないようだ。モジモジと口ごもっていた。
「それでどうして女神であるキミがアルの部屋に居るんだ? ええと、イワミ……ちゃん?」
「!」
それは夢の中で、衛藤先輩が岩見鈴音へ向けた呼び方だった。
ぶわっと彼女の瞳から涙が溢れた。
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