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新五幕 マキアとエンとの再会(4)
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ルパートは頭を掻きながら私へ話しかけた。
「俺達、何度も一緒に買い物したりメシ食ったりはしたけど、業務の延長みたいな感じだったよな」
だよね。プライベートな時間でも上司の接待をしている嫌な気分だったよ。
「だからさ……今度はそういうんじゃなくて、その、仕事抜きで普通の男女として街へ遊びに行ってみないか……?」
……へ? 仕事抜きで遊びに……?
「それはデートですか? デートと言うヤツですか先輩!?」
生まれて初めてデートの誘いを受けた私は、思わず素で聞き返してしまった。ナンパされたこととプロポーズは有るんだけどね!
「ばっ、馬鹿! あからさまに言うな!」
ルパートは唾を飛ばす勢いで慌て出した。どうしたん? え、まさか恥ずかしがってるの?
「私とのベッドインを企んでいたくせに、何でデートの単語ごときで照れてるんですか! 変なとこで純情ですね? 無駄に可愛いじゃないですか!」
「うるせぇ知るか!! おまえだって顔が赤いじゃねーか!」
「だって普通の男女交際に憧れてたんだもん! デートに誘われるの初めてなんだもん!」
「おまえも可愛いな!」
二人して耳まで赤くして何を言い合っているんだろう私達は。すっかり穏やかな表情に戻っていたキースは、こちらを眺めながら自分で淹れたお茶を飲んでいた。
「二人ともほほえましいです。うん、アンドラの件が片付いたら街でリフレッシュしてきなさい。ま、僕もロックウィーナの保護者として付いていくんですけどね」
「付いてくるんかよ!!」
ルパートが大声で突っ込んだ。
☆☆☆
11時。私とルパート、キースは早めの昼食にしようと食堂へ向かった。途中で妻子持ちのベテラン職員セスと会い、彼も一緒のテーブルに着いた。
妙に意識し合って視線を合わせられないルパートと私を見て、セスはニヤニヤして言った。
「そっか~、ついに言ったのかルパート」
「え?」
「うん? まだウィーに告白してないのか? じゃあ今の無し」
「阿保かオッサン、そこまで喋って無しにできるか!」
ルパートはセスを軽く睨んだ後、
「……ウィーに好きだって気持ちは伝えたよ」
ぶっきらぼうだが正直に述べた。そのルパートの背中へ、セスは祝福の張り手をぶちかました。バシーンと良い音が食堂に響いた。
「いってえぇ!」
「よくぞ告白した、それでこそ男だ!! あーもー、ずっとヤキモキしてたんだぞー?」
「へ? セスさん、俺がウィーを好きだって知ってたのか!?」
「当たり前だろーが。俺がウィーに群がる男達を遠ざけていたのは、半分はおまえを応援する為だったんだぞ?」
「そ、そうなのか? 俺の気持ちって周りに駄々洩れだったのか!?」
羞恥心で頭を抱えるルパートへ、低い声で追い打ちが入った。
「おまえ以外の男はみんな気づいていたろうさ。まったく、無自覚というのはタチが悪い」
「永遠にお父さんポジションで良かったのに」
鍛錬を終えたエリアスとアルクナイトだった。石鹼の良い香りがするのでシャワーも浴びてきたようだ。
「お疲れさまです」
「あ、ああ、どうも……」
労ったキースへ引き攣った笑顔でエリアスは返した。魅了効果はもう消えたようだが、彼はしばらくキースに逆らえないだろう。
「あ、どうも皆さーん。俺達も相席させて下さーい!」
賑やかな明るい声。マキアとエンが料理が乗ったトレーを抱えてこちらへやってきた。会議中に怖がらせたかなと懸念したが、彼らは気にしていないようで安堵した。
「俺達はレクセン支部から来たマキアとエンです。あなたもギルド職員の方ですか?」
マキアは初めて会うセスへ挨拶した。髭面の山賊にしか見えないセスはニカッと笑った。
「おう、出動班のセスだ、宜しくな。ギルドの立ち位置は……そうだな、ロックウィーナの親父みたいなモンだ」
いつの間に。
「そんでコイツが婿予定」
セスは隣に座るルパートの肩を組んだ。
「は? 有り得ない」
「そうだぞ、チャラ男は断じて違う。数えて三番目の男だ」
即座にエリアスとアルクナイトが不快感を露わにした。そしてキースの目が光った気がした。
「セス? 決めつけは良くないと以前お話ししましたよね? 一時間くらい」
「あ、キース……いやキースさん、すみませんでした」
セスはキースに説教を受けたことが有ったんだったな。雉も鳴かずば撃たれまいに。
恋バナ大好きマキアくんは当然だがこの話題に食い付いた。相棒のエンは静かに食事をしていた。
「ロックウィーナさん、ルパートさんとお付き合いされているんですか?」
「してない」
エリアスが代わりに答えた。
「あ、じゃあエリアスさんと?」
「違う」
今度はルパートが否定した。
「え、じゃあロックウィーナさんはどなたと?」
「誰とも付き合ってないぞ。馬鹿二人が勝手に発情して、小娘に付き纏っているだけだから」
魔王が説明した。
「そっかぁ、ロックウィーナさんは今フリーなのかぁ」
何気なく呟いたマキアを、エリアスとルパートの鋭い視線が射貫いた。まさに死線。
「ひっ!?」
マキアはエンの陰に隠れて、キースが溜め息を吐いた。
「ああもう、二人とも、そういう態度はいけませんよねぇ……?」
「あ、そうだな」
「大人げ無かった」
途端に萎れるエリアスとルパート。キースの天職は猛獣使いなんじゃないかしらと、私は密かに思ったのだった。
「俺達、何度も一緒に買い物したりメシ食ったりはしたけど、業務の延長みたいな感じだったよな」
だよね。プライベートな時間でも上司の接待をしている嫌な気分だったよ。
「だからさ……今度はそういうんじゃなくて、その、仕事抜きで普通の男女として街へ遊びに行ってみないか……?」
……へ? 仕事抜きで遊びに……?
「それはデートですか? デートと言うヤツですか先輩!?」
生まれて初めてデートの誘いを受けた私は、思わず素で聞き返してしまった。ナンパされたこととプロポーズは有るんだけどね!
「ばっ、馬鹿! あからさまに言うな!」
ルパートは唾を飛ばす勢いで慌て出した。どうしたん? え、まさか恥ずかしがってるの?
「私とのベッドインを企んでいたくせに、何でデートの単語ごときで照れてるんですか! 変なとこで純情ですね? 無駄に可愛いじゃないですか!」
「うるせぇ知るか!! おまえだって顔が赤いじゃねーか!」
「だって普通の男女交際に憧れてたんだもん! デートに誘われるの初めてなんだもん!」
「おまえも可愛いな!」
二人して耳まで赤くして何を言い合っているんだろう私達は。すっかり穏やかな表情に戻っていたキースは、こちらを眺めながら自分で淹れたお茶を飲んでいた。
「二人ともほほえましいです。うん、アンドラの件が片付いたら街でリフレッシュしてきなさい。ま、僕もロックウィーナの保護者として付いていくんですけどね」
「付いてくるんかよ!!」
ルパートが大声で突っ込んだ。
☆☆☆
11時。私とルパート、キースは早めの昼食にしようと食堂へ向かった。途中で妻子持ちのベテラン職員セスと会い、彼も一緒のテーブルに着いた。
妙に意識し合って視線を合わせられないルパートと私を見て、セスはニヤニヤして言った。
「そっか~、ついに言ったのかルパート」
「え?」
「うん? まだウィーに告白してないのか? じゃあ今の無し」
「阿保かオッサン、そこまで喋って無しにできるか!」
ルパートはセスを軽く睨んだ後、
「……ウィーに好きだって気持ちは伝えたよ」
ぶっきらぼうだが正直に述べた。そのルパートの背中へ、セスは祝福の張り手をぶちかました。バシーンと良い音が食堂に響いた。
「いってえぇ!」
「よくぞ告白した、それでこそ男だ!! あーもー、ずっとヤキモキしてたんだぞー?」
「へ? セスさん、俺がウィーを好きだって知ってたのか!?」
「当たり前だろーが。俺がウィーに群がる男達を遠ざけていたのは、半分はおまえを応援する為だったんだぞ?」
「そ、そうなのか? 俺の気持ちって周りに駄々洩れだったのか!?」
羞恥心で頭を抱えるルパートへ、低い声で追い打ちが入った。
「おまえ以外の男はみんな気づいていたろうさ。まったく、無自覚というのはタチが悪い」
「永遠にお父さんポジションで良かったのに」
鍛錬を終えたエリアスとアルクナイトだった。石鹼の良い香りがするのでシャワーも浴びてきたようだ。
「お疲れさまです」
「あ、ああ、どうも……」
労ったキースへ引き攣った笑顔でエリアスは返した。魅了効果はもう消えたようだが、彼はしばらくキースに逆らえないだろう。
「あ、どうも皆さーん。俺達も相席させて下さーい!」
賑やかな明るい声。マキアとエンが料理が乗ったトレーを抱えてこちらへやってきた。会議中に怖がらせたかなと懸念したが、彼らは気にしていないようで安堵した。
「俺達はレクセン支部から来たマキアとエンです。あなたもギルド職員の方ですか?」
マキアは初めて会うセスへ挨拶した。髭面の山賊にしか見えないセスはニカッと笑った。
「おう、出動班のセスだ、宜しくな。ギルドの立ち位置は……そうだな、ロックウィーナの親父みたいなモンだ」
いつの間に。
「そんでコイツが婿予定」
セスは隣に座るルパートの肩を組んだ。
「は? 有り得ない」
「そうだぞ、チャラ男は断じて違う。数えて三番目の男だ」
即座にエリアスとアルクナイトが不快感を露わにした。そしてキースの目が光った気がした。
「セス? 決めつけは良くないと以前お話ししましたよね? 一時間くらい」
「あ、キース……いやキースさん、すみませんでした」
セスはキースに説教を受けたことが有ったんだったな。雉も鳴かずば撃たれまいに。
恋バナ大好きマキアくんは当然だがこの話題に食い付いた。相棒のエンは静かに食事をしていた。
「ロックウィーナさん、ルパートさんとお付き合いされているんですか?」
「してない」
エリアスが代わりに答えた。
「あ、じゃあエリアスさんと?」
「違う」
今度はルパートが否定した。
「え、じゃあロックウィーナさんはどなたと?」
「誰とも付き合ってないぞ。馬鹿二人が勝手に発情して、小娘に付き纏っているだけだから」
魔王が説明した。
「そっかぁ、ロックウィーナさんは今フリーなのかぁ」
何気なく呟いたマキアを、エリアスとルパートの鋭い視線が射貫いた。まさに死線。
「ひっ!?」
マキアはエンの陰に隠れて、キースが溜め息を吐いた。
「ああもう、二人とも、そういう態度はいけませんよねぇ……?」
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