スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ～今度から新たに出来た仲間と頑張ります～

２話・プロローグ 2

　新しい仕事を部長から押し付けられたが、やる気も起きる筈がなく、そのまま家に帰る為、帰路につく。
　朝の出来事でむしゃくしゃした気持ちは、まだはれず道中の居酒屋で一杯ひっかけることにした。
　カウンターに案内され、お酒とつまみを注文する。
　注文した物が届くと、ゆっくりとお酒を口に含み飲み込む。ある程度飲み食いした後、そろそろ帰ろうかと腰をあげた時、奥のテーブルの所から聞き覚えのある声が聞こえた。

「部長はどうして、使いもしない資料を作らせたんですか？」

「資料？　あぁ、あの事か？　なんだ、理由を知りたいのか？」

「はい」

「そんなもの決まってるだろ。あいつの苦しむ顔を見るのが面白いからだ。今日のあいつの作った資料を投げつけた時のあの顔…　アハハハハ　今思い出しても、笑いが止まらんよ。」

　俺の中の何かが、切れたような気がした。
　俺は、そのまま部長たちのいる席へとむかう。
　部長と飲んでいる他の連中は気づいたのか顔を青くしている。部長は、俺を背にしてあるから気づいていない。だかなのか、今もまだ俺についてボロクソに言ってくれている。
　部長の後ろにつくと、そのまま肩に手を置く。

「ずいぶん、楽しそうな会話をされてますね部長。俺も混ぜてくれませんか？」

「あ…　誰…　だ…」

　部長は、目を見開く。てっきり謝ってくるのかと思ったら、

「き…　貴様、仕事はどうした仕事は！！　今すぐ帰って、やってこい！！」

　俺は、開いた口が塞がらなかった。それと同時に、頭に血がのぼってくる。俺は気づいたら、渾身の右ストレートを部長のたるんだ頬に叩き込んだ。
　机がひっくり返り、皿が割れる音や人の悲鳴などが聞こえるが、酔いが回りだしたのか、少し視界が鈍ってくる。それでも、部長が部下の手を借りながら起き上がるのは確認できた。
　部長はそのまま何かを呟きながら、俺に近づいてくるが、うまく聞き取れない。部長が手を振り下ろすと同時に、頭に強い衝撃を受け、倒れる。視界が赤くなり出す。起き上がろうにも、体に力が入らない。それどころか、更に頭に衝撃を受け、意識が薄れていく。
　薄れていく中、誰かの声が聞こえてきたような気がした。


◆


　誰かが私の肩に手を置く。

「ずいぶん、楽しそうな会話をされてますね部長。俺も混ぜてくれませんか？」

「あ…　誰…　だ…」

　振り替えると、仕事を言いつけたあいつがそこにいた。

「き…　貴様、仕事はどうした仕事は！！　今すぐ帰って、やってこい！！」

　私は、そう怒鳴り付けた。
すると、頬に衝撃を受けて机をひっくり返しながら、倒れる。頬にふれると、痛みがある。

「だ…　大丈夫ですか、部長？」

　私は部下の手を借りながら起き上がる。その時には、目の前のあいつに殴られた事を理解した。

「き…　貴様！！」

　私は、近くにあった酒瓶を手に取り、あいつに近づき、思いっきり、あいつの頭目掛けて振り下ろした。
あいつは、血を流し倒れるが、まだ、私の気がおさまらない。倒れたあいつ目掛けて、更に酒瓶を振り下ろした。


◆


　～翌日～

　とある家庭のテレビ

『先日、○△会社の部長である犯田罪斗はんださいと(43)が殺人罪の容疑で逮捕されました。何があったのかは現在調査中です。それでは、次のニュースです…』