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159話・ドリさんの話

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 2人より、改めて自己紹介をされ、僕たちもそれに習い、立ち上がり名乗った。

「それでは、ちゃんとした自己紹介も終わりましたし、私たちについてお話しますから、座りましょうか?」

「はい。」

 僕たちは、座り直し、ドリさんの話を聞く。

「ノーリさんたちは、私たち、ドライアドがどうやって生まれるか知ってますか?」

 僕たちは、揃って首を横に振る。
 すると、ドリさんが、ドライアドの生まれ方を教えてくれる。
 何でも、ドライアドから生まれたり、木から生まれたりと生まれ方が何種類もあるそうだ。

「その中でも、私は、木から生まれたドライアドになります。」

「木からですか?」

「はい、そうです。ここで話は、変わりますが、神木を守る人がいるなんて話を聞いた事ありませんか?」

「ありますね。」

「その場合、神木から生まれたドライアドが、やっている事があります。」

「そうなんですか!!」

「まぁ、指示を出す役で、人前に出る事は殆ど無いと思いますけどね。」

「それじゃあ、ドリさんも神木を守ってるんですか?」

「私は、普通の木から生まれたんで、そういう事はしてないですね。」

「それじゃあ、ドリさんはこの森で生まれたんですか?」

 ドリさんは、首を横に振る。

「私が、生まれた木がある森は、人族に荒らされ住めなくなったので、ここの森に引っ越してきました。」

「そうだったんですか… すみません…」

「ノーリさんが行った訳ではないので、気にしないで下さい。」

「はい…」

「では、話を続けますが、私がこの森に来てから、アードと出会いました。」

「え… そうなんですか?」

「はい、そうです。」

「そうなの、アードちゃん?」

「そうだよ… 私の名前も、お姉ちゃんにつけて貰ったんだ…」

「そうなんだ、良い名前だね、アードちゃん。」

「うん… ありがとう、ソフィアちゃん…」

「それから、私とアードの2人でこの森で暮らし出しました。それで、アードには、私の生まれた森の件もあり、森の外に出るのを禁止していた感じです。後は、先ほど、アードが話した通りですね。」

「そうだったんですね。」

 その後も、様々な話を聞いて、気づけば日も暮れかけていた。
 家に帰ろうかとも思ったが、ソフィアがもう少しアードちゃんと話したいと言いだした。ドリさんもぜひ泊まっていって下さいと言うので、ご厚意に甘え、今日はお世話になる事にした。
 夕食は、ソフィアとアードちゃんが作ってくれると言い出したけど、調理器具などは用意してなかったので、僕だけ家に帰り、器具を取り帰る羽目になった。
 器具をもって、転移結晶で戻り、2人の調理風景を遠目で見守りながら、夕食が出来上がるのをドリさんと待つ。
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