スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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38話・二手

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「おはよー」

 目を擦りながら、既に起きていた3人に挨拶する。

「おはようございます、シエルさん」

「おはようございます」「おはようなのじゃ」

 顔を洗って戻ってくると、朝食の準備が出来ていたので、作ってくれた2人にお礼を言ってから席につく。
 私が席についた所で、食事が始まる。
 食べ始めると、

「今日は、私の為に時間をとってくれてありがとうございます。誠心誠意頑張りますので、よろしくお願いします、シエルさん」

 ラスが、手を止め頭を下げてくる。

「ラス、頭を上げて。昨日も言ったけど、特に予定もなかったし、そんなに気にしなくていいのよ。それに、ラスが頑張っているのは知っているから、その力になれるなら、いくらでも頼ってくれていいわよ」

「ありがとうございます!!」

 頭を上げさせたのに、またしても頭を下げてくる。
 もう一度頭を上げさせ、食事を再開する。
 食後、ダンジョンへ行く為の準備を終わらせ、いざ出発と言った所で、遠話のブレスレットに反応があった。
 シェーンとマオはすぐそこにいるので、相手はセウンしかいない。
 何か用事でも出来たのだろうかなと、魔力を流し、セウンの話を聞く。
 どうやら、魔神教の1人らしき人物が、この王都に入り込んだらしい。
 詳しくその人物像を聞き、私からも話を通す事を伝え、その後捜索に加わる事を伝えると、複数で探すように言われる。

「了解。じゃあ、気をつけてね、セウン」

『あぁ。シエルたちも、気をつけてな』

 セウンがそう言うと、遠話が切れた。

「皆、今の話聞こえたわね?」

 皆が頷くのを確認してから、

「じゃあ、私はこの事を城の方へ伝えに行くから、シェーンとマオは、2人一緒にそいつの捜索をお願い」

「分かりました」 「了解じゃ」

「ごめんね、ラス。てな訳だから、悪いけど今日は、孤児院に… 「待って下さい!!」」

 戻るようにと言う前に、ラスから待ったがかかる。

「私も、その捜索に加えてくれませんか?」

「…何があるのか分からないのよ」

「そうかもしれませんが、少しでも役に立ちたいんです!!」

 ラスは、まっすぐ力強い目で私をみてくる。
 シェーンとマオを見てみると、2人ともこくりと頷く。

「分かったわ。それじゃあ、ラスは、マオと一緒に捜索をお願い」

「は… はい!!」

「マオ、ラスをお願いね」

「任せるのじゃ。ラス、よろしくじゃ」

「はい。よろしくお願いします!!」

「じゃあ、私とシェーンは、一緒に城へ報告してから捜索に参加するわね」

「分かったのじゃ。じゃあ、儂とラスは先に行かせて貰うのじゃ」

「分かったわ。見つけたら、遠話で知らせて頂戴」

「了解じゃ。じゃあ、ラスついてくるのじゃ」

「は… はい!!」

 マオは、ラスを連れてその場を後にした。
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