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【第2部】28.温泉
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しおりを挟む「じゃあ、俺が寝転がるから」
トモは仰向けに寝転ぶと、頭に枕を敷き、聡子には反対に跨がらせた。
「俺がおまえのを舐めるから、おまえは俺のを舐めるんだ」
「は、はい」
聡子は腰を浮かせたまま、トモのものを咥えた。
「……っ」
彼女の口が動いたのを確認し、トモは舌を動かす。
「あっ……あ……」
「ほら、口が止まってるぞ」
舌と指で彼女のものを刺激するたびに、自分のものを握る手と舌が止まる。手は彼女の胸を鷲掴みし、時には尖端をつまみ上げる。
「どうした? 俺のも可愛がってくれよ」
「ん……」
「ほら、早く」
じゅぷじゅぷと彼女は猛るそれを口に含んでいる。
「いいな……もっと、下から上に、そうそう……それいいよ」
しばらくお互いのものを刺激し合い、トモは彼女の手を引いた。
こんな恰好が恥ずかしい、と彼女が言うのが聞こえたがトモは無視をして彼女を可愛がった。こんな恰好をさせたのは初めてだから戸惑うのも仕方が無い。気が大きくなっている彼女なら拒絶しないだろうという魂胆があったが、受け入れてくれたようで嬉しくなった。
「次は」
「……もう、そろそろ……」
「ん?」
彼女がトモを上目遣いに見やる。
聡子の手を掴んだまま動かないでいると、物欲しそうな顔になっていた。
「そろそろ?」
にやりと笑う。
「欲しい、です……」
「欲しいか?」
うん、と彼女は控え目に頷いた。
「何が欲しいんだ?」
トモが言うと、彼女はトモの猛るものに触れた。
「これ……欲しいです」
「ふうん」
「駄目、ですか?」
「駄目じゃないよ。けど、ちゃんとおねだりしてみろよ」
「ちゃんと?」
トモは意地悪く言った。
「何が欲しいんだ?」
「…………」
「言ってみろよ」
「智幸さんの──がほしい」
「これをどうしてほしいんだ? ちゃんと、これを何をしてどうしてほしいのか、ちゃんと言ってみろよ。俺は、おまえの口から聞きたいんだよ」
聡子は口を尖らせ、
「意地悪」
と言った。
「おう、俺は意地悪だよ。知らなかったか? おまえが可愛いから意地悪したくなるんだよ。ほら、言ってみろよ。ちゃんと言えたら御褒美、やるよ」
小さく口と尖らせる彼女が可愛らしくて、つい焦らすようなことを言ってしまう。しかし彼女は素直に受け入れた。
「智幸さんの──を、わたしの──に挿れて、激しく突いて、いっぱいいっぱい掻き混ぜて、めちゃくちゃにしてほしいです。一緒に気持ちよくなりたいです……駄目ですか……?」
子犬が鳴くように、見上げてきた彼女に、
「よく出来ました」
頭を撫でると、嬉しそうにふにゃりと笑った。
「じゃあ、お望み通り、おまえのナカに挿れてやる」
トモはコンドームを持ってくると、聡子に差し出した。彼女はいつも興味津々でゴムを見ていたことを思い出したのだ。
「ゴム付けるの、やってみるか?」
「いいんですか? やってみたいです」
「いいよ」
トモはコンドームの付け方を、聡子の手を取って教えた。
水商売の女のなかには手慣れている者もいて、言わなくても勝手に付けてくれることもあった。
「男の義務だから、俺がやるべきことだけどな」
聡子が真顔で装着するのがなんだか可笑しく、気恥ずかしくもあったが、嬉しさのほうが勝った。
装着し終えると、
「ちゃんと言えたし、付けてくれたから、たっぷり御褒美あげないとな」
ずぶりと挿入するや、トモはゆっくり腰を振る。が、すぐに激しくなった。
「おまえのナカ、まじでヤバいんだよな……。激しく突いてやるよ」
彼女の腰が浮くほど激しく腰を打ち、彼女にしがみついてまた腰を振る。
「奥っ、当たってるっ……」
壁に当たっているのか、尖端が行き止まっているのを感じた。そしてその尖端が当たるところがざらざらとしたような感触なのだ。聡子はどうやら他の女とは違うらしいというのは始めて抱いた時に感じだ。挿れるとすぐに果てそうになってしまう。
「締め付けすぎ……」
「……っ……」
「気持ちいいぞ……っ」
「……っ……っ……」
果てそうになるのをいつも堪えていた。
が、果てる時は仕方がないので、二回目を要求するのだ。
トモは、いつもの体位と、やってみたい体位を順番にしていく。聡子の喘ぐ声がまた興奮させる。
「乳揉ませろ」
「言わなくても……いいからっ……いつも勝手にするくせにっ……」
彼女が頷く前に両手で胸を掴む。柔らかな膨らみを蹂躙していく。
「吸うぞ」
「言わなくていいって言ってるのにっ……んんっ……」
腰を動かしながら、コリコリとした乳首を吸い上げる。
「エロい乳しやがって……」
言葉にすると彼女が悶えるということを知っていて、ついサディスティックに言ってしまう。
「あ……っ……」
「次はおまえが上になれ」
聡子は言うとおりにした。
「早く腰振ってくれ」
「うんっ……」
聡子は一心不乱に腰を動かした。
動く度に豊かな胸も揺れる。
(いい、眺めだ……)
聡子はのけぞり、胸を突き出した。
手を伸ばし、胸を掴む。
「……っ……っ……」
ぜいぜいと言う聡子の動きを止め、トモは上半身を起こした。
対面になり聡子の身体を抱き締め、キスをする。
「智幸さんは……気持ちいいですか?」
「ああ、気持ちいいよ。めちゃくちゃ気持ちいい。おまえは?」
「気持ち、いい……」
「よかった」
貪る口づけに、聡子も貪り返してくる。
このまま狂ったようにもっと抱き合いたい、そう思った。
聡子の首筋に唇を当て、吸い付く。
(俺のもんだっていう印をつけたい……)
彼女を押し倒し、今度はトモが上になって腰を振った。
(おまえを抱いていいのは俺だけだ……これからもずっと)
腰を打ち付けると、お互いの肌がぶつかる音が部屋に響いた。
「おまえは俺のもんだからな」
(イキそ……)
数の子天井だと思われる聡子のナカに、これまで何度も果てさせられてきた。彼女を抱いてからは虜だった──最初は好意がなく、柔らかくて形のいい胸とそれが気に入っていた。
(やば、無理……)
「うあっ……イク……っ」
突然最高潮はやってきて、トモは果てた。
ゴム越しではあるが、聡子のなかに放った。
(あ……聡子の好きなバックでしてない……)
聡子の身体に雪崩れ込む。
お互い息を切らせながら顔を寄せ合った。
言葉はなかったが、どちらもこれまでの行為に満足しているのがわかった。
火照った顔、滴り落ちる汗、荒い息。
ややあってごろんと聡子の隣に転がる。
手を伸ばして聡子の首筋を撫でると、嬉しそうに笑って、身体をすり寄せてきた。トモも聡子を抱き寄せる。
「悪い……後ろからしてねえ……聡子は、後ろから挿れられながら乳とここ、擦られるの好きだろ」
とトモは先程二人がつながった場所に触れる。
「ほんっと……おまえは攻められるの好きだよな……。なあ、もう一回するか?」
ううん、と聡子は首を振った。
「いっぱい抱き合えたから……すっごく幸せです」
「…………」
うん、と言ってくれると思ったトモは少しだけがっかりした。
「温泉に連れてきてもらえて、たくさん愛し合えて幸せですから」
大好きです、と聡子はトモの胸に顔を寄せた。
「俺もだ」
二人は少しの間、裸のまま転た寝をした。
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