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私がクレアベールに頬を叩かれて以来、クリストフ王子は宣言通り今まで以上に傍に居ることが多くなった。
彼の行動はクレアベールが私に近づかせないように、守ってくれているのが伝わる。
「貴方…いい加減にしなさい」
それでも懲りずにクレアベールはやってきた。
そんなことをすればする程、婚約者のクリストフ王子の心が離れるとは考えないのだろうか?
「クレア、私はこの国の為に動いているんだ」
私一人の時ではなく、王子がいる時に立ち向かってくる悪役令嬢には感心してしまう。
潔いのか愚かなのか…
「…国の為ですか?では、フィルデガード様はどうなのです?婚約者の方はなんと?」
「エスメラルダは…」
サリモンが婚約者をファーストネームで呼ぶことに驚いた。
大抵、不仲な婚約者は互いをファミリーネームを呼ぶ事が多いのに…あまりそういうのを深く考えたりしないのだろうな。
「クレアベール様」
そこに現れたのはサリモンの婚約者のエスメラルダ・ナターシャルだ。
私が聖女と知る前に一度会話したが、それ以降エスメラルダはこの状況を傍観していた。
「私の為に聖女様に助言してくださり感謝いたします。ですが、私はこの国には聖女が必要だと考えております。ですので、サリモンが聖女を護衛する事に反対はありませんわ」
「…貴方も…本当にそれでよろしいの?」
仲間だと考えていたがエスメラルダの発言に、クレアベールは裏切られたと感じている表情だった。
「はい」
エスメラルダは優美な微笑みでクレアベールに答えた。
「…婚約者が間違っているなら正すべきよ」
傷付きながら必死に言葉を紡ぐクレアベールを見るのは辛くなりだした。
間違いを認められず、後戻りできないと考えているのがよく分かる…
だけどもう貴族としての矜持や当主の言葉など捨てて、聖女を…私を認めてください。
貴方だってもう気付いているんですよね?
「私は彼が間違っているとは思いません。クレアベール様こそ、聖女様を受け入れませんか?」
「なっなんて事を…私は決して聖女を受け入れたりしないわっ」
クレアベールは顔面蒼白となり、去って行く。
悪役令嬢の後ろ姿をこんなにも弱々しく見えたのは初めてだ。
当主は何故そこ迄して聖女を受け入れることを拒絶するのだろうか?
確かに国に災害などが起きた時、他力本願で自分達は何もしないのどうかと思う。自分達で解決させようとするクレアベールは正しい事だと思うが、それでもどうにもならないなら、聖女の力でもなんでも利用して国を存続させるべきだ。頑固を貫き苦労するのは自分達貴族だけでなく、平民も道連れにされる。
上に立つ者であるならば、新たなものを受け入れ柔軟な発想も大事だ。
公爵についての情報はないが、古い考えを捨てろとは言わない。ただ、時代と共に新しい考え方も受け入れるべきだと思う。
クレアベールも学生の今なら変われる。自身の欠点を見つめ直し、変わるべきだ。意見を変えることは悪いことではない。他人に流されるのではなく、自分で考え良い方向に進もうとするのは素晴らしいことだ。
彼女は何でも一人で解決しようとする。それは頼もしくもあるが、独裁的で誰の意見も聞いていないように見える。それでは王妃となり誰かの協力が必要な時に誰も協力してくれなくなる。そうなる前に変わってほしい。
私はこんなにも悪役令嬢を心配しているのに…
最後の仲間だと信じていたサリモンの婚約者、エスメラルダでさえ聖女賛成派になったんだ、どうか気付いて。
これでは本当にクレアベールは孤立してしまう。
「…ジョバルディー公爵もですが、クレアベール様も頑固なところがありますね。一度決めたことを覆さない。覚悟を決めた姿はなんとも凛々しく美しいものですが、意見を変えることは悪いことではないんですけどね」
クレアベールと対立こそしているが、エスメラルダは彼女を卑下することも侮辱することもなく認めている。
私と同じ意見…だけどなんだろうな…私以外が悪役令嬢を認めるのは許せない。
貴方達は悪役令嬢と敵対するべき。私だけが聖女の心で悪役令嬢を受け入れるの。貴方達は悪役令嬢を憎みなさい。
彼女を陥れる何かが欲しい、もっと決定的な何か…
彼の行動はクレアベールが私に近づかせないように、守ってくれているのが伝わる。
「貴方…いい加減にしなさい」
それでも懲りずにクレアベールはやってきた。
そんなことをすればする程、婚約者のクリストフ王子の心が離れるとは考えないのだろうか?
「クレア、私はこの国の為に動いているんだ」
私一人の時ではなく、王子がいる時に立ち向かってくる悪役令嬢には感心してしまう。
潔いのか愚かなのか…
「…国の為ですか?では、フィルデガード様はどうなのです?婚約者の方はなんと?」
「エスメラルダは…」
サリモンが婚約者をファーストネームで呼ぶことに驚いた。
大抵、不仲な婚約者は互いをファミリーネームを呼ぶ事が多いのに…あまりそういうのを深く考えたりしないのだろうな。
「クレアベール様」
そこに現れたのはサリモンの婚約者のエスメラルダ・ナターシャルだ。
私が聖女と知る前に一度会話したが、それ以降エスメラルダはこの状況を傍観していた。
「私の為に聖女様に助言してくださり感謝いたします。ですが、私はこの国には聖女が必要だと考えております。ですので、サリモンが聖女を護衛する事に反対はありませんわ」
「…貴方も…本当にそれでよろしいの?」
仲間だと考えていたがエスメラルダの発言に、クレアベールは裏切られたと感じている表情だった。
「はい」
エスメラルダは優美な微笑みでクレアベールに答えた。
「…婚約者が間違っているなら正すべきよ」
傷付きながら必死に言葉を紡ぐクレアベールを見るのは辛くなりだした。
間違いを認められず、後戻りできないと考えているのがよく分かる…
だけどもう貴族としての矜持や当主の言葉など捨てて、聖女を…私を認めてください。
貴方だってもう気付いているんですよね?
「私は彼が間違っているとは思いません。クレアベール様こそ、聖女様を受け入れませんか?」
「なっなんて事を…私は決して聖女を受け入れたりしないわっ」
クレアベールは顔面蒼白となり、去って行く。
悪役令嬢の後ろ姿をこんなにも弱々しく見えたのは初めてだ。
当主は何故そこ迄して聖女を受け入れることを拒絶するのだろうか?
確かに国に災害などが起きた時、他力本願で自分達は何もしないのどうかと思う。自分達で解決させようとするクレアベールは正しい事だと思うが、それでもどうにもならないなら、聖女の力でもなんでも利用して国を存続させるべきだ。頑固を貫き苦労するのは自分達貴族だけでなく、平民も道連れにされる。
上に立つ者であるならば、新たなものを受け入れ柔軟な発想も大事だ。
公爵についての情報はないが、古い考えを捨てろとは言わない。ただ、時代と共に新しい考え方も受け入れるべきだと思う。
クレアベールも学生の今なら変われる。自身の欠点を見つめ直し、変わるべきだ。意見を変えることは悪いことではない。他人に流されるのではなく、自分で考え良い方向に進もうとするのは素晴らしいことだ。
彼女は何でも一人で解決しようとする。それは頼もしくもあるが、独裁的で誰の意見も聞いていないように見える。それでは王妃となり誰かの協力が必要な時に誰も協力してくれなくなる。そうなる前に変わってほしい。
私はこんなにも悪役令嬢を心配しているのに…
最後の仲間だと信じていたサリモンの婚約者、エスメラルダでさえ聖女賛成派になったんだ、どうか気付いて。
これでは本当にクレアベールは孤立してしまう。
「…ジョバルディー公爵もですが、クレアベール様も頑固なところがありますね。一度決めたことを覆さない。覚悟を決めた姿はなんとも凛々しく美しいものですが、意見を変えることは悪いことではないんですけどね」
クレアベールと対立こそしているが、エスメラルダは彼女を卑下することも侮辱することもなく認めている。
私と同じ意見…だけどなんだろうな…私以外が悪役令嬢を認めるのは許せない。
貴方達は悪役令嬢と敵対するべき。私だけが聖女の心で悪役令嬢を受け入れるの。貴方達は悪役令嬢を憎みなさい。
彼女を陥れる何かが欲しい、もっと決定的な何か…
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