うそっ、侯爵令嬢を押し退けて王子の婚約者(仮)になった女に転生？ しかも今日から王妃教育ですって？

スピンオフ アルベルト

物足りない

パーティーに試験と平民に手を貸した令嬢に私が目を掛けていると囁かれだした。
そして、学園が大きく変わった。
何故なら、平民が力を持ち貴族…特に令嬢が平民のご機嫌取りになりだした。
今までと違った光景を愉しんだが、慣れてしまうと面白味に欠ける。

学年が上がり最終学年になると令嬢たちも婚約者が決まり残るのはリューデンス嬢とヘップバーン嬢に絞られた。
平民のマリア嬢もめげずに私を追いかけている。

私が気にすることではないが、高位貴族の令息も婚約者が決まったので後戻り出来ず意地でも私の婚約者になりたいのかもしれないが、私の婚約者が決まり最後まで残ってしまったら君たちはどうするんだ？

私の側室にでもなるつもりか？

側室の前に婚約者だな…今のところ決め手がない。
何か面白いことを仕出かしてくれる令嬢が現れたりしないか？

そんな思いの中、学園を卒業する事になった。
貴族令嬢の二人は積極的に平民に声を掛け自身の名声を上げることに必死、平民も貴族に対する偏見は無くなり気持ち悪いほどの平穏・穏やかな学園になっていた…。

卒業パーティーにおいても私のパートナーをと公爵と伯爵から直接打診があるも白けていく一方だった。

爵位や権力を持ち出されるのは違うだろう…。

もう他国に目を向けるべきなのかもしれない。
確か隣国には私と同年代の王子がいた。

影が薄く婚約者のが聡明で美しいと評判の王子が…。

王子とは会った記憶があるが婚約者の令嬢に関しては情報が少ない。
あの王子が変わったとは無駄な期待は持たないが、令嬢達や面白い人材がいるのか確認するのも良いのかもしれない。
もしかしたら、私が婚約者がいないと知った令嬢から面白い提案をされる可能性もある。
あちらはきっと卒業してまもなくすれば長年の婚約者と結婚するのだろう。
過度に期待すれば裏切られるので、奴にはさほど期待せず結婚や何らかの記念に呼ばれた際で充分だろう。
何もなくあれを見る為だけに隣国へ行く価値はない。
いずれ来るであろう奴の結婚式の招待まで待つことにする。

あいつやその周辺にそこまで面白くなるとは思っていない。
戦争の火種になるようなものがあれば充分だ。