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つい言ってしまった…
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いくら調べても要領を得なかったので、実際に魔法を使ってみることにした。
本当なら一人になりたかったが、サリモンからは逃れる事が出来ず二人で聖女の能力について試すことにした。
聖女といえば、身体強化・保護・加護だろうと考え、丁度一緒にいるのが騎士のサリモンなので彼を実験…協力してもらうことにした。私は彼に祈りを捧げ、普段通りの訓練をしてもらう。
彼の素振りをひたすら見続けたが、私にはどう変わったのか判断できなかった。分かるのは本人だけだろう。数時間の訓練の後、サリモンに聞いてみた。
「普段とそう代わり映えしないな」
サリモンは他人に忖度する人間ではなかったので、率直に意見する。
私自身普段と変わらない祈りだったので彼の言葉に納得するも、どこか少しだけ期待している自分もいた。
「…聖女とは、そんな簡単なものではない」
サリモンの言葉には安易な私の思考を読み取られていたのを悟る。
剣一筋で婚約者だけでなく人の気持ちに疎いサリモンを見下していたわけではないが、私の気持ちなど分かるはず無いと決めつけていた。
剣と向き合い常に鍛練を欠かさない彼だから、私が聖女として漸く真剣に向き合い聖女として要領を得ない自分に焦りだしたのが分かったのかもしれない…何かに真剣に向き合ったことがある誰もが通る道なのかもしれない。
それを私は焦ってはいても、ヒロインになれば聖女の能力を開花させるのは簡単に出来るものと思い込んでいた節はある。
どの物語でもヒロインになりさえすれば必ずイベントが訪れ、能力は自然と開花し必然的に誰もが崇める聖女となるものだと…
やはり現実の世界ではそう甘くはなく、その日から聖女として何をするべきか見当もつかないまま悩みだした。何かをしなければと思い、サリモンの訓練中祈りを続けるも聖女の能力を発揮できた感覚はなく、彼からも変化はないと聞かされる毎日だった。
それでも放課後はサリモンと二人で訓練を続けた。私にはそれしか出来なかった。私なりに聖女になろうと必死だったが、訓練を続ければやはり噂となり…
「貴方、フィルデガード様には婚約者がいるのよ。二人きりになるような行動は避けるべきではなくて?」
サリモンの婚約者が現れるのかと思いきや、クレアベールが私に詰め寄る。
「聖女の能力について試していただけで…」
どうして私はこの人に言い訳しているんだろうか…
なんだかモヤモヤする。
「そうであったとしても、婚約者のいる男性と二人きりになれば良からぬ噂がたちます。貴方にとって正当な理由があったとしても、噂を口にする者にとっては関係ありません。婚約者…貴族令嬢だけが傷がつくんです」
「…それは、ジョバルディー様の事を仰ってるんですか?」
つい、口に出してしまった。
私なりに皆が望む「聖女」になろうと努力して、他の人からの嫌がらせにも耐え、悪役令嬢を悪役させないように押さえていたのに…クレアベール全然分かっていない。
「…どういう意味ですか?」
クレアベールは冷静さを取り戻し、私を射抜くような鋭い視線を寄越すも私も負けたくはなかった。
「婚約者同士が分かりあっていれば、私の存在など気にならないものです。不安に思うのは婚約者との仲が良好ではない者だけじゃないですか?ジョバルディー様とクリストフ王子が不仲なのを私のせいにするのはやめてください」
バシン
咄嗟の事に理解が追い付かないが、暫くすると左頬がジンジンと痛かった。
「ジョバルディー公爵令嬢っ」
離れて私達の様子を伺っていたサリモンの叫んでいたであろう声がボヤけて聞こえた。
「貴方は何も分かってないのよ、聖女なんてものはっ」
「お止めくださいっ」
サリモンが私の前に立ちはだかりクレアベールを諌めた。
「大丈夫か?」
「…はぃ」
私はサリモンに守られながら、クレアベールの言葉を聞くことなくその場を去った。
危険と感じたのか、一度として私に触れることのなかったサリモンが私の肩を抱き寄せ早足だった。後方ではクレアベールが「騙されているのよっ…いい加減目を覚ましなさいっ」と叫んでいた。
聞こえていただろうに、サリモンは彼女の言葉など聞く耳を持たず私を選んだ。
私は気付かぬうちに口角を上げていた。
本当なら一人になりたかったが、サリモンからは逃れる事が出来ず二人で聖女の能力について試すことにした。
聖女といえば、身体強化・保護・加護だろうと考え、丁度一緒にいるのが騎士のサリモンなので彼を実験…協力してもらうことにした。私は彼に祈りを捧げ、普段通りの訓練をしてもらう。
彼の素振りをひたすら見続けたが、私にはどう変わったのか判断できなかった。分かるのは本人だけだろう。数時間の訓練の後、サリモンに聞いてみた。
「普段とそう代わり映えしないな」
サリモンは他人に忖度する人間ではなかったので、率直に意見する。
私自身普段と変わらない祈りだったので彼の言葉に納得するも、どこか少しだけ期待している自分もいた。
「…聖女とは、そんな簡単なものではない」
サリモンの言葉には安易な私の思考を読み取られていたのを悟る。
剣一筋で婚約者だけでなく人の気持ちに疎いサリモンを見下していたわけではないが、私の気持ちなど分かるはず無いと決めつけていた。
剣と向き合い常に鍛練を欠かさない彼だから、私が聖女として漸く真剣に向き合い聖女として要領を得ない自分に焦りだしたのが分かったのかもしれない…何かに真剣に向き合ったことがある誰もが通る道なのかもしれない。
それを私は焦ってはいても、ヒロインになれば聖女の能力を開花させるのは簡単に出来るものと思い込んでいた節はある。
どの物語でもヒロインになりさえすれば必ずイベントが訪れ、能力は自然と開花し必然的に誰もが崇める聖女となるものだと…
やはり現実の世界ではそう甘くはなく、その日から聖女として何をするべきか見当もつかないまま悩みだした。何かをしなければと思い、サリモンの訓練中祈りを続けるも聖女の能力を発揮できた感覚はなく、彼からも変化はないと聞かされる毎日だった。
それでも放課後はサリモンと二人で訓練を続けた。私にはそれしか出来なかった。私なりに聖女になろうと必死だったが、訓練を続ければやはり噂となり…
「貴方、フィルデガード様には婚約者がいるのよ。二人きりになるような行動は避けるべきではなくて?」
サリモンの婚約者が現れるのかと思いきや、クレアベールが私に詰め寄る。
「聖女の能力について試していただけで…」
どうして私はこの人に言い訳しているんだろうか…
なんだかモヤモヤする。
「そうであったとしても、婚約者のいる男性と二人きりになれば良からぬ噂がたちます。貴方にとって正当な理由があったとしても、噂を口にする者にとっては関係ありません。婚約者…貴族令嬢だけが傷がつくんです」
「…それは、ジョバルディー様の事を仰ってるんですか?」
つい、口に出してしまった。
私なりに皆が望む「聖女」になろうと努力して、他の人からの嫌がらせにも耐え、悪役令嬢を悪役させないように押さえていたのに…クレアベール全然分かっていない。
「…どういう意味ですか?」
クレアベールは冷静さを取り戻し、私を射抜くような鋭い視線を寄越すも私も負けたくはなかった。
「婚約者同士が分かりあっていれば、私の存在など気にならないものです。不安に思うのは婚約者との仲が良好ではない者だけじゃないですか?ジョバルディー様とクリストフ王子が不仲なのを私のせいにするのはやめてください」
バシン
咄嗟の事に理解が追い付かないが、暫くすると左頬がジンジンと痛かった。
「ジョバルディー公爵令嬢っ」
離れて私達の様子を伺っていたサリモンの叫んでいたであろう声がボヤけて聞こえた。
「貴方は何も分かってないのよ、聖女なんてものはっ」
「お止めくださいっ」
サリモンが私の前に立ちはだかりクレアベールを諌めた。
「大丈夫か?」
「…はぃ」
私はサリモンに守られながら、クレアベールの言葉を聞くことなくその場を去った。
危険と感じたのか、一度として私に触れることのなかったサリモンが私の肩を抱き寄せ早足だった。後方ではクレアベールが「騙されているのよっ…いい加減目を覚ましなさいっ」と叫んでいた。
聞こえていただろうに、サリモンは彼女の言葉など聞く耳を持たず私を選んだ。
私は気付かぬうちに口角を上げていた。
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