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ヤンデレ集団Bチーム(8)
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「エドガー先輩、勇者様と魔王様と一緒のチームはどうでした?」
「お二人とも現地では的確な行動を取られていた。連携もお見事で目を見張ったぞ。マシュー、おまえと師団長に振り回される現場とは段違いにスムーズだった」
エドガーに指摘されたマシューは愛想笑いを浮かべて誤魔化した。暴走するかと思いきや、エリアスもアルクナイトも冷静に行動していたようで何よりだ。二人ともやる時はやる男だもんね。
しかしエドガーが顔を曇らせた。
「……現場では問題無しだが馬車での移動中、魔王殿と使い魔の猫少年にずっと恋について、根掘り葉掘り尋ねられたのが非常にキツかった……」
あ、やっぱり馬鹿魔王が迷惑をかけていた。非難されたアルクナイトは胸を張った。
「恋バナはな、相手の人となりを知るとても有効な手段なんだぞ?」
『そうだにゃー』
「偉大なる魔王とプライベートな話題を共有できたこと、名誉に思って良いのだぞヒゲ」
『うらやま』
魔王の後ろから黒猫アナシスがウザイ合の手を入れている。
「おかげでおまえが純な恋をしていることを知れたし」
『ロマンスなう』
「ちょっ……、それは内緒にとお願いしたはずですよね!?」
エドガーが珍しく裏返った声で慌て出した。マシューが即座に喰い付いた。
「先輩? ホントに!? 相手は誰ですか、俺も知ってる女性《ひと》!?」
「頼むマシュー、そこは掘り下げず放っておいてくれ……」
『マリナ♡ラヴ』
「うわあぁぁぁぁぁ!?」
アナシスが暴露しおった。
「へ? マリナ? 俺達と同じ第七師団に所属する女兵士の? ロックウィーナと仲良くしていた女性だよね?」
驚いた顔でマシューが私に確認してきた。私はエドガーに悪いと思いつつニヤつき顔で頷いた。そっかーマリナ、両想いになれたんだ、良かったねぇ。
「へえぇ……。同じ師団でも三千人以上居るからさ、最近まで彼女のこと知らなかったんだよね、俺達」
マリナは隊長職に就いていない下級兵だもんな。エリート聖騎士と直接話す機会なんてまず訪れない。別の師団から移籍したばかりだし。
「ハハ、ロックウィーナが恋の橋渡し役になったんだな」
「それを言うならルービック師団長ですよ。あの方が私を女性兵士の皆さんに紹介して下さったんですから」
「そっか。エドガー先輩は師団長にお礼言わなきゃですね。一晩酒飲んで絡まれると思うけど」
「うう……」
陽キャにはめでたいことが起きた際に、「相手をそっとしておく」と言う選択肢が存在しない。気づいたらそこがパーティ会場に早変わり。
アルクナイトが完全に子供をからかう親の顔で言った。
「ま、女と仲良くなれた途端に王都とフィースノーで離れてしまって、ヒゲはとっても寂しいそうだ」
『ここはやっぱり、ぶ・ん・つ・う』
『やめろ』
ボワンと煙が立ち、そこに現れた黒髪おかっぱ美少年がアナシスの丸い頭をパシンと叩いた。
叩かれたアナシスもボワンと煙と共に人化した。
『いってーなローウェル! 兄様の頭を叩くとはどういう了見だ!』
『調子に乗り過ぎ。あと兄様ってガラじゃないだろ馬鹿兄貴』
おおお。真面目な次男猫ローウェルくんが人の姿で登場ですか。三つ子だけあってアナシスと顔はそっくりだけど、髪型と髪色が違うのでだいぶ印象が違う。ローウェル賢そう。
『魔王様、あまり兄貴を甘やかさないで下さい。馬鹿が増長しますんで』
「あ……うむ。そ、そうだな」
魔王がタジタジになるくらいローウェルはしっかりしていた。彼がBチーム所属で良かった。長男はエロで三男は食ってばっかだもん、次男を引き当てた私達は超ラッキー。
つかアルクナイト、もしかして真面目なローウェルが苦手でこちらへ押し付けてきた? 私達は彼を歓迎しているからいいんだけどさ。ソルとも気が合うようだし。
『お髭の連隊長さん、文通するならちょい官能的な表現も混ぜておけよ? 相手の性欲高めておけば再会した時にすぐヤれっから』
注意されたばかりなのにアナシスは余計なアドバイスをエドガーにした。即座に弟にまた頭を叩かれていた。
そんな所へ、背中の翼を羽ばたかせて三匹目の猫が飛び込んできた。
『おー、ルディオ。お帰り』
『おまえだけか? Aチームのメンバーは?』
『……にゃー』
兄達が人の姿になっていたので、訓練場へ入った三男猫も人化した。前髪の青いメッシュを揺らしながら、三男猫ルディオは真っ直ぐアルクナイトの元へ行った。
『Aチームは馬車でこちらへ向かっています。ルービック師団長に言われて、僕だけ一足先に戻りました』
「どうした。何か問題事でも起きたのか?」
主人であるアルクナイトの問いかけに、ルディオは神妙な面持ちで答えた。
『ルパートと言う名の青年が、しばらく戦闘不能になるかと』
「!」
報告を聞いた全員の間に緊張が走った。
「ルパートが!?」
「チャラ男は大怪我を負ったのか? ……いやしかし、明るい中年が居るのだから大抵の傷は癒せるだろう?」
ルディオが続けた。
『心理的な傷です。師団長が寄り添っていますがルパートは酷く憔悴しています』
「……何が遭った?」
『Aチームは順調にアンダー・ドラゴンのアジトを見つけました。そこに居た構成員は五十人ほどです』
けっこう大きなアジトに当たったんだな。
『マキアの魔法でほとんどの構成員が片付けられましたが、残った者の中に厄介な奴が潜んでいて……』
「まさか……ボス、レスター・アークがそこに居たのか!?」
身を乗り出したユーリにルディオは頭を横に振って否定した。
『そんな大物じゃない。でもルパートにとっては悪夢の再会になった』
再会?
ルディオはアルクナイトに向き直った。そして見てきたことを告げた。
『アジトに居たのはルパートの幼馴染みです。一緒に村を出て騎士を目指した親友だったそうです』
「!…………」
まさか。それは、その人は。
(嘘……。なんで彼がアンダー・ドラゴンに居るのよ!?)
泣きそうな顔で過去を告白したルパートを思い出して、私の身体が震えた。
「お二人とも現地では的確な行動を取られていた。連携もお見事で目を見張ったぞ。マシュー、おまえと師団長に振り回される現場とは段違いにスムーズだった」
エドガーに指摘されたマシューは愛想笑いを浮かべて誤魔化した。暴走するかと思いきや、エリアスもアルクナイトも冷静に行動していたようで何よりだ。二人ともやる時はやる男だもんね。
しかしエドガーが顔を曇らせた。
「……現場では問題無しだが馬車での移動中、魔王殿と使い魔の猫少年にずっと恋について、根掘り葉掘り尋ねられたのが非常にキツかった……」
あ、やっぱり馬鹿魔王が迷惑をかけていた。非難されたアルクナイトは胸を張った。
「恋バナはな、相手の人となりを知るとても有効な手段なんだぞ?」
『そうだにゃー』
「偉大なる魔王とプライベートな話題を共有できたこと、名誉に思って良いのだぞヒゲ」
『うらやま』
魔王の後ろから黒猫アナシスがウザイ合の手を入れている。
「おかげでおまえが純な恋をしていることを知れたし」
『ロマンスなう』
「ちょっ……、それは内緒にとお願いしたはずですよね!?」
エドガーが珍しく裏返った声で慌て出した。マシューが即座に喰い付いた。
「先輩? ホントに!? 相手は誰ですか、俺も知ってる女性《ひと》!?」
「頼むマシュー、そこは掘り下げず放っておいてくれ……」
『マリナ♡ラヴ』
「うわあぁぁぁぁぁ!?」
アナシスが暴露しおった。
「へ? マリナ? 俺達と同じ第七師団に所属する女兵士の? ロックウィーナと仲良くしていた女性だよね?」
驚いた顔でマシューが私に確認してきた。私はエドガーに悪いと思いつつニヤつき顔で頷いた。そっかーマリナ、両想いになれたんだ、良かったねぇ。
「へえぇ……。同じ師団でも三千人以上居るからさ、最近まで彼女のこと知らなかったんだよね、俺達」
マリナは隊長職に就いていない下級兵だもんな。エリート聖騎士と直接話す機会なんてまず訪れない。別の師団から移籍したばかりだし。
「ハハ、ロックウィーナが恋の橋渡し役になったんだな」
「それを言うならルービック師団長ですよ。あの方が私を女性兵士の皆さんに紹介して下さったんですから」
「そっか。エドガー先輩は師団長にお礼言わなきゃですね。一晩酒飲んで絡まれると思うけど」
「うう……」
陽キャにはめでたいことが起きた際に、「相手をそっとしておく」と言う選択肢が存在しない。気づいたらそこがパーティ会場に早変わり。
アルクナイトが完全に子供をからかう親の顔で言った。
「ま、女と仲良くなれた途端に王都とフィースノーで離れてしまって、ヒゲはとっても寂しいそうだ」
『ここはやっぱり、ぶ・ん・つ・う』
『やめろ』
ボワンと煙が立ち、そこに現れた黒髪おかっぱ美少年がアナシスの丸い頭をパシンと叩いた。
叩かれたアナシスもボワンと煙と共に人化した。
『いってーなローウェル! 兄様の頭を叩くとはどういう了見だ!』
『調子に乗り過ぎ。あと兄様ってガラじゃないだろ馬鹿兄貴』
おおお。真面目な次男猫ローウェルくんが人の姿で登場ですか。三つ子だけあってアナシスと顔はそっくりだけど、髪型と髪色が違うのでだいぶ印象が違う。ローウェル賢そう。
『魔王様、あまり兄貴を甘やかさないで下さい。馬鹿が増長しますんで』
「あ……うむ。そ、そうだな」
魔王がタジタジになるくらいローウェルはしっかりしていた。彼がBチーム所属で良かった。長男はエロで三男は食ってばっかだもん、次男を引き当てた私達は超ラッキー。
つかアルクナイト、もしかして真面目なローウェルが苦手でこちらへ押し付けてきた? 私達は彼を歓迎しているからいいんだけどさ。ソルとも気が合うようだし。
『お髭の連隊長さん、文通するならちょい官能的な表現も混ぜておけよ? 相手の性欲高めておけば再会した時にすぐヤれっから』
注意されたばかりなのにアナシスは余計なアドバイスをエドガーにした。即座に弟にまた頭を叩かれていた。
そんな所へ、背中の翼を羽ばたかせて三匹目の猫が飛び込んできた。
『おー、ルディオ。お帰り』
『おまえだけか? Aチームのメンバーは?』
『……にゃー』
兄達が人の姿になっていたので、訓練場へ入った三男猫も人化した。前髪の青いメッシュを揺らしながら、三男猫ルディオは真っ直ぐアルクナイトの元へ行った。
『Aチームは馬車でこちらへ向かっています。ルービック師団長に言われて、僕だけ一足先に戻りました』
「どうした。何か問題事でも起きたのか?」
主人であるアルクナイトの問いかけに、ルディオは神妙な面持ちで答えた。
『ルパートと言う名の青年が、しばらく戦闘不能になるかと』
「!」
報告を聞いた全員の間に緊張が走った。
「ルパートが!?」
「チャラ男は大怪我を負ったのか? ……いやしかし、明るい中年が居るのだから大抵の傷は癒せるだろう?」
ルディオが続けた。
『心理的な傷です。師団長が寄り添っていますがルパートは酷く憔悴しています』
「……何が遭った?」
『Aチームは順調にアンダー・ドラゴンのアジトを見つけました。そこに居た構成員は五十人ほどです』
けっこう大きなアジトに当たったんだな。
『マキアの魔法でほとんどの構成員が片付けられましたが、残った者の中に厄介な奴が潜んでいて……』
「まさか……ボス、レスター・アークがそこに居たのか!?」
身を乗り出したユーリにルディオは頭を横に振って否定した。
『そんな大物じゃない。でもルパートにとっては悪夢の再会になった』
再会?
ルディオはアルクナイトに向き直った。そして見てきたことを告げた。
『アジトに居たのはルパートの幼馴染みです。一緒に村を出て騎士を目指した親友だったそうです』
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