【完結】恋愛に向いていない女性の記録。婚約者との関係改善を目指して記憶喪失のフリをしたら……婚約解消になった編

天冨 七緒

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約束は守らないといけないのね……

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「セラフィーナ、確認なのだが最近フランツと何かあったのか? 」

 父に尋ねられ、偶然町であったことについて聞かれているのだと推測出来た。
 誤魔化すべきなのか正直に話すべきなのか……

「偶然お会いした時に声を掛けられたのですが、体調が悪くなり早々にお暇致しました」

「そうか、それで……」

 はっきり言わない父に不安が過る。

「何かあったのですか? 」

「あぁ、最近フランツからセラフィーナ宛に贈り物が届いている」

「贈り物ですか? 」

「受け取ることなく返却していたのだが、今日は届けた人間が荷物を置いて去って行ってしまった。物は送り返すつもりなのだがセラフィーナ宛に手紙があった。読む必要はないが一応確認に来ただけだ。どうする? この手紙読むか? それとも贈り物と共に返すか? 」

 連絡すると言ったのは私なので、しないのは私が悪い。
 だけど、連絡を待つことなく贈り物を送りつけるなんて……
 そんなことは恋人にしたらいい……

「手紙……だけ、一応読んでみたいと思います」

「そうか」

 渡された手紙は初めて見るような文字だ。
 まさか、彼から頂いた過去の手紙は代筆を雇っていたのか?
 軽薄な彼なら考えられる。
 今回の手紙も本人が書いているとも思えない。
 内容は……

『連絡を待つべきなのだが、令嬢の事を考えると待ちきれず手紙を書いてしまった。偶然覗いた宝石店で令嬢に似合うと思い衝動的に購入してしまった。もしよかったら身に着けている姿を見せてくれたら嬉しい。最近では何をしていても令嬢の事が頭を過り、何も手につかない状態だ。せめて返事だけでも頂けないだろうか? 最近はとても冷えるから令嬢の体調が心配だ。不安なことなどあったらすぐ連絡をくれ。俺は何処にいても令嬢の元へ駆けつける』

 以前までの私なら、この手紙に舞い上がっていたに違いない。
 上辺だけを見ていた私は誤魔化せても、今の穿った見方をする私には通用しない。
 この手紙は、私ではなく侯爵にお会いする許可は得られたのか教えてほしいという催促の手紙だ。
 宝石店で衝動的に購入だなんて……彼から最後に貰った贈り物といえば、宝石店を一緒に訪れた時に購入した物。
 エスコートして選んだのは彼だが、支払いは侯爵家に請求されていた。
 なので、彼から贈られたとは言い難い。
 私の心配をしているような手紙に見えて、私の体調を口実に侯爵家に訪れたいのだ。
 連絡するつもりは無かったのだが、こうなっては面倒だがするしかない。
 だがその前に彼の状況を知る必要がある。
 問題ないと思っていた侯爵令嬢との婚約解消だったが、何か落とし穴があったのだろう。
 
「ねぇ、ヴァローナ。少し調べてほしいことがあるんだけど……」

「はい、お嬢様……畏まりました」
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