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新生冒険者ギルド、始動!(5)
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それから無駄に長い時間あーだこーだ議論してチーム分けが決まった。
【Aチーム】
ルービック、ルパート、マキア、エン、鈴音。
攻守バランスの取れたチーム。バリアを張れないので鈴音のエスケープ能力で代用。
【Bチーム】
ソル、キース、マシュー、ユーリ、私。
マシューの提案で編成された、内に闇を抱えるヤンデレの集団。私が緩和剤……らしい。
【Cチーム】
アルクナイト、エリアス、エドガー。
魔王と勇者の一撃でだいたい勝てる。暴走しないようにお目付け役のエドガーを加入。ミッション成功率は高いだろうが、たぶんエドガーの胃が痛くなる。
マスターとリリアナはギルドに残って情報の収集と整理だ。
妥当な組み分けかなと私は思ったのだが、マキアが自信無さげに申し出た。
「あの、エドガー連隊長と俺は交代した方が良くないですか?」
「何だワンコ、おまえ俺と同じチームに入りたいのか。可愛いヤツめ」
見当違いの感想を述べたアルクナイトへマキアは即座に否定した。
「いやそうじゃないです。Aチームは魔法での火力が足りないと思うんです。師団長は治癒魔法、ルパート先輩は補助の役割が大きい風魔法、スズネも攻撃には特化してないようなので」
「火魔法のおまえが居るだろーが」
「そうですが……、魔王様や禁呪まで解放したソルさんに比べると、俺の火魔法なんてマッチの灯りみたいなもんです。連隊長は強力な土魔法が使えるそうだから」
卑屈になってしまったマキアをアルクナイトが一喝した。
「阿呆めが。貴様という男は自覚無しに禁呪を使っていたのか!?」
「……へ? 俺が禁呪?」
目をパチクリさせたマキアへアルクナイトは言い切った。
「おまえ十六周目で自爆したそうだな? 自爆魔法は明らかな禁呪だぞ?」
「えっ、そうなんですか!?」
驚いたマキアへ魔王は溜め息で返した。
「魔法を習った学校で自爆方法なんて教わったか?」
「いいえ……」
「だろうな。教師は魔力を体外に放出する方法しか教えていないはずだ。だが火魔法の原理を解明していたおまえは、体内で魔力を練って威力を数倍にする方法を思いついてしまったんだ」
「原理を解明!? そんな大それたこと俺にはできませんよ!?」
「現にしてるんだよ。でなけりゃ自爆なんてできないから」
「えええ……」
ここでアルクナイトが真剣な眼差しとなった。
「甘い性格が歯止めとなっているがなワンコ、おまえはその気になればとてつもない威力の火魔法を放つことが可能なんだ。だから暴発させないように心せよ、いいな?」
「は、はい……!」
「チャラ男もコイツをしっかり見てやってくれ」
「あ、ああ」
真面目なアルクナイトの注意を受けてマキア、そしてルパートが気を引き締め直した。
そうだったんだ。火と風の二属性持ちだし、マキアはいずれ名の知れた魔術師へ成長するかもしれない。あの自爆は彼が優秀だったから起きたと考えると複雑な気持ちになるけれど……。
エンが地図の丸印を見て言った。
「街の中にもいくつか印が付けてあるが、街の治安維持は王国兵団が担当しているんじゃないですか?」
「あー……」
ルービックが申し訳なさそうに答えた。
「大きな街には二百人以上の兵が常駐するはずなんだが、現在中央議会が大変な時だからな、汚職議員や貴族の内乱に備えてほとんどの兵が王都へ戻っている状態なんだ」
マシューも続けた。
「その穴埋めに我がエディオン家の私兵が街の巡回をしているけれど、暗殺者対策で屋敷の守りを固めているからさ、アンダー・ドラゴンにまでは手が回らないんだよ。悪いね」
「了解しました。ではどのチームが何処へ出向くかだが……」
地図上に印は十二ヶ所も有った。ここの何処かに首領のレスター・アークが潜んでいるのだろうか。
マスターが重々しく口を開いた。
「Cチームはくれぐれも街を壊さないようにお願いします」
「ケイシー、余計な心配をしていると残り少ない髪も抜け落ちるぞ」
軽くいなしたアルクナイトは一枚の地図の上に、人差し指を伸ばした右手をかざしてグルグル手首を回した。
「エリー、ストップをかけろ」
「……ストップ!」
勇者の声に合わせて魔王は手を止めた。そして人差し指が示した所から一番近くの印をパチンと弾いた。
「よし、Cチームはここへ赴《おもむ》くぞ」
ええ……そんな決め方でいいの?
「ルパート、ストップをかけろ」
「ソルさん、俺にも頼む」
AチームのルービックとBチームのユーリも魔王の真似をし出した。みんな精神年齢いくつよ。結局その方法で三チームの本日の出動場所が決まった。
「俺の使い魔を一体ずつそれぞれのチームに割り振ろう。コイツらは高速で空を飛べるから、いざという時の救助要請役になる」
『なーご』
アルクナイトの後ろから誇らしげに三体のまん丸猫が飛び出した。一体が口をモグモグさせている。
「あっ、芋とレタスも食われてる!」
マシューの皿が空になっていた。みんなが議論している隙を突いて三男猫は野菜も食べていた。
「どいつをどのチームに所属させるか」
「俺その食いしん坊の猫は嫌だ! 魔王様、ウチのチームには他の猫を!」
マシューが手を払ってシッシッと三男猫を追い払う仕草をした。
「ったくニャンコ同士仲良くしろと言っただろうが……。仕方がない、Bチームはローウェルに担当してもらう」
「ローウェル? ソイツは大丈夫なんですか?」
「安心しろ、一番まともで勤勉な次男だ」
ソルに言われてマシューは安堵の表情を浮かべた。食い意地が張った三男はAチームに、猥談好きな長男は主人である魔王が居るCチーム所属となった。
このチーム分けで、私達はしばらくアンダー・ドラゴンを追うことになる。
【Aチーム】
ルービック、ルパート、マキア、エン、鈴音。
攻守バランスの取れたチーム。バリアを張れないので鈴音のエスケープ能力で代用。
【Bチーム】
ソル、キース、マシュー、ユーリ、私。
マシューの提案で編成された、内に闇を抱えるヤンデレの集団。私が緩和剤……らしい。
【Cチーム】
アルクナイト、エリアス、エドガー。
魔王と勇者の一撃でだいたい勝てる。暴走しないようにお目付け役のエドガーを加入。ミッション成功率は高いだろうが、たぶんエドガーの胃が痛くなる。
マスターとリリアナはギルドに残って情報の収集と整理だ。
妥当な組み分けかなと私は思ったのだが、マキアが自信無さげに申し出た。
「あの、エドガー連隊長と俺は交代した方が良くないですか?」
「何だワンコ、おまえ俺と同じチームに入りたいのか。可愛いヤツめ」
見当違いの感想を述べたアルクナイトへマキアは即座に否定した。
「いやそうじゃないです。Aチームは魔法での火力が足りないと思うんです。師団長は治癒魔法、ルパート先輩は補助の役割が大きい風魔法、スズネも攻撃には特化してないようなので」
「火魔法のおまえが居るだろーが」
「そうですが……、魔王様や禁呪まで解放したソルさんに比べると、俺の火魔法なんてマッチの灯りみたいなもんです。連隊長は強力な土魔法が使えるそうだから」
卑屈になってしまったマキアをアルクナイトが一喝した。
「阿呆めが。貴様という男は自覚無しに禁呪を使っていたのか!?」
「……へ? 俺が禁呪?」
目をパチクリさせたマキアへアルクナイトは言い切った。
「おまえ十六周目で自爆したそうだな? 自爆魔法は明らかな禁呪だぞ?」
「えっ、そうなんですか!?」
驚いたマキアへ魔王は溜め息で返した。
「魔法を習った学校で自爆方法なんて教わったか?」
「いいえ……」
「だろうな。教師は魔力を体外に放出する方法しか教えていないはずだ。だが火魔法の原理を解明していたおまえは、体内で魔力を練って威力を数倍にする方法を思いついてしまったんだ」
「原理を解明!? そんな大それたこと俺にはできませんよ!?」
「現にしてるんだよ。でなけりゃ自爆なんてできないから」
「えええ……」
ここでアルクナイトが真剣な眼差しとなった。
「甘い性格が歯止めとなっているがなワンコ、おまえはその気になればとてつもない威力の火魔法を放つことが可能なんだ。だから暴発させないように心せよ、いいな?」
「は、はい……!」
「チャラ男もコイツをしっかり見てやってくれ」
「あ、ああ」
真面目なアルクナイトの注意を受けてマキア、そしてルパートが気を引き締め直した。
そうだったんだ。火と風の二属性持ちだし、マキアはいずれ名の知れた魔術師へ成長するかもしれない。あの自爆は彼が優秀だったから起きたと考えると複雑な気持ちになるけれど……。
エンが地図の丸印を見て言った。
「街の中にもいくつか印が付けてあるが、街の治安維持は王国兵団が担当しているんじゃないですか?」
「あー……」
ルービックが申し訳なさそうに答えた。
「大きな街には二百人以上の兵が常駐するはずなんだが、現在中央議会が大変な時だからな、汚職議員や貴族の内乱に備えてほとんどの兵が王都へ戻っている状態なんだ」
マシューも続けた。
「その穴埋めに我がエディオン家の私兵が街の巡回をしているけれど、暗殺者対策で屋敷の守りを固めているからさ、アンダー・ドラゴンにまでは手が回らないんだよ。悪いね」
「了解しました。ではどのチームが何処へ出向くかだが……」
地図上に印は十二ヶ所も有った。ここの何処かに首領のレスター・アークが潜んでいるのだろうか。
マスターが重々しく口を開いた。
「Cチームはくれぐれも街を壊さないようにお願いします」
「ケイシー、余計な心配をしていると残り少ない髪も抜け落ちるぞ」
軽くいなしたアルクナイトは一枚の地図の上に、人差し指を伸ばした右手をかざしてグルグル手首を回した。
「エリー、ストップをかけろ」
「……ストップ!」
勇者の声に合わせて魔王は手を止めた。そして人差し指が示した所から一番近くの印をパチンと弾いた。
「よし、Cチームはここへ赴《おもむ》くぞ」
ええ……そんな決め方でいいの?
「ルパート、ストップをかけろ」
「ソルさん、俺にも頼む」
AチームのルービックとBチームのユーリも魔王の真似をし出した。みんな精神年齢いくつよ。結局その方法で三チームの本日の出動場所が決まった。
「俺の使い魔を一体ずつそれぞれのチームに割り振ろう。コイツらは高速で空を飛べるから、いざという時の救助要請役になる」
『なーご』
アルクナイトの後ろから誇らしげに三体のまん丸猫が飛び出した。一体が口をモグモグさせている。
「あっ、芋とレタスも食われてる!」
マシューの皿が空になっていた。みんなが議論している隙を突いて三男猫は野菜も食べていた。
「どいつをどのチームに所属させるか」
「俺その食いしん坊の猫は嫌だ! 魔王様、ウチのチームには他の猫を!」
マシューが手を払ってシッシッと三男猫を追い払う仕草をした。
「ったくニャンコ同士仲良くしろと言っただろうが……。仕方がない、Bチームはローウェルに担当してもらう」
「ローウェル? ソイツは大丈夫なんですか?」
「安心しろ、一番まともで勤勉な次男だ」
ソルに言われてマシューは安堵の表情を浮かべた。食い意地が張った三男はAチームに、猥談好きな長男は主人である魔王が居るCチーム所属となった。
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