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第一章
第十一話
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***
詩涵は裙を持ち上げて走っていた。
玉砂利のせいで足が滑る。
そのたびに弦沙に助けてもらい、なんとか莉淙宮の前に着く。
驚いたような宦官に、中に入れるように言うと
「ダメです。娘娘には誰も入れるなと――」
「黙りなさい!叫び声が聞こえたのにあなたがここにいるということが、どういう意味を持つか分からないのですか!!」
「――し、しかし!娘娘の言いつけです!」
身を詰めてきた宦官の首元には、いつの間にか抜かれた金釵が当てられている。
「黙って入れなさい。死にたくなければ、大人しく言うことを聞くことね」
弦沙は信じられないものを目の当たりにしてしまった言わんばかりに目を瞠る。
喉で引き攣る音を出して固まってしまった宦官に、詩涵はにこりと笑いかけた。
「陛下に傷一つでもあってみなさい。お前のことも、ここの主も侍女も…『月下』のようにしてしまうわよ」
弦沙は、彼女をキラキラとした目で見つめるのをやめた。
『月下』とは浰青が書いた残忍な殺人犯の話だからだ。
なんだってこんなに格好付かないのか…。
「娘娘、そいつのことはもういいですから。中に入りましょう」
「月下よ、月下!」
「はいはい」
未だにその宦官に月下、月下言いまくる主の背を押して中に入る。
それから何点か後、松明やら燭台を持った衛士と羲和が駆けてきた。
尻もちをついて怯えていた宦官は、助けを求めるように這った。
***
外が騒がしい。
彪霞は目を開けて、隣を見た。
「目は覚めたか、彪霞。いやクソ女」
そこには侮蔑しかない目を持った、彼がいた。
「な、なんで…」
「あと数刻は眠っているはずなのに…!って?はは、阿呆か?」
彼は寝台から下りて、あははと笑い始めた。
「そんなにお粗末だとは思わなかったな。俺に毒の類いは効かない。眠り薬だと言われたか?あれは毒だよ、俺がそうするように仕向けた」
「――なっ!」
「しかし、蘇家がこんなに簡単に引っ掛かるとはなぁ…歴史も浅い上に、知識も、思慮も、忠義も、そして愛情も、なーんにも無いな」
心底残念そうに、そういう顔を作って可哀想だと言う。
「吏部侍郎になれたことで、少し隙が出来たと思ったらコレか。だから、劰家にも肩を並べられないんだ」
彪霞は怒りを通り越して、もう何も言えなかった。
悔しいという感情すら湧いてこない。
ただ目の前にいる、自分よりも遥かに狂った男に恐怖を感じる。
「藍洙に嫌がらせをしてるのを、俺が気付いていないとでも思ったか?皇后に近づけないから、藍洙を蹴落とせば自分がなれると?そんな浅慮なお前に教えてやろう、皇后は高潔で深慮。それに愛情深い。分かるか、お前じゃない」
頬に彼の手が添えられる。
爽やかな香の匂い、彼の顔にある紅の数々。
「…用意は周到に、使えるものは何でも使う。それが俺だ、そうやってここまで来た。お前とは場数も経験も、立ち回りも雲泥の差だ。この手で何人を葬ってきたと思ってる?お前のような妃がいるから、人間はいつも汚いと詠われるんだ。俺のように、上手く隠せなきゃな」
はくはくと口を動かして、やっと息が出来るのに
彼はずっと冷えた目を動かさない。
入内した時から、真っすぐに見つめてくれる目が好きだった。
私の何もかもを見透かしてくれて、寂しさに寄り添ってくれたから。
だけど、今はどうだろう。
見透かされ過ぎて、手の内まで明らかになった。
それを取られて、私が消される。
「――陛下ー!!どこですか!!」
突如聞こえてきた女の声に、頭がゆっくりと解れる。
彼が私から目を離す、それは喜色に溢れた目をしていた。
―――この目を向けて欲しかっただけなのに。
私なんか眼中にもないと言ったように、閨から出ていく。
目から零れる涙には、たくさんの色があった。
後悔、不安、嫉妬、愛情、そして安心。
怖かった。
射抜くような、冷たい目。
心がない言葉。
ぜんぶ、ぜんぶ、私に返ってきた。
「陛下!って、うわぁ…お楽しみで?」
「おい、馬鹿なこと言うな」
「いやいや、寝言は寝てからどうぞ」
室の外から聞こえる二人の声に、ちりつく胸を押さえて。
「仙詩涵!」
―――私は生き急ぐことにした。
「…あら、お邪魔してますわ。蘇彪霞様。そろそろお迎えに上がらねばと思っていたものですから」
「アンタ、なに笑ってんのよ。勝手に人の宮に上がり込んで、好き勝手してるんじゃないわよ!!」
「好き勝手?失礼ながら、彪霞様。貴女はこの人を、何だとお思いですか?貴女の夫?それとも陛下?」
「私の夫よ!!」
「奇遇ですね。私もこの人を夫にしてますけれど、この人を手に入れたいなんて考えたことも無いですわ」
「普通に傷付くんだが?」
「何が言いたいのよ!!はっきりしなさいよ!」
詩涵はにこやかに笑うと、
「貴女は人がその手中に収まるとお思いですか?だとしたら、貴女はいつまでも大切な物に気付けないでしょうね。ずっと、ずーっと、満たされないまま、寂しいままですよ」
すっと表情を消した。
「人を失えば、いつか気付きます。自分が、責任を持てる他人の命は一つもありません。ただ守られていたいなら、貴女は後宮にふさわしくない。人を蹴落としてもなお、平然としていられることが冷徹ならば、私はきっと優しいでしょうね。だけど、蹴落とすこと自体に躊躇いなんかありません。罪悪感すら捨てた貴女には、理解できないでしょうけれど―――私、人間らしく生きるのに忙しいんです」
月光と燭光に照らされた、絹のように細い髪が艶々と輝く。
紅の引かれた唇が怪しく弧を描き、そしてはっきりと線を引いた。
お前は人間じゃない。そう暗に告げて、彼女は俺の腕を取り踵を返した。
「…仙詩涵、一つだけ聞くわ」
ぴたと足を止めて振り返る。
「貴女の宮に送った間者はどうしたの」
「あぁ…あの人ですか?室に入ってきて読書の時間を潰したので、罰を与えておきました。お茶汲みに、掃除、ついでに護衛、ですかね?」
そう言って目を向けた先に、弦沙と共にいる男が見えた。
彼女に向かって頭を下げ、泣き笑いを浮かべる。
「まさか、この宮城内に本物の眠り薬の入手経路があったなんて!なんて!浪漫なのかしら…!浰青さんの参考になったりしないかなぁ…」
彼女はすっかり自分の世界に入り込んでしまい、うっとりしている。
実際は眠り薬ではなく、毒なんだが。
彪霞は呆気にとられた顔をして、静かに室に戻っていった。
「あなたは、本当に戦意を削ぐのが得意だな」
「そうでしょうとも。奇怪で、型破りですから。まともに相手できる人間がいたら、それはきっと分身くらいでしょうね」
「二人もいられちゃ困るな。喧しそうだ」
「相手にしなければいいのでは?私は私を理解してくれる方とお話しますので」
莉淙宮の廊下を歩き、庭に出ると羲和様が駆け寄ってきた。
主人の心配をして偉いなぁ…それに比べて弦沙は…
「詩涵様、お怪我などはありませんか?」
「……んえ?え、ええ大丈夫です」
羲和様が隣の人ではなく、こっちに来た。
「一応衛士を配置しておりましたけど、嵐雲様が大丈夫だと仰ったので…突入は控えました」
「あ、…そうなんですか…」
「ご無事で何よりです。貴女に何かあっては、大家に申し訳ない」
「その大家を心配する前に、人の妃を心配しておいて何を言ってるんだ」
「いえ、大家はその…お楽しみの痕が残ってらっしゃったので…無事なのかと」
「…馬鹿を言うな!なにもお楽しみじゃない!お悲しみしかないだろう!」
「陛下、言葉が変ですよ」
月が雲に隠れる。
衛士たちの持つ松明や燭台が、一層明るさを増した。
このまま陛下を連れて寝殿に帰るのかと思ったら、何の気の迷いか
「詩涵様、お頼み申しますね」
と陛下を預けられ、彼は今回の後処理に駆けて行った。
「さ、帰って眠ろうか。それで今日は何を聞かせてくれるんだ?」
「…『月下』にすることにします。それはもう、素敵なお話なので…」
「それは楽しみだな」
手巾を出し、彼の顔を拭く。
「大家」
「なんだ、弦沙」
「『月下』は、浰青さんの――」
「弦沙、これは相応の報いよ。口出しは許さないからね」
はてなを浮かべた彼の顔を拭きながら、にっこりと笑いかける。
白い手巾が紅を拭って、赤くなる。
―――きっとこれは、始まりへの些細なきっかけでしかなかったのだと思う。
****
これで第一章が終わりです。
第二章からは、登場人物が増えて事件も起きる予定なので
面白く書き続けられるように、頑張ります!!
詩涵は裙を持ち上げて走っていた。
玉砂利のせいで足が滑る。
そのたびに弦沙に助けてもらい、なんとか莉淙宮の前に着く。
驚いたような宦官に、中に入れるように言うと
「ダメです。娘娘には誰も入れるなと――」
「黙りなさい!叫び声が聞こえたのにあなたがここにいるということが、どういう意味を持つか分からないのですか!!」
「――し、しかし!娘娘の言いつけです!」
身を詰めてきた宦官の首元には、いつの間にか抜かれた金釵が当てられている。
「黙って入れなさい。死にたくなければ、大人しく言うことを聞くことね」
弦沙は信じられないものを目の当たりにしてしまった言わんばかりに目を瞠る。
喉で引き攣る音を出して固まってしまった宦官に、詩涵はにこりと笑いかけた。
「陛下に傷一つでもあってみなさい。お前のことも、ここの主も侍女も…『月下』のようにしてしまうわよ」
弦沙は、彼女をキラキラとした目で見つめるのをやめた。
『月下』とは浰青が書いた残忍な殺人犯の話だからだ。
なんだってこんなに格好付かないのか…。
「娘娘、そいつのことはもういいですから。中に入りましょう」
「月下よ、月下!」
「はいはい」
未だにその宦官に月下、月下言いまくる主の背を押して中に入る。
それから何点か後、松明やら燭台を持った衛士と羲和が駆けてきた。
尻もちをついて怯えていた宦官は、助けを求めるように這った。
***
外が騒がしい。
彪霞は目を開けて、隣を見た。
「目は覚めたか、彪霞。いやクソ女」
そこには侮蔑しかない目を持った、彼がいた。
「な、なんで…」
「あと数刻は眠っているはずなのに…!って?はは、阿呆か?」
彼は寝台から下りて、あははと笑い始めた。
「そんなにお粗末だとは思わなかったな。俺に毒の類いは効かない。眠り薬だと言われたか?あれは毒だよ、俺がそうするように仕向けた」
「――なっ!」
「しかし、蘇家がこんなに簡単に引っ掛かるとはなぁ…歴史も浅い上に、知識も、思慮も、忠義も、そして愛情も、なーんにも無いな」
心底残念そうに、そういう顔を作って可哀想だと言う。
「吏部侍郎になれたことで、少し隙が出来たと思ったらコレか。だから、劰家にも肩を並べられないんだ」
彪霞は怒りを通り越して、もう何も言えなかった。
悔しいという感情すら湧いてこない。
ただ目の前にいる、自分よりも遥かに狂った男に恐怖を感じる。
「藍洙に嫌がらせをしてるのを、俺が気付いていないとでも思ったか?皇后に近づけないから、藍洙を蹴落とせば自分がなれると?そんな浅慮なお前に教えてやろう、皇后は高潔で深慮。それに愛情深い。分かるか、お前じゃない」
頬に彼の手が添えられる。
爽やかな香の匂い、彼の顔にある紅の数々。
「…用意は周到に、使えるものは何でも使う。それが俺だ、そうやってここまで来た。お前とは場数も経験も、立ち回りも雲泥の差だ。この手で何人を葬ってきたと思ってる?お前のような妃がいるから、人間はいつも汚いと詠われるんだ。俺のように、上手く隠せなきゃな」
はくはくと口を動かして、やっと息が出来るのに
彼はずっと冷えた目を動かさない。
入内した時から、真っすぐに見つめてくれる目が好きだった。
私の何もかもを見透かしてくれて、寂しさに寄り添ってくれたから。
だけど、今はどうだろう。
見透かされ過ぎて、手の内まで明らかになった。
それを取られて、私が消される。
「――陛下ー!!どこですか!!」
突如聞こえてきた女の声に、頭がゆっくりと解れる。
彼が私から目を離す、それは喜色に溢れた目をしていた。
―――この目を向けて欲しかっただけなのに。
私なんか眼中にもないと言ったように、閨から出ていく。
目から零れる涙には、たくさんの色があった。
後悔、不安、嫉妬、愛情、そして安心。
怖かった。
射抜くような、冷たい目。
心がない言葉。
ぜんぶ、ぜんぶ、私に返ってきた。
「陛下!って、うわぁ…お楽しみで?」
「おい、馬鹿なこと言うな」
「いやいや、寝言は寝てからどうぞ」
室の外から聞こえる二人の声に、ちりつく胸を押さえて。
「仙詩涵!」
―――私は生き急ぐことにした。
「…あら、お邪魔してますわ。蘇彪霞様。そろそろお迎えに上がらねばと思っていたものですから」
「アンタ、なに笑ってんのよ。勝手に人の宮に上がり込んで、好き勝手してるんじゃないわよ!!」
「好き勝手?失礼ながら、彪霞様。貴女はこの人を、何だとお思いですか?貴女の夫?それとも陛下?」
「私の夫よ!!」
「奇遇ですね。私もこの人を夫にしてますけれど、この人を手に入れたいなんて考えたことも無いですわ」
「普通に傷付くんだが?」
「何が言いたいのよ!!はっきりしなさいよ!」
詩涵はにこやかに笑うと、
「貴女は人がその手中に収まるとお思いですか?だとしたら、貴女はいつまでも大切な物に気付けないでしょうね。ずっと、ずーっと、満たされないまま、寂しいままですよ」
すっと表情を消した。
「人を失えば、いつか気付きます。自分が、責任を持てる他人の命は一つもありません。ただ守られていたいなら、貴女は後宮にふさわしくない。人を蹴落としてもなお、平然としていられることが冷徹ならば、私はきっと優しいでしょうね。だけど、蹴落とすこと自体に躊躇いなんかありません。罪悪感すら捨てた貴女には、理解できないでしょうけれど―――私、人間らしく生きるのに忙しいんです」
月光と燭光に照らされた、絹のように細い髪が艶々と輝く。
紅の引かれた唇が怪しく弧を描き、そしてはっきりと線を引いた。
お前は人間じゃない。そう暗に告げて、彼女は俺の腕を取り踵を返した。
「…仙詩涵、一つだけ聞くわ」
ぴたと足を止めて振り返る。
「貴女の宮に送った間者はどうしたの」
「あぁ…あの人ですか?室に入ってきて読書の時間を潰したので、罰を与えておきました。お茶汲みに、掃除、ついでに護衛、ですかね?」
そう言って目を向けた先に、弦沙と共にいる男が見えた。
彼女に向かって頭を下げ、泣き笑いを浮かべる。
「まさか、この宮城内に本物の眠り薬の入手経路があったなんて!なんて!浪漫なのかしら…!浰青さんの参考になったりしないかなぁ…」
彼女はすっかり自分の世界に入り込んでしまい、うっとりしている。
実際は眠り薬ではなく、毒なんだが。
彪霞は呆気にとられた顔をして、静かに室に戻っていった。
「あなたは、本当に戦意を削ぐのが得意だな」
「そうでしょうとも。奇怪で、型破りですから。まともに相手できる人間がいたら、それはきっと分身くらいでしょうね」
「二人もいられちゃ困るな。喧しそうだ」
「相手にしなければいいのでは?私は私を理解してくれる方とお話しますので」
莉淙宮の廊下を歩き、庭に出ると羲和様が駆け寄ってきた。
主人の心配をして偉いなぁ…それに比べて弦沙は…
「詩涵様、お怪我などはありませんか?」
「……んえ?え、ええ大丈夫です」
羲和様が隣の人ではなく、こっちに来た。
「一応衛士を配置しておりましたけど、嵐雲様が大丈夫だと仰ったので…突入は控えました」
「あ、…そうなんですか…」
「ご無事で何よりです。貴女に何かあっては、大家に申し訳ない」
「その大家を心配する前に、人の妃を心配しておいて何を言ってるんだ」
「いえ、大家はその…お楽しみの痕が残ってらっしゃったので…無事なのかと」
「…馬鹿を言うな!なにもお楽しみじゃない!お悲しみしかないだろう!」
「陛下、言葉が変ですよ」
月が雲に隠れる。
衛士たちの持つ松明や燭台が、一層明るさを増した。
このまま陛下を連れて寝殿に帰るのかと思ったら、何の気の迷いか
「詩涵様、お頼み申しますね」
と陛下を預けられ、彼は今回の後処理に駆けて行った。
「さ、帰って眠ろうか。それで今日は何を聞かせてくれるんだ?」
「…『月下』にすることにします。それはもう、素敵なお話なので…」
「それは楽しみだな」
手巾を出し、彼の顔を拭く。
「大家」
「なんだ、弦沙」
「『月下』は、浰青さんの――」
「弦沙、これは相応の報いよ。口出しは許さないからね」
はてなを浮かべた彼の顔を拭きながら、にっこりと笑いかける。
白い手巾が紅を拭って、赤くなる。
―――きっとこれは、始まりへの些細なきっかけでしかなかったのだと思う。
****
これで第一章が終わりです。
第二章からは、登場人物が増えて事件も起きる予定なので
面白く書き続けられるように、頑張ります!!
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