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第1章 神聖魔法を極めた聖女。魔法学校へ入学する
第18話 聖女様?
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基礎魔法の授業を終え、その後の本日最後の授業が終わった所で、
「ソフィア。悪いんだけど、今日も魔法の勉強に付き合ってくれないか?」
アルフレッドが話し掛けてきた。
最初は、からかわれたり、メイドになれと言ってきたりしたから印象が最悪だったけど、意外にやる気があって良い。
きっと悪い人では無いんだよね。
「構わないわよ。ただ、今日はもう一人居るけど」
「ん? あぁ、ヴィクトール先生の事か。まぁ先生なら……」
「いえ、そうじゃなくて、私たちと同じ生徒で、一緒に魔法の勉強がしたいっていう人が居てね」
「え? リュカは真っ先に帰ったし、まさかマルクが? 意外だな。アイツは変にプライドが高くて、そういう事はしなさそうなのに」
「マルクではなくて……って、向こうから来たみたい」
アルフレッドと話をしているうちに、扉が開かれ、
「失礼します。えっと、ソフィアさん……今、良いですか?」
テオドールがチラチラとこっちを見てきた。
「大丈夫よ。とりあえず、入って来たら?」
「え……し、失礼します」
遠慮がちにテオドールが近付いて来ると、
「で、ソフィア。コイツ、誰?」
「同じ学年のテオドール君。Sクラスに入りたいから、魔法を勉強したいんだって」
「へぇ……で、どうしてソフィアの所へ来るんだ? 勉強なら、自分のクラスでやれば良いじゃないか」
何故かアルフレッドが不機嫌になる。
「あの、Aクラスの中ではボクより魔法が出来る人が居ないので、Sクラスの人に教わるしかなくて」
「だから、どうしてソフィアなんだ? と聞いている。Sクラスにはソフィアしか居ないのか? 他にも居るんだが」
アルフレッドの言葉に対し、テオドールが理由を説明したけど……ますます機嫌が悪くなった?
もしかして、アルフレッドも魔法を教えてあげたいのかな?
それで、自分に声がかからなかったから不機嫌なのかも。
「それは……ソフィアさんがボクの憧れの一人だからで……」
「あぁん!? じゃあ、憧れのソフィアに近付きたいだけで、魔法の勉強っていうのはただの口実に聞こえるんだが、どうなんだ? 違うのか!? それに、そもそも入学二日目で憧れの人っておかしくないか?」
「えっと、テオドールは、技術の授業で一緒だったらしいよ?」
一応フォローしてみたんだけど、アルフレッドは小さく頷くだけで、責めるような視線をテオドールに向けたまま。
アルフレッドは、何が理由で不機嫌なんだろう。
「あの、実はボク……幼い頃にソフィアさんに助けて貰っていて、命の恩人なんです。だから、ソフィアさんと同じクラスになりたくて」
「ほらみろ。勉強は口実で、ソフィアに近付きたいだけ……って、命の恩人? どういう事だ?」
「ボクと妹が魔物に襲われていた所を、白い光を放つ魔法を使って助けてくれて、しかも怪我まで治してくれたんです。それ以来、ボクと妹は、毎週末欠かさずソフィアさんの話を聞きに行っていて……」
「いや、すまん。何を言っているんだ? 魔法で助けて貰ったっていうのと、怪我の手当てをしてくれた……っていう所までは、分かる。だけど、その後の毎週末ソフィアの話を聞きに行って……っていうのは何の事だ? ソフィアは講演でも開いて居たのか?」
「講演と言うか、毎週ありがたい言葉を下さって……ボクたち以外にも、毎週来ている人は沢山居ましたよ?」
教会に毎週来ていた兄妹……うーん。大聖堂も広いから、それだけでは分からないかな。
「ソフィア……お前、アイドルだったのか?」
「アイドル? よく分からないけど、違うと思うわよ?」
「アイドルだなんて、そんな俗っぽいものと一緒にしないで下さい! ソフィアさんは聖女なんですから!」
何故かテオドールが声を荒げた所で、アルフレッドが反論するんだけど、
「すまん。何を言っているんだ? 俺も聖女様には傷を治してもらった事はあるし、話も聞いた事はあるが、もっと神々しいというか、お淑やかというか、ソフィアとはタイプが違うだろ。それに名前だって違うはずだ」
「あ、あの……知りませんよ?」
「確か聖女様の名前は……ソフィア様だろ。ほら……って、えぇ!? ぐ、偶然だよな? 確かに顔は似ている気もするけど、もっと静かで、すぐに怒らなくて、女神みたいに優しいお方だぞ!?」
これ……もしかして私、物凄く貶められているんじゃないかしら。
「ソフィア。悪いんだけど、今日も魔法の勉強に付き合ってくれないか?」
アルフレッドが話し掛けてきた。
最初は、からかわれたり、メイドになれと言ってきたりしたから印象が最悪だったけど、意外にやる気があって良い。
きっと悪い人では無いんだよね。
「構わないわよ。ただ、今日はもう一人居るけど」
「ん? あぁ、ヴィクトール先生の事か。まぁ先生なら……」
「いえ、そうじゃなくて、私たちと同じ生徒で、一緒に魔法の勉強がしたいっていう人が居てね」
「え? リュカは真っ先に帰ったし、まさかマルクが? 意外だな。アイツは変にプライドが高くて、そういう事はしなさそうなのに」
「マルクではなくて……って、向こうから来たみたい」
アルフレッドと話をしているうちに、扉が開かれ、
「失礼します。えっと、ソフィアさん……今、良いですか?」
テオドールがチラチラとこっちを見てきた。
「大丈夫よ。とりあえず、入って来たら?」
「え……し、失礼します」
遠慮がちにテオドールが近付いて来ると、
「で、ソフィア。コイツ、誰?」
「同じ学年のテオドール君。Sクラスに入りたいから、魔法を勉強したいんだって」
「へぇ……で、どうしてソフィアの所へ来るんだ? 勉強なら、自分のクラスでやれば良いじゃないか」
何故かアルフレッドが不機嫌になる。
「あの、Aクラスの中ではボクより魔法が出来る人が居ないので、Sクラスの人に教わるしかなくて」
「だから、どうしてソフィアなんだ? と聞いている。Sクラスにはソフィアしか居ないのか? 他にも居るんだが」
アルフレッドの言葉に対し、テオドールが理由を説明したけど……ますます機嫌が悪くなった?
もしかして、アルフレッドも魔法を教えてあげたいのかな?
それで、自分に声がかからなかったから不機嫌なのかも。
「それは……ソフィアさんがボクの憧れの一人だからで……」
「あぁん!? じゃあ、憧れのソフィアに近付きたいだけで、魔法の勉強っていうのはただの口実に聞こえるんだが、どうなんだ? 違うのか!? それに、そもそも入学二日目で憧れの人っておかしくないか?」
「えっと、テオドールは、技術の授業で一緒だったらしいよ?」
一応フォローしてみたんだけど、アルフレッドは小さく頷くだけで、責めるような視線をテオドールに向けたまま。
アルフレッドは、何が理由で不機嫌なんだろう。
「あの、実はボク……幼い頃にソフィアさんに助けて貰っていて、命の恩人なんです。だから、ソフィアさんと同じクラスになりたくて」
「ほらみろ。勉強は口実で、ソフィアに近付きたいだけ……って、命の恩人? どういう事だ?」
「ボクと妹が魔物に襲われていた所を、白い光を放つ魔法を使って助けてくれて、しかも怪我まで治してくれたんです。それ以来、ボクと妹は、毎週末欠かさずソフィアさんの話を聞きに行っていて……」
「いや、すまん。何を言っているんだ? 魔法で助けて貰ったっていうのと、怪我の手当てをしてくれた……っていう所までは、分かる。だけど、その後の毎週末ソフィアの話を聞きに行って……っていうのは何の事だ? ソフィアは講演でも開いて居たのか?」
「講演と言うか、毎週ありがたい言葉を下さって……ボクたち以外にも、毎週来ている人は沢山居ましたよ?」
教会に毎週来ていた兄妹……うーん。大聖堂も広いから、それだけでは分からないかな。
「ソフィア……お前、アイドルだったのか?」
「アイドル? よく分からないけど、違うと思うわよ?」
「アイドルだなんて、そんな俗っぽいものと一緒にしないで下さい! ソフィアさんは聖女なんですから!」
何故かテオドールが声を荒げた所で、アルフレッドが反論するんだけど、
「すまん。何を言っているんだ? 俺も聖女様には傷を治してもらった事はあるし、話も聞いた事はあるが、もっと神々しいというか、お淑やかというか、ソフィアとはタイプが違うだろ。それに名前だって違うはずだ」
「あ、あの……知りませんよ?」
「確か聖女様の名前は……ソフィア様だろ。ほら……って、えぇ!? ぐ、偶然だよな? 確かに顔は似ている気もするけど、もっと静かで、すぐに怒らなくて、女神みたいに優しいお方だぞ!?」
これ……もしかして私、物凄く貶められているんじゃないかしら。
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