スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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95話・羨む

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 ラス君が既に、4種類の神通力じんつうりきを使える事を教えると、

「4つも!!」 「「「「!?」」」」

 それには、茨だけでなく、後ろで聞いていた4人も驚愕の顔を浮かべていた。
 その驚きようが面白く、笑みを浮かべる。

「いや、おかしくないですよ、お師匠様!! 私でも、まだ2種類しか使えないですし、私の次にここに長くいる熊も1種類なんですよ」

「確かに、そうですね。ですが、こればかりは、ラス君に神通力の適性があったんだと思いますよ」

「適性か… やっぱり、私たちは適性がないんですか?」

「前にも言ったと思いますが、完全にないという訳ではないですが、茨たちは、どちらかと言うと、私の父である鬼寄りの力の適性の方が強いですね」

「そうですよね。まぁ、私も鬼寄りのその力で好き勝手やってきたけど、お師匠様の使う神通力の便利さを知ってるから、やっぱり少し羨ましいです…」

「茨、羨む気持ちは分かりますが、今回ばかりは、そうでもないかもしれませんよ」

「どういう事ですか?」

「もともと神通力は、母の特別な力が最強の鬼である父と混じった事で得た力なんだと思います。ですが、元となったのが人族の母の力である事に変わりはないんです。だから、ここからは私の仮説になるのですが、神通力の適性を備えている者は、本来鬼人の持つ体の頑丈さやスキルを持っていないんだと思います」

「お師匠様が言うならそうなんだと思いますが、もしかしてラスがそうなんですか?」

「そうなりますね。そして、いつからか自身の体の屈強さを誇りに思っている鬼人の中で、そんな子がいたらどうなるかは考えずとも分かるでしょう?」

「はい…」 「「「「…」」」」

 今の話で、全員ラス君に起こった事を察してくれる。

「お師匠様、私決めました!!」

 しんみりとしていた茨が突然立ち上がり、そう声をあげる。

「…茨、急にどうしました?」

 何を決めたのやらと思いながら、聞いてみる。

「私、ラスの力になってあげる!!」

「ラス君の力にですか?」

「はい!! ラスが次ここに来た時に、友達になって、配下召喚に応じようと思います!!」

「そうですか… 茨が自分で決めた事なら止めはしません。ぜひ、力になってあげなさい」

「はい、そうします!!」

 そう宣言したかと思ったら、

「あ、続き続き!! お師匠様も一緒に視ましょう。」

 茨は、私を手招きしながら、鏡の前を陣取る。
 その後は、茨や他の者たちと一緒に、ラス君の様子を鏡越しに視ながら楽しんだ。
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