【完結】能力が無くても聖女ですか?

天冨 七緒

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届いたドレス

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 パーティーまで日数があるのにドレスが届いた。
 あちらの国では汚れてはいけないという事で、当日まで私の元にドレスが届く事はないのに……

「聖女様、ドレスに不具合がないか最終確認を致します」

「はい」

 使用人によってパーティー用のドレスを着用し、確認することになった。  

「聖女様、靴も一緒に確認をよろしいでしょうか? 」

「はい」

 使用人は以前届いた靴も準備され、全身がパーティー仕様になった。
 『聖女』というイメージを損なわないように白を貴重としつつ、刺繍や宝石によってパーティーに相応しいドレスになっている。
 
「聖女様、何か気になる個所はありますか? 」

「気になる……ですか? 」

 そんな質問今までされたことがない。
 鏡の自分を見てドレスを確認する。
 刺繍の柄も素敵で、所々宝石が縫い付けられているので輝いて綺麗だ。
 布自体もドレスなのに、痒くなることのない生地で着心地が良すぎる。
 普段使用する靴とは異なるパーティー用の靴も履き心地が良い。
 腕のいい職人でもサイズも合わせるのは難しいはずなのに、私の足にピッタリだ。

「ダンスをなさいますので、腕が上がり難くないかの確認やターンをした時の裾の広がり具合など気になる点があればお申し付けください。すぐに手直しいたします」

 そんな事を言われたのも初めて。
 確か過去に腕が上がりにくく王子とのダンスで不具合を感じたことや、針子さんが新人だったのかドレスに針が付いたままの時もあった。
 私はデザイナーの言われた通り、腕の可動域や裾の広がりなどを確認していく。

「問題ないかと」

「畏まりました。ではこのドレスは当日まで王宮で保管して頂き、次はこちらのドレスに着替えて頂いてもよろしいでしょうか? 」

 パーティーに参加するのは一日だけ。
 なので、ドレスは一着で充分なのにもう一着用意されている。

「それは? 」

「こちらは、大聖堂で聖女様に着用して頂く衣装となっております」

「大聖堂用の衣装ということでしょうか? 」

「はい」

 大聖堂とパーティーでドレスを着替えることに驚く。
 過去私が参加したことのあるパーティーでは不注意でワインやケーキなどで汚れても、着替えることはなく参加者を見送るまでその姿で過ごした経験がある。
 国が変われば仕来りも変わることに驚く。

「こちらも気になる個所がないか確認して頂いてもよろしいでしょうか? 」

「はい」

 大聖堂用のドレスは白と淡い水色の二色で宝石は一切ない。
 それにドレスだけでなくローブまで準備されている。
 
「大聖堂から王宮に移動する際はローブを着用して頂きますので、ドレスの上から羽織って頂き移動に不具合がないかの確認もお願いいたします」
  
 渡されたローブは身を隠すには清楚で可愛すぎるのではないかと思うも、可愛さに抱いた疑問は忘れた。

「こちらも問題ありません」

「畏まりました」

 ドレスや靴はなるべくなら着用したくないと思っていたが、あんなに綺麗で可愛いだけでなくサラサラしたドレスに履き心地の良い靴なら当日着用するのが楽しみになった。
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