スキルが覚醒してパーティーに貢献していたつもりだったが、追放されてしまいました ~今度から新たに出来た仲間と頑張ります~

黒色の猫

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110話・効かない

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 まだ、手の痺れが完全に治りきってはいないが、悪魔が向かってくる。
 向かってくる速度も力同様上がっているようで、かなり速く、もう少しで目前という所まで迫って来ていた。
 俺はすぐに刀を1本アイテムボックスにいれてから、もう1本を両手でしっかりと握りしめる。

「フン!!」

 悪魔の右ストレートに合わせ、正面からではなく下から払い上げるように刀を振るう。
 今度は力負けすること無く、悪魔の右腕を弾いた。
 弾いた事によって隙が出来たので、振り上げた刀をそのまま振り下ろそうとする。

「ナメルナ (舐めるな)!!」

 悪魔はそれに対抗するように左手の爪を伸ばし腕を振るってきたので、振り下ろしを途中で止め後ろへと下がる。

「!?」
 
 目の前で爪が通りすぎると同時に瞬動術を使用し、その加速の威力をのせバットを振るように刀を振るう。
 刀は障壁によって阻まれたが、障壁ごと悪魔をぶっ飛ばす。
 そして、再度瞬動術を使い地面を転がる悪魔を追い、刀を振り下ろす。

 パリーン

 障壁の破壊に成功する。
 だけど、刀が悪魔に振れる前に

「クソガ!!」

 ドシンッ

 悪魔が拳を勢いよく地面に叩きつけ、その反動で陥没してしまう。
 陥没したせいで姿勢が崩れ、振り下ろした刀もずれてしまい、悪魔の皮膚だけを薄く斬るだけになってしまう。

「チッ…」

 すぐさま地面にめり込んだ刀を引き抜き悪魔に攻撃しようとするが、悪魔も体勢を立て直しその場から飛び退いてしまう。
 だけど魔法障壁の破壊には成功した為、飛び退いた悪魔にスキルを発動する。

「ウ… キサマ、イマワタシ二ナニヲシタ (貴様、今私に何をした)!!」

 だけど、少しふらつくだけで悪魔が眠る事はなかった。

「どうなってんだ?」

 もう一度スキルを発動するが、やはり少しふらつくだけで眠る事はなかった。

「やっぱり眠らないな」

 原因は分からないが、あの悪魔にはふらつく程度の効果しかないようだ。
 まぁそれならそれでやりようはある為魔法障壁を張り直される前に向かっていく。

「マタヤッテクレタナ!!」

 悪魔も苛立ちながら向かってくる。





 悪魔の危機を教え、鼻から流れる鼻血を拭う。
 怒りを押さえつけながら、状況を見守る。

「あまりいい状況とはいえなさそうですね」

 悪魔とあの男は互角にやりあっているように見える。

「はぁ… 仕方ないですね。アイテムは諦めますか」

 殺す前にあの男が奪ったアイテムの回収をしておきたかったが、このさえそれを諦め完全に殺す方針へ切り替える。
 あるアイテムを取り出し、いつでも発動できるようにしておく。
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