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貴方方のご機嫌取りにはもう疲れました
貴方方のご機嫌取りには疲れました
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「ネフェリア・アルカトゥーン。今回の功績を称え褒美を送る。何でも言ってくれ」
国王陛下はこの度の功績により国を救ったネフェリア・アルカトゥーンに褒美を贈る事を宣言。
「国王陛下、一つ頂きたいものがございます」
「なんなりと申してみよ」
「……人払いを……」
「分かった」
私は、全員を下がらせ国王と二人きりに。
「これでいいか?」
「ありがとうございます」
「それで、何を望む」
「私は……」
ーーーーーーーーーー
始まりは三年前。
「これって、もしかして……あの小説……?」
突然私は小説の世界で目を覚ました。
それも主人公ではなく、主人公に嫌がらせをするライバル令嬢。
王子の婚約者を巡って、周囲の候補者をあの手この手で蹴落とすような悪名高き公爵令嬢。
ネフェリア・アルカトゥーン。
転生と気が付いた時には、ネフェリアの悪評は知れ渡っていた。
小説では、当然王子の婚約者に選ばれることなく最後まで足搔き続けた。
そして、有力候補者を誘拐するも失敗。
事実が王族によって明かされ、公爵家没落・国外追放と言う結末を迎える。
「既にワガママ令嬢ではあるが、犯罪には手を染めてないのは救いね……王子の婚約者になるつもりはないから……これから私に出来ることは……」
名誉挽回するのは難しい。
それでも犯罪に手を染めていないので、家門没落・国外追放エンドにならないよう動くことは出来る。
「王子の婚約者が決定する、三年後。それまで静かに過ごしていればその後は平穏なはず……」
それからの私は、己を殺し、いい人を徹底。
初めのうちは周囲も、私の突然の変化に戸惑いより疑いの方が強かった。
だが一年が過ぎた頃には周囲の態度も軟化。
二年目には受け入れられ、三年目には過去の知識もあり頼られるように。
そして今、物語最大の難関と言われる問題も解決。
その功績が認められ、王族にこの度褒章を頂くことに……
「本当に何でもよろしいのでしょうか?」
「あぁ」
「では、私に治安の良い辺境の領地を頂けないでしょうか?」
「辺境の領地?」
私の突拍子もない発言に国王は言葉を繰り返す。
「はい、そこで暮らしたいと思っております」
「暮らす? 辺境にか?」
「はい」
「令嬢は、ローランドの婚約者を望んでいたのではないのか?」
「いえ、私に王妃は務まらないと感じております」
「そんな事は無い。今回もだか、令嬢には正直驚いている。あのような解決方法、素晴らしかった」
「今回は偶然成功したに過ぎません。毎回解決できるとは思いません」
「そう、謙遜することはない」
「私は、この三年で身に沁みました。王妃というのは私が考えているより遥かに責任が重く、失敗が許されないのだと……」
「それは、婚約者候補を辞退したいと?」
「恐れながら……私に次期王妃は……」
「本当にそれが令嬢の望みなのか?」
「はい」
「……分かった」
その後、約束通り国王から領地を頂戴した。
私が王都から辺境に移り住んだ事で貴族達は混乱。
てっきり、王子の婚約者の座を褒美として臨んだとばかり……
王宮でも、婚約者は
『ネフェリア・アルカトゥーン公爵令嬢で問題ありません』
私の知らないところで会議が行われ決定していた。
それが今、私が辺境に移り住み国王が許可した事でまさかの事態に見舞われている。
『婚約者はどうなるんですか?』
『ネフェリア嬢はただの休息なので……このままでも問題ないのでは?』
『いや、国に混乱を招いた事で失格ではないですか? それより次点の令嬢にした方が……』
『いや、ここはネフェリア嬢を説得した方が……』
話し合いは平行線。
辺境の私はと言うと……
「これでようやく休めるわぁ……」
私は辺境に移り住みのんびりしている。
はっきり言って、私は疲れていた。
偽りの自分を演じ続けることに。
必要以上にいい人をして、問題に取り組む。
答えを知っているものもあれば、何の情報もないものも……
それらを解決しつつ、感情を殺し続けた。
怒りを封印し、笑顔を絶やさない生活。
使用人の前でさえ気が抜けなかった。
どうしてそんな事をしなければならなかったのか……
それは、過去の噂を払拭する為には必要以上に聖人君主にならなければいけなかった。
だから私は、今回の褒美で婚約者候補を辞退を望んだ。
「あんな生活が一生続くなんて考えられない。他の転生者は凄いわ……私には無理」
辺境に来てからというもの、本当に何もしていない。
王都にいた私のところには害獣被害による損害や災害の復興支援策、貧困層改革に奴隷問題、農作物や供給や水質改善。
問題なんて少し考えただけで、いくらでも湧いてくる。
それらの報告に耳を傾け解決……
私はもう、限界だった。
皆、報告すれば誰かが解決してくれると思っている。
特に今は王子の婚約者候補達が功績を残そうと必死なので、何かしらの問題を発見しては報告書を提出。
なので、候補者達に役人たち問題を届ける。
皆が競うように問題解決に取り組む。
誰かが解決したと噂が広まると、
「令嬢も何かしらの問題を解決しないと、差が開きますよ? こちらなんてどうでしょう?」
王宮を歩くと問題を抱えた役人に捕まるようになっていた。
役人も候補者達を良いように利用している。
私は過去を払拭するためにいい人を演じていたので、いくつもの問題に向き合っていた。
私は他の候補者達とは違い、誰かに頼ることなく一人で動いていたので限界を迎えていた。
私はそんな毎日から解放されたかった。
「はぁ……辺境は落ち着く……ようやく人間に戻れた気がする……もうあの人達のご機嫌取りしなくていいのね……」
このまま辺境で暮らす事を決意。
王宮でどんな決定が下されようと、私はここから離れない。
「私は、人間らしい生活をするんだ……」
多くの役人が問題を抱え私のところに向かっていようと、私はようやく手に入れた自由を手放すつもりはない。
喩えその中に王命を抱えた騎士お存在があろうと、私の意志は固い。
「もう奴らのご機嫌取り期間は終わったぁぁぁぁ。絶対、休んでやるぅぅぅぅぅぅ」
国王陛下はこの度の功績により国を救ったネフェリア・アルカトゥーンに褒美を贈る事を宣言。
「国王陛下、一つ頂きたいものがございます」
「なんなりと申してみよ」
「……人払いを……」
「分かった」
私は、全員を下がらせ国王と二人きりに。
「これでいいか?」
「ありがとうございます」
「それで、何を望む」
「私は……」
ーーーーーーーーーー
始まりは三年前。
「これって、もしかして……あの小説……?」
突然私は小説の世界で目を覚ました。
それも主人公ではなく、主人公に嫌がらせをするライバル令嬢。
王子の婚約者を巡って、周囲の候補者をあの手この手で蹴落とすような悪名高き公爵令嬢。
ネフェリア・アルカトゥーン。
転生と気が付いた時には、ネフェリアの悪評は知れ渡っていた。
小説では、当然王子の婚約者に選ばれることなく最後まで足搔き続けた。
そして、有力候補者を誘拐するも失敗。
事実が王族によって明かされ、公爵家没落・国外追放と言う結末を迎える。
「既にワガママ令嬢ではあるが、犯罪には手を染めてないのは救いね……王子の婚約者になるつもりはないから……これから私に出来ることは……」
名誉挽回するのは難しい。
それでも犯罪に手を染めていないので、家門没落・国外追放エンドにならないよう動くことは出来る。
「王子の婚約者が決定する、三年後。それまで静かに過ごしていればその後は平穏なはず……」
それからの私は、己を殺し、いい人を徹底。
初めのうちは周囲も、私の突然の変化に戸惑いより疑いの方が強かった。
だが一年が過ぎた頃には周囲の態度も軟化。
二年目には受け入れられ、三年目には過去の知識もあり頼られるように。
そして今、物語最大の難関と言われる問題も解決。
その功績が認められ、王族にこの度褒章を頂くことに……
「本当に何でもよろしいのでしょうか?」
「あぁ」
「では、私に治安の良い辺境の領地を頂けないでしょうか?」
「辺境の領地?」
私の突拍子もない発言に国王は言葉を繰り返す。
「はい、そこで暮らしたいと思っております」
「暮らす? 辺境にか?」
「はい」
「令嬢は、ローランドの婚約者を望んでいたのではないのか?」
「いえ、私に王妃は務まらないと感じております」
「そんな事は無い。今回もだか、令嬢には正直驚いている。あのような解決方法、素晴らしかった」
「今回は偶然成功したに過ぎません。毎回解決できるとは思いません」
「そう、謙遜することはない」
「私は、この三年で身に沁みました。王妃というのは私が考えているより遥かに責任が重く、失敗が許されないのだと……」
「それは、婚約者候補を辞退したいと?」
「恐れながら……私に次期王妃は……」
「本当にそれが令嬢の望みなのか?」
「はい」
「……分かった」
その後、約束通り国王から領地を頂戴した。
私が王都から辺境に移り住んだ事で貴族達は混乱。
てっきり、王子の婚約者の座を褒美として臨んだとばかり……
王宮でも、婚約者は
『ネフェリア・アルカトゥーン公爵令嬢で問題ありません』
私の知らないところで会議が行われ決定していた。
それが今、私が辺境に移り住み国王が許可した事でまさかの事態に見舞われている。
『婚約者はどうなるんですか?』
『ネフェリア嬢はただの休息なので……このままでも問題ないのでは?』
『いや、国に混乱を招いた事で失格ではないですか? それより次点の令嬢にした方が……』
『いや、ここはネフェリア嬢を説得した方が……』
話し合いは平行線。
辺境の私はと言うと……
「これでようやく休めるわぁ……」
私は辺境に移り住みのんびりしている。
はっきり言って、私は疲れていた。
偽りの自分を演じ続けることに。
必要以上にいい人をして、問題に取り組む。
答えを知っているものもあれば、何の情報もないものも……
それらを解決しつつ、感情を殺し続けた。
怒りを封印し、笑顔を絶やさない生活。
使用人の前でさえ気が抜けなかった。
どうしてそんな事をしなければならなかったのか……
それは、過去の噂を払拭する為には必要以上に聖人君主にならなければいけなかった。
だから私は、今回の褒美で婚約者候補を辞退を望んだ。
「あんな生活が一生続くなんて考えられない。他の転生者は凄いわ……私には無理」
辺境に来てからというもの、本当に何もしていない。
王都にいた私のところには害獣被害による損害や災害の復興支援策、貧困層改革に奴隷問題、農作物や供給や水質改善。
問題なんて少し考えただけで、いくらでも湧いてくる。
それらの報告に耳を傾け解決……
私はもう、限界だった。
皆、報告すれば誰かが解決してくれると思っている。
特に今は王子の婚約者候補達が功績を残そうと必死なので、何かしらの問題を発見しては報告書を提出。
なので、候補者達に役人たち問題を届ける。
皆が競うように問題解決に取り組む。
誰かが解決したと噂が広まると、
「令嬢も何かしらの問題を解決しないと、差が開きますよ? こちらなんてどうでしょう?」
王宮を歩くと問題を抱えた役人に捕まるようになっていた。
役人も候補者達を良いように利用している。
私は過去を払拭するためにいい人を演じていたので、いくつもの問題に向き合っていた。
私は他の候補者達とは違い、誰かに頼ることなく一人で動いていたので限界を迎えていた。
私はそんな毎日から解放されたかった。
「はぁ……辺境は落ち着く……ようやく人間に戻れた気がする……もうあの人達のご機嫌取りしなくていいのね……」
このまま辺境で暮らす事を決意。
王宮でどんな決定が下されようと、私はここから離れない。
「私は、人間らしい生活をするんだ……」
多くの役人が問題を抱え私のところに向かっていようと、私はようやく手に入れた自由を手放すつもりはない。
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