【完結】嫌いなアイドルを人気者にしたのは……私?

天冨 七緒

文字の大きさ
5 / 26

どっきり企画スタート

しおりを挟む
「はい、オッケーです」

 偽ロケは終了。

「お疲れ様でぇす」

「本日はありがとうございます。残りの撮影は明日ですので、この後は宿に戻って皆さんで食事になります」

 宿はスタッフも同じところなので、食事は全員が一緒に取る。
 
「分かりましたぁ。お先に失礼しまぁす」

 撤収作業で残るスタッフに笑顔で挨拶をしてから、島上は神原と宿へ戻って行く。
 スタッフは撤収作業を終え、二人の待つ宿へ。
 食事に選んだ場所には既にカメラが設置されている。
 その場所から異変。

「全員集まったか?」

 スタッフは島上にも聞こえるよう会話する。

「島上さんに……マネージャーさん……スタッフは……あれ? 新人がまだですね」

「またアイツか……呼んで来い」

「はい」

 一人姿を見せない新人を呼びに行くスタッフ。
 その間、食べることも出来ず携帯をいじりながら不機嫌さを顔に出さないよう必死な島上。

「あのっ……アイツなんですが……」

 新人を呼びに行った者が急いで戻り緊迫した様子で報告する。

「いなくなった?」

「アイツ、朝から体調悪くなってどこかで休んでいるのかもしれないです。俺、探しに行くので先に始めていてください」

「あぁ、そうだな」

 スタッフが一人、いなくなった新人を探しに行く。

「では、先に食事を始めましょう。本日はお疲れさまでした」

 食事が始まる。
 場が和やかな雰囲気で進む。
 本日の撮影だったり、役場の人間に名産品について話が飛び交う。
 話が盛り上がり食事も終盤。
 一人が発言する。

「アイツ、遅くないですか?」

「……確かにそうですね。まだ見つからないんですかね?」

「こんな小さな村で迷子って事ないですよね?」

「迷子は無いでしょう」

「どこかで倒れていたり?」

「倒れ……まさか。遠藤に電話してみるわ。もしかしたら、部屋で休んでるのかもしれないし」

 探しに行った人物に電話を掛けるスタッフ。
 だが、一向に話す様子がない。
 そんな場面を見せているにも拘らず、興味を示さない島上。

「出ないわ」

「マジっすか」

「私、探してくるわ」

「俺も行きますよ」

「一人で平気よ」

「いや、もし倒れていたら一人で運べないですよね?」

「そうね……なら一緒に」

 スタッフ二人が探しに向かう。

「キャッ何?」
 
「停電か?」

 突然部屋が真っ暗に。
 皆が携帯を取り出し、光を確保。

「俺、ちょっと聞いてきますね」

「あぁ、頼む」

 スタッフが一人消えていく。

「はぁ……だからこんなところ嫌なのよ」

 暗闇で愚痴を呟く島上。

「先輩。やっぱここ、ネットの噂通りヤバイんじゃないですか?」

「噂って何?」

「知らないんすか? この村に訪れた人間は行ったっきり帰ってこないって……」

「嘘でしょ? もう、こんな時にそんな話やめてよ……」

 二人の会話に表情を硬くする島上。
 
「……ねぇ電気、まだつかないの?」

 不安を見せる島上。
 いくら待っても電気は点かず。

「私、確認して来ます」

「俺も一緒に行きますよ」

 二人が確認に向かい、部屋に残ったのはディレクターと島上とマネージャーの三人。
 なかなか戻らないスタッフたちにディレクターが一斉に連絡するも、誰からも反応がない。

「何かあったのかもしれない。俺も確認に向かうので、二人はここにいてください」

「えっ、行っちゃうの? ここで三人で待っていた方が良くないですか?」

 これ以上人がいなくなるのを阻止したい島上。

「この場の責任者は俺なんで。すぐに戻りますから」

 そう言い残し、ディレクターも部屋を去る。
 島上と神原の二人きりに。

「もう、だからこんな仕事嫌って言ったのよ。こんな田舎来るんじゃなかった……」

 二人きりになった途端、不満を口にする島上。
 タレントの本音を聞く為のどっきりなので良い感じ。

「大丈夫だよ。これはただの停電だから」

「私、お化けとか大嫌いなんだけど」

「お化けなんて出ないさ」

「さっき、スタッフがこの村全体が心霊スポットって……」

「そんな事ある訳ないだろ」

 怯える島上を宥める神原。

 プルルルル、プルルルル

「キャッ」

 電話の着信に驚く島上。

「もしもし、ディレクターさんどうしました?」

「危険です、早くここから逃げ……」

 電話は途中で切れてしまった。

「今の何? ねぇ、何? ヤダヤダ帰りたい。もう、早く行こう」

「分かった……」

 二人で車に向かう……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

婚約者の心の声が聞こえるようになったが手遅れだった

神々廻
恋愛
《めんどー、何その嫌そうな顔。うっざ》 「殿下、ご機嫌麗しゅうございます」 婚約者の声が聞こえるようになったら.........婚約者に罵倒されてた.....怖い。 全3話完結

(完)そんなに妹が大事なの?と彼に言おうとしたら・・・

青空一夏
恋愛
デートのたびに、病弱な妹を優先する彼に文句を言おうとしたけれど・・・

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました

Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、 あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。 ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。 けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。 『我慢するしかない』 『彼女といると疲れる』 私はルパート様に嫌われていたの? 本当は厭わしく思っていたの? だから私は決めました。 あなたを忘れようと… ※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

処理中です...