277 / 453
95話・羨む
しおりを挟む
ラス君が既に、4種類の神通力を使える事を教えると、
「4つも!!」 「「「「!?」」」」
それには、茨だけでなく、後ろで聞いていた4人も驚愕の顔を浮かべていた。
その驚きようが面白く、笑みを浮かべる。
「いや、おかしくないですよ、お師匠様!! 私でも、まだ2種類しか使えないですし、私の次にここに長くいる熊も1種類なんですよ」
「確かに、そうですね。ですが、こればかりは、ラス君に神通力の適性があったんだと思いますよ」
「適性か… やっぱり、私たちは適性がないんですか?」
「前にも言ったと思いますが、完全にないという訳ではないですが、茨たちは、どちらかと言うと、私の父である鬼寄りの力の適性の方が強いですね」
「そうですよね。まぁ、私も鬼寄りのその力で好き勝手やってきたけど、お師匠様の使う神通力の便利さを知ってるから、やっぱり少し羨ましいです…」
「茨、羨む気持ちは分かりますが、今回ばかりは、そうでもないかもしれませんよ」
「どういう事ですか?」
「もともと神通力は、母の特別な力が最強の鬼である父と混じった事で得た力なんだと思います。ですが、元となったのが人族の母の力である事に変わりはないんです。だから、ここからは私の仮説になるのですが、神通力の適性を備えている者は、本来鬼人の持つ体の頑丈さやスキルを持っていないんだと思います」
「お師匠様が言うならそうなんだと思いますが、もしかしてラスがそうなんですか?」
「そうなりますね。そして、いつからか自身の体の屈強さを誇りに思っている鬼人の中で、そんな子がいたらどうなるかは考えずとも分かるでしょう?」
「はい…」 「「「「…」」」」
今の話で、全員ラス君に起こった事を察してくれる。
「お師匠様、私決めました!!」
しんみりとしていた茨が突然立ち上がり、そう声をあげる。
「…茨、急にどうしました?」
何を決めたのやらと思いながら、聞いてみる。
「私、ラスの力になってあげる!!」
「ラス君の力にですか?」
「はい!! ラスが次ここに来た時に、友達になって、配下召喚に応じようと思います!!」
「そうですか… 茨が自分で決めた事なら止めはしません。ぜひ、力になってあげなさい」
「はい、そうします!!」
そう宣言したかと思ったら、
「あ、続き続き!! お師匠様も一緒に視ましょう。」
茨は、私を手招きしながら、鏡の前を陣取る。
その後は、茨や他の者たちと一緒に、ラス君の様子を鏡越しに視ながら楽しんだ。
「4つも!!」 「「「「!?」」」」
それには、茨だけでなく、後ろで聞いていた4人も驚愕の顔を浮かべていた。
その驚きようが面白く、笑みを浮かべる。
「いや、おかしくないですよ、お師匠様!! 私でも、まだ2種類しか使えないですし、私の次にここに長くいる熊も1種類なんですよ」
「確かに、そうですね。ですが、こればかりは、ラス君に神通力の適性があったんだと思いますよ」
「適性か… やっぱり、私たちは適性がないんですか?」
「前にも言ったと思いますが、完全にないという訳ではないですが、茨たちは、どちらかと言うと、私の父である鬼寄りの力の適性の方が強いですね」
「そうですよね。まぁ、私も鬼寄りのその力で好き勝手やってきたけど、お師匠様の使う神通力の便利さを知ってるから、やっぱり少し羨ましいです…」
「茨、羨む気持ちは分かりますが、今回ばかりは、そうでもないかもしれませんよ」
「どういう事ですか?」
「もともと神通力は、母の特別な力が最強の鬼である父と混じった事で得た力なんだと思います。ですが、元となったのが人族の母の力である事に変わりはないんです。だから、ここからは私の仮説になるのですが、神通力の適性を備えている者は、本来鬼人の持つ体の頑丈さやスキルを持っていないんだと思います」
「お師匠様が言うならそうなんだと思いますが、もしかしてラスがそうなんですか?」
「そうなりますね。そして、いつからか自身の体の屈強さを誇りに思っている鬼人の中で、そんな子がいたらどうなるかは考えずとも分かるでしょう?」
「はい…」 「「「「…」」」」
今の話で、全員ラス君に起こった事を察してくれる。
「お師匠様、私決めました!!」
しんみりとしていた茨が突然立ち上がり、そう声をあげる。
「…茨、急にどうしました?」
何を決めたのやらと思いながら、聞いてみる。
「私、ラスの力になってあげる!!」
「ラス君の力にですか?」
「はい!! ラスが次ここに来た時に、友達になって、配下召喚に応じようと思います!!」
「そうですか… 茨が自分で決めた事なら止めはしません。ぜひ、力になってあげなさい」
「はい、そうします!!」
そう宣言したかと思ったら、
「あ、続き続き!! お師匠様も一緒に視ましょう。」
茨は、私を手招きしながら、鏡の前を陣取る。
その後は、茨や他の者たちと一緒に、ラス君の様子を鏡越しに視ながら楽しんだ。
2
あなたにおすすめの小説
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。
ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。
俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。
そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。
こんな女とは婚約解消だ。
この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる