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第二章
第十六話
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◇◇◇
不穏な影が、梓涼宮の裏に近づく。
梓涼宮の侍女のものではない衫裙を身に着けた女が、厨を覗いていた。
そこには、詩涵のために作られている蓬の餅があった。
蓬をすり潰している最中にどこかに行っているのか、周りには誰もいない。
女は懐から手巾を取り出して、それを開いた。
毒々しい蜘蛛だった。
すり鉢の中に落とし、蓬で覆うように隠して擂る。
蜘蛛の弾ける音がして、女は満足げに笑って厨を出た。
そのすぐ後、内膳司の侍女たちが戻ってきて、餅に蓬を混ぜ始めた。
丸めてから湯にくぐらせ、砂糖をまぶす。
侍女は誰も気が付かないままで。
それは詩涵の室へと続く廊下で足を止めた。
***
時は遡って。
詩涵の室には、璉琳と絨娘がいた。
年が近い二人だが、性格のそりが合わないらしい。
色恋に関心も興味もない璉琳と、私と彼のやり取りに胸が高鳴る絨娘。
「うるさい。絨娘」
「なによ。そっちこそ邪魔しないでよね」
「まぁまぁ…二人とも」
「俺は娘娘の傍にいられるから、絨娘といることに甘んじているんだ」
「私だって娘娘のお話が聞きたいからアンタといることに妥協してるのよ」
「二人とも、手を動かしなさい。璉琳は筆!絨娘は針!」
「「はいっ!」」
璉琳には字を、絨娘には刺繍を教えている。
使わない紙にすらすらと書かれる文章は、もちろん浰青さんの小説だ。
漢詩よりもとっつきやすいかと思って、選んだのだけれど…
いや、字が下手ねぇ…
「璉琳。私が読み聞かせていた音を思い出しながら、ゆっくり書いてみて」
「はい、娘娘」
「うん、そうそう。上手ねぇ」
「へへ」
かわ、いい…。
可愛さに軽く衝撃を受ける。
「娘娘、あの…これちゃんと花になりますか?」
「もちろんよ。ここを綺麗に整えて縫うようにすれば、花弁に見えてくるわ」
「…ふんふん」
「手巾に刺繍があると、悲しくて涙を拭くときに目に入って来るでしょう?それで少し元気になるの」
「娘娘の手巾には、刺繍が入ってるんですか?」
「ええ。ちょっとだけね」
ほら、と見せると感嘆の声をあげられる。
そんなにかしら。
「これ、すごいですね!綺麗です!菊ですか?」
「そう。浰青さんの本で綺麗な描写があったから、つい」
「娘娘って…才能の塊ですねぇ」
「ふふ、そうかしら?出来ない事なんてたくさんあるわよ」
「あーそういえばそうでしたね。洗濯が上手じゃないですもん」
「…感謝しているわ。いつもありがとうね」
「そうやって感謝をしてくださるのは娘娘くらいですよ。他の子に聞くと、やってもらって当たり前で、感謝なんてする意味が分からないって感じなんだそうです」
「あらぁ…そうした方がここに馴染めるかしら?」
「娘娘って、たまーに煽りをいれますよね。弦沙さんが好きな前向きな煽り」
「ほら、私って性根が悪いから?」
「なんでしょう。本当に煽り力高いですね」
ちくちく、と針が進む。
花弁が一つ出来て、やっと全体像が見えたのか作業に入り込む。
璉琳の方に目を向けると、うーんと唸った後に筆が急に進んで止まる。
読み聞かせていた内容を必死に思い出しているようだ。
すらすら筆が動き、止まって、また動く。
かわ、かわいい…。
頬杖をついてじっとその様子を見つめる。
すると、突然険しい顔になって
目を閉じて音を探っているような素振りを見せる。
「娘娘…なんか…足音しません?」
「え?凌梁たちじゃないの?」
「いえ、重さが違います。厨…?裏口?なんか、すり足で…引きずっているような」
「え、耳良すぎじゃない?そんな音聞こえる?」
「絨娘も聞こえていないみたいよ」
「…俺、探ってきます。厨にいた人たちって、水ともち米を取りに行ってますもんね」
「気を付けてね。怪我しないようにね」
「ええ。娘娘のお心に負担がかかるようなことは致しません」
そう笑って言って、室から出て行った。
おいおい、可愛さどこ行った。
不覚にも胸が蕩けそうになったわ…。
「娘娘って、人たらしなんですかね?あいつがあんなに懐柔されるなんて」
「人聞きが悪いわね。心を開いて、心から接してるのよ」
「盛ってません?」
「…盛ってないわ、たぶん」
「…娘娘って、素直ですよね。顔にも言葉にも感情が出て、可愛いです」
「絨娘こそ、健気で明るくて、少し腹黒いのが可愛いじゃない」
「腹黒くないです!人は二面性を持っていてですね!」
「ふふ。私知ってるのよ、水をかけられた後に室で必ず相手の名前を書きだしてるって」
「…え、知ってるんですか?なんでですか!?」
「おかげでね、仕返しをするべき人間が分かったからお礼を言いたくて」
「え、え、仕返しですか?」
「そう。清く正しく、真っ当にね」
「……すごく黒いものを感じます」
「失礼しちゃうわ!血も流さないし、正当な防衛よ!」
「いやさっき仕返しって言いましたよね」
いや、言ってません。の顔を作って、しらじらしく
「さ、針を動かして。もうすぐ完成が見えてくるわよ」
と手を叩く。
ふふ、と笑って絨娘は刺繍を続ける。
しばらくした頃。
す、と戸を開けて入ってきたのは璉琳と、蓬餅を持った内膳司の侍女。
「あら、遅かったわね。璉琳」
「…娘娘。お耳に入れたくないけど、入れなければならないお話があります」
「どんなお話かしら?」
「この蓬餅に、毒蜘蛛を入れた女がいました」
蓬餅を持っていた侍女の目が見開かれる。
そして必死に私じゃありませんと首を振る。
「この者ではありませんし、ここの宮の侍女でもありません。下賜品を身に着けているのでしょうか、侍女の衫裙よりも刺繍が凝っていました。あと、折檻をされたことがあるのか、左足を負傷して引きずっていました」
「……え、っと…見ただけなのよね?声をかけたとかではなくて」
「隠れて見てただけです。懐から出した手巾は薄く汚れていて、手に皸がひどいので水での作業を任されている者かと」
「…すごいのね…璉琳。見直したわ…可愛いだけじゃない、優秀な護衛だわ」
「…ありがとうございます、へへ」
キリリとした表情から、照れて笑う可愛い璉琳に戻る。
とりあえず、蓬餅を割って調べてみる。
「こんなに美味しそうなのに…もったいないわ…食べたい」
「ダメです。ほら、こんな太い足が入ってるんですよ」
「うげぇ…なんでそんなものを見せてくるのよ!娘娘だって気持ち悪いって!」
「娘娘は虫が平気なんだよ」
「そうね。ただ、好物にこんなのが入ってると…むかむかするわねぇ」
「申し訳ありません!厨に人を残さずに出てしまって…!」
「いいのよ。帆。私が朝持ってきたから、足りなかったのだもの」
水をかけられることを目的にしていたせいで、今日の分の水が足りなくなってしまった。
まさか、隙をつかれるとはね。
それにしても、勇気あるわよね。
他人の宮に入り込むなんて。
バレたらどうするつもりだったのかしら。
「毒蜘蛛ね。これもやり返すべきかしら?」
「…楽しそうですね…娘娘」
「ふふ。あぁ、そうだわ。海沄様にも一役買って頂かなくてはね」
にっこりと、弧を描いていく。
瞳には海沄と同じ色が宿っていた。
璉琳は嬉しそうに手伝わせてくださいと言い、対照に絨娘は眉を寄せて心配そうな顔をしていた。
不穏な影が、梓涼宮の裏に近づく。
梓涼宮の侍女のものではない衫裙を身に着けた女が、厨を覗いていた。
そこには、詩涵のために作られている蓬の餅があった。
蓬をすり潰している最中にどこかに行っているのか、周りには誰もいない。
女は懐から手巾を取り出して、それを開いた。
毒々しい蜘蛛だった。
すり鉢の中に落とし、蓬で覆うように隠して擂る。
蜘蛛の弾ける音がして、女は満足げに笑って厨を出た。
そのすぐ後、内膳司の侍女たちが戻ってきて、餅に蓬を混ぜ始めた。
丸めてから湯にくぐらせ、砂糖をまぶす。
侍女は誰も気が付かないままで。
それは詩涵の室へと続く廊下で足を止めた。
***
時は遡って。
詩涵の室には、璉琳と絨娘がいた。
年が近い二人だが、性格のそりが合わないらしい。
色恋に関心も興味もない璉琳と、私と彼のやり取りに胸が高鳴る絨娘。
「うるさい。絨娘」
「なによ。そっちこそ邪魔しないでよね」
「まぁまぁ…二人とも」
「俺は娘娘の傍にいられるから、絨娘といることに甘んじているんだ」
「私だって娘娘のお話が聞きたいからアンタといることに妥協してるのよ」
「二人とも、手を動かしなさい。璉琳は筆!絨娘は針!」
「「はいっ!」」
璉琳には字を、絨娘には刺繍を教えている。
使わない紙にすらすらと書かれる文章は、もちろん浰青さんの小説だ。
漢詩よりもとっつきやすいかと思って、選んだのだけれど…
いや、字が下手ねぇ…
「璉琳。私が読み聞かせていた音を思い出しながら、ゆっくり書いてみて」
「はい、娘娘」
「うん、そうそう。上手ねぇ」
「へへ」
かわ、いい…。
可愛さに軽く衝撃を受ける。
「娘娘、あの…これちゃんと花になりますか?」
「もちろんよ。ここを綺麗に整えて縫うようにすれば、花弁に見えてくるわ」
「…ふんふん」
「手巾に刺繍があると、悲しくて涙を拭くときに目に入って来るでしょう?それで少し元気になるの」
「娘娘の手巾には、刺繍が入ってるんですか?」
「ええ。ちょっとだけね」
ほら、と見せると感嘆の声をあげられる。
そんなにかしら。
「これ、すごいですね!綺麗です!菊ですか?」
「そう。浰青さんの本で綺麗な描写があったから、つい」
「娘娘って…才能の塊ですねぇ」
「ふふ、そうかしら?出来ない事なんてたくさんあるわよ」
「あーそういえばそうでしたね。洗濯が上手じゃないですもん」
「…感謝しているわ。いつもありがとうね」
「そうやって感謝をしてくださるのは娘娘くらいですよ。他の子に聞くと、やってもらって当たり前で、感謝なんてする意味が分からないって感じなんだそうです」
「あらぁ…そうした方がここに馴染めるかしら?」
「娘娘って、たまーに煽りをいれますよね。弦沙さんが好きな前向きな煽り」
「ほら、私って性根が悪いから?」
「なんでしょう。本当に煽り力高いですね」
ちくちく、と針が進む。
花弁が一つ出来て、やっと全体像が見えたのか作業に入り込む。
璉琳の方に目を向けると、うーんと唸った後に筆が急に進んで止まる。
読み聞かせていた内容を必死に思い出しているようだ。
すらすら筆が動き、止まって、また動く。
かわ、かわいい…。
頬杖をついてじっとその様子を見つめる。
すると、突然険しい顔になって
目を閉じて音を探っているような素振りを見せる。
「娘娘…なんか…足音しません?」
「え?凌梁たちじゃないの?」
「いえ、重さが違います。厨…?裏口?なんか、すり足で…引きずっているような」
「え、耳良すぎじゃない?そんな音聞こえる?」
「絨娘も聞こえていないみたいよ」
「…俺、探ってきます。厨にいた人たちって、水ともち米を取りに行ってますもんね」
「気を付けてね。怪我しないようにね」
「ええ。娘娘のお心に負担がかかるようなことは致しません」
そう笑って言って、室から出て行った。
おいおい、可愛さどこ行った。
不覚にも胸が蕩けそうになったわ…。
「娘娘って、人たらしなんですかね?あいつがあんなに懐柔されるなんて」
「人聞きが悪いわね。心を開いて、心から接してるのよ」
「盛ってません?」
「…盛ってないわ、たぶん」
「…娘娘って、素直ですよね。顔にも言葉にも感情が出て、可愛いです」
「絨娘こそ、健気で明るくて、少し腹黒いのが可愛いじゃない」
「腹黒くないです!人は二面性を持っていてですね!」
「ふふ。私知ってるのよ、水をかけられた後に室で必ず相手の名前を書きだしてるって」
「…え、知ってるんですか?なんでですか!?」
「おかげでね、仕返しをするべき人間が分かったからお礼を言いたくて」
「え、え、仕返しですか?」
「そう。清く正しく、真っ当にね」
「……すごく黒いものを感じます」
「失礼しちゃうわ!血も流さないし、正当な防衛よ!」
「いやさっき仕返しって言いましたよね」
いや、言ってません。の顔を作って、しらじらしく
「さ、針を動かして。もうすぐ完成が見えてくるわよ」
と手を叩く。
ふふ、と笑って絨娘は刺繍を続ける。
しばらくした頃。
す、と戸を開けて入ってきたのは璉琳と、蓬餅を持った内膳司の侍女。
「あら、遅かったわね。璉琳」
「…娘娘。お耳に入れたくないけど、入れなければならないお話があります」
「どんなお話かしら?」
「この蓬餅に、毒蜘蛛を入れた女がいました」
蓬餅を持っていた侍女の目が見開かれる。
そして必死に私じゃありませんと首を振る。
「この者ではありませんし、ここの宮の侍女でもありません。下賜品を身に着けているのでしょうか、侍女の衫裙よりも刺繍が凝っていました。あと、折檻をされたことがあるのか、左足を負傷して引きずっていました」
「……え、っと…見ただけなのよね?声をかけたとかではなくて」
「隠れて見てただけです。懐から出した手巾は薄く汚れていて、手に皸がひどいので水での作業を任されている者かと」
「…すごいのね…璉琳。見直したわ…可愛いだけじゃない、優秀な護衛だわ」
「…ありがとうございます、へへ」
キリリとした表情から、照れて笑う可愛い璉琳に戻る。
とりあえず、蓬餅を割って調べてみる。
「こんなに美味しそうなのに…もったいないわ…食べたい」
「ダメです。ほら、こんな太い足が入ってるんですよ」
「うげぇ…なんでそんなものを見せてくるのよ!娘娘だって気持ち悪いって!」
「娘娘は虫が平気なんだよ」
「そうね。ただ、好物にこんなのが入ってると…むかむかするわねぇ」
「申し訳ありません!厨に人を残さずに出てしまって…!」
「いいのよ。帆。私が朝持ってきたから、足りなかったのだもの」
水をかけられることを目的にしていたせいで、今日の分の水が足りなくなってしまった。
まさか、隙をつかれるとはね。
それにしても、勇気あるわよね。
他人の宮に入り込むなんて。
バレたらどうするつもりだったのかしら。
「毒蜘蛛ね。これもやり返すべきかしら?」
「…楽しそうですね…娘娘」
「ふふ。あぁ、そうだわ。海沄様にも一役買って頂かなくてはね」
にっこりと、弧を描いていく。
瞳には海沄と同じ色が宿っていた。
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