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第二十一話 ぎゅっと結んで幸せになって
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入場すると、わあっという声があがる。
全国民が、継承式に来てくれたのだ。
「スノーリリー、ここへ」
父が、国王がいる方へと、まっすぐに歩いた。
背筋をピンと伸ばして、ほほ笑んで、ゆっくり進んで行く。
「ほほ、そんなに緊張するでないわ」
と、父が小声で笑う。
緊張してるって、やっぱりお父さんにはバレるのね…。
「ただいまより、スノーリリー・ベル・フィオンシーナの、
女王即位の儀を行う!」
国王が高らかに宣言すると、もっとわあっと言う声があがる。
その声に、私は国王に膝まづく。
頭に、ティアラがつけられた。
フィオンシーナでは、王ならば王冠、女王ならティアラが授けられる。
そして、王の杖を受け取った。
これで、今から私はこの国の女王だ。
「ただいまより、このフィオンシーナ王国の王は、
女王、スノーリリー・ベル・フィオンシーナである!!」
父の宣言により、即位の儀が無事に終わった。
「お父様」
「む?」
「長い間、お疲れ様でございました。これからは私が…」
立ち上がり、国民の方へ、見てくれている家臣の方へ振りかえる。
「この、フィオンシーナ王国を、愛する国民を、仕えてくれる家臣を、
導き、守る存在となります。
この国の、女王として!!」
歓声が、あがる。私を祝福してくれる声だ。
「新女王ばんざーい!!」
「スノーリリー女王陛下!!」
「あなたの治めるこのフィオンシーナに栄光あれ!!」
「この国をよろしくお願いします!!」
その声に、満面の笑みを見せた。
王の杖を掲げると、声がピタリと止む。
「必ずや約束しましょう!!
私が、この国と国民を導き、守る存在になると。
そのために、どうか皆の力をお貸しください!
フィオンシーナに栄光あれ!!」
『フィオンシーナに栄光あれ!!』
家臣がそれに答えてくれる。
それに、大きな大きな歓声が上がる。この日を、一生忘れない。
この国を、国民を、家臣を必ず守って見せる。
この命が、尽きるまでは。
さあ、次は結婚式だ。
部屋に戻る。
「スノーリリー様、いえ、女王陛下。
お疲れ様でございました。
急ぎ式の衣装に着替えましょう」
「ええ。おねがい」
フィオンシーナも結婚式はウエディングドレスを着るらしい。
…スノーリリーの体とはいえ、17歳で着ることになるなんてな…。
綺麗な花の模様が描かれたウエディングドレスを着せてもらった。
もうコルゼは部屋の外で待機してくれているらしい。
…うう、緊張してきた。
即位式もそうだったけど、もう同盟を組む四国の王と王妃が見に来てくれてるんだよね…。
へましないように気を付けないと…。
準備をしてもらって、椅子に座った。
今ネアがコルゼを呼びに行ってくれている。
「…リリー、入ってもいいですか」
「は、はい」
緊張で若干声が裏返る。
「失礼しますね」
コルゼが、入って来る。
「…もう、そんなに緊張していたら、
綺麗なあなたが台無しですよ?」
き、綺麗って…言ってくれた。
「各国の王と王妃が来ているんだから、緊張してますよね」
「はい…。即位の儀の時はあまり気にならなかったんですが…」
「…大丈夫、俺がついてますよ」
と、優しく抱きしめられる。
それを、小さく抱きしめ返した。
…うん、安心する。
あったかい…。結婚式はコルゼが一緒なら、大丈夫だろうと、
自然に思えてくるあたり、私、かなりこの人が好きなんだな…。
「コルゼと一緒なら、なんでも大丈夫な気がします。ふふ」
と、ほほ笑むと、コルゼがぴしっと固まり、仏頂面になる。
「…あら?」
と、首を傾げた。
すると、一回、唇に吸い付くようなキスをされた。
「ちょ、今口づけされたら紅がとれてしまいます…」
実際、コルゼの唇には、うすいピンクの紅がついてしまっている。
「あ、ほんとだ。…でもリリーが可愛いこと言うからしたくなっちゃったんです。」
「……」
かっこいい…。じーっとタキシードを見つめた。
「そんなに見つめられたら照れちゃいますよ?
夜になったら、ずっと俺だけ見ることになるんですから、それまで我慢ですよ。
まあ一番我慢しているのは俺なんですけど」
「えっ…」
かなり大胆な発言に、顔を赤くする。
そ、そっか…、今日が、初夜ってことになるのか…。
「かなり我慢してたんで、もう逃がしませんよ。
…覚悟しといてくださいね?」
耳元でささやかないで…。式の前にドキドキが止まらなくなるから…!
「では、式場で待っています」
コルゼが額にキスをすると、出ていこうとする。
「あ、待って…!」
「ん?」
「好き…。愛しているわ」
無性に言いたくなった、「好き」と「愛してる」。
我慢しているのは、あなただけじゃないと、言いたかったのかもしれない。
「…毎回毎回本当に、あなたは俺の心をかき乱す…。
本当に本当に、逃がしませんからね!」
「…うん。しっかり抱きしめて?
離しちゃ、嫌だよ…」
少し不安そうな目で、コルゼを見上げた。
「はい」
微笑むコルゼの顔に、ほほ笑み返す。
なんか少し安心した。
「よし」
部屋の外に出て、バージンロードに続く扉の前に、
父はもう待機していた。
待機してくれていた父の腕に手を回す。
まあ腕を組んだだけなのだが。
「お体の方は?」
「大事ないぞ。」
「それは…よかったです」
「まだ緊張しているのか?」
「そりゃあ…各国の王と王妃が見ているのですから…そりゃ、まあ」
「いや、違うだろう。愛する者と結ばれるから緊張している」
「!…それが大部分です」
「はっ、珍しく素直ではないか」
「じゃあついでにもう少し素直になっておこうかな。」
「ん?」
「私、この世界に来れてよかった。
この世界の、女王になれてよかった。
私が、誰かに…祝福される女王でよかった…。」
「…そこまで思ってくれるとは、嬉しいな。」
「ね、お父さん。
だからさ、もうこの国を頼む…だなんて何回も言わなくても、
絶対私が、あなたの守りたいものも、守ってきたものも、
女王の、この私が全部守るから」
父の目が、大きく見開かれた。
「女王陛下の入場です!」
その声に、扉が開く。
「さ、参りましょう」
父の手を、引く。
バージンロードを、一歩ずつ、歩いていく。
コルゼの、愛する人へのもとへ。
ピタリと、コルゼの前で、止まる。
「娘よ」
「…はい」
「コルゼ」
「はい」
「どうか、末永く幸せにな。
いつまでも、お前達の幸せを願っている。
…お前たちが、出会えた奇跡に、感謝を。
…娘を、たのむ。」
「はい… !」
父との手が、離れる。
「あ…」
「ほら、早くいかんか」
「…はい。」
微笑んで、父から手を離した。
少し、涙ぐんでいたと思う。
コルゼの隣に並ぶ。
「スノーリリー・ベル・フィオンシーナ、
コルゼ・アルティア、ここに夫婦の誓いを。
一生、支えあい、愛し合い、良き夫婦であることを誓いますか」
コルゼの方を見ると、目が合った。
それに、ほほ笑んだ。
ぎゅっと、手を握る。
「「誓います」」
「よろしい。では、誓いの口づけを」
コルゼと向き合い、身をかがめた。
ベールがすくいあげられる。
ハッキリと、コルゼと目を合わせる。
「ん」
少し目にたまった涙を、コルゼが指ですくった。
「泣かないで。これから幸せになるんだから」
「…はい。」
目を閉じる。
唇が触れて、距離がゼロになる。
「これで、二人の婚姻は成立いたしました。
どうか、末永くお幸せに。」
…無事に終わって、安心…。
三日後には五国会議か…。それからパーティー。
まあ、三日はゆっくりできるんだし…、ゆっくりするとしよう。
…だが、ゆっくりはできなさそうだ。
と、私は寝室で思った。
「ま、待ってコルゼ…そんな、乱暴に…あっ」
「あれ…、離しちゃだめなんじゃなかったんですか…?
ね、リリー」
ベッドの上で、かなり強引に攻められて、
私は顔が赤くなりすぎて死にそうになっている。
全国民が、継承式に来てくれたのだ。
「スノーリリー、ここへ」
父が、国王がいる方へと、まっすぐに歩いた。
背筋をピンと伸ばして、ほほ笑んで、ゆっくり進んで行く。
「ほほ、そんなに緊張するでないわ」
と、父が小声で笑う。
緊張してるって、やっぱりお父さんにはバレるのね…。
「ただいまより、スノーリリー・ベル・フィオンシーナの、
女王即位の儀を行う!」
国王が高らかに宣言すると、もっとわあっと言う声があがる。
その声に、私は国王に膝まづく。
頭に、ティアラがつけられた。
フィオンシーナでは、王ならば王冠、女王ならティアラが授けられる。
そして、王の杖を受け取った。
これで、今から私はこの国の女王だ。
「ただいまより、このフィオンシーナ王国の王は、
女王、スノーリリー・ベル・フィオンシーナである!!」
父の宣言により、即位の儀が無事に終わった。
「お父様」
「む?」
「長い間、お疲れ様でございました。これからは私が…」
立ち上がり、国民の方へ、見てくれている家臣の方へ振りかえる。
「この、フィオンシーナ王国を、愛する国民を、仕えてくれる家臣を、
導き、守る存在となります。
この国の、女王として!!」
歓声が、あがる。私を祝福してくれる声だ。
「新女王ばんざーい!!」
「スノーリリー女王陛下!!」
「あなたの治めるこのフィオンシーナに栄光あれ!!」
「この国をよろしくお願いします!!」
その声に、満面の笑みを見せた。
王の杖を掲げると、声がピタリと止む。
「必ずや約束しましょう!!
私が、この国と国民を導き、守る存在になると。
そのために、どうか皆の力をお貸しください!
フィオンシーナに栄光あれ!!」
『フィオンシーナに栄光あれ!!』
家臣がそれに答えてくれる。
それに、大きな大きな歓声が上がる。この日を、一生忘れない。
この国を、国民を、家臣を必ず守って見せる。
この命が、尽きるまでは。
さあ、次は結婚式だ。
部屋に戻る。
「スノーリリー様、いえ、女王陛下。
お疲れ様でございました。
急ぎ式の衣装に着替えましょう」
「ええ。おねがい」
フィオンシーナも結婚式はウエディングドレスを着るらしい。
…スノーリリーの体とはいえ、17歳で着ることになるなんてな…。
綺麗な花の模様が描かれたウエディングドレスを着せてもらった。
もうコルゼは部屋の外で待機してくれているらしい。
…うう、緊張してきた。
即位式もそうだったけど、もう同盟を組む四国の王と王妃が見に来てくれてるんだよね…。
へましないように気を付けないと…。
準備をしてもらって、椅子に座った。
今ネアがコルゼを呼びに行ってくれている。
「…リリー、入ってもいいですか」
「は、はい」
緊張で若干声が裏返る。
「失礼しますね」
コルゼが、入って来る。
「…もう、そんなに緊張していたら、
綺麗なあなたが台無しですよ?」
き、綺麗って…言ってくれた。
「各国の王と王妃が来ているんだから、緊張してますよね」
「はい…。即位の儀の時はあまり気にならなかったんですが…」
「…大丈夫、俺がついてますよ」
と、優しく抱きしめられる。
それを、小さく抱きしめ返した。
…うん、安心する。
あったかい…。結婚式はコルゼが一緒なら、大丈夫だろうと、
自然に思えてくるあたり、私、かなりこの人が好きなんだな…。
「コルゼと一緒なら、なんでも大丈夫な気がします。ふふ」
と、ほほ笑むと、コルゼがぴしっと固まり、仏頂面になる。
「…あら?」
と、首を傾げた。
すると、一回、唇に吸い付くようなキスをされた。
「ちょ、今口づけされたら紅がとれてしまいます…」
実際、コルゼの唇には、うすいピンクの紅がついてしまっている。
「あ、ほんとだ。…でもリリーが可愛いこと言うからしたくなっちゃったんです。」
「……」
かっこいい…。じーっとタキシードを見つめた。
「そんなに見つめられたら照れちゃいますよ?
夜になったら、ずっと俺だけ見ることになるんですから、それまで我慢ですよ。
まあ一番我慢しているのは俺なんですけど」
「えっ…」
かなり大胆な発言に、顔を赤くする。
そ、そっか…、今日が、初夜ってことになるのか…。
「かなり我慢してたんで、もう逃がしませんよ。
…覚悟しといてくださいね?」
耳元でささやかないで…。式の前にドキドキが止まらなくなるから…!
「では、式場で待っています」
コルゼが額にキスをすると、出ていこうとする。
「あ、待って…!」
「ん?」
「好き…。愛しているわ」
無性に言いたくなった、「好き」と「愛してる」。
我慢しているのは、あなただけじゃないと、言いたかったのかもしれない。
「…毎回毎回本当に、あなたは俺の心をかき乱す…。
本当に本当に、逃がしませんからね!」
「…うん。しっかり抱きしめて?
離しちゃ、嫌だよ…」
少し不安そうな目で、コルゼを見上げた。
「はい」
微笑むコルゼの顔に、ほほ笑み返す。
なんか少し安心した。
「よし」
部屋の外に出て、バージンロードに続く扉の前に、
父はもう待機していた。
待機してくれていた父の腕に手を回す。
まあ腕を組んだだけなのだが。
「お体の方は?」
「大事ないぞ。」
「それは…よかったです」
「まだ緊張しているのか?」
「そりゃあ…各国の王と王妃が見ているのですから…そりゃ、まあ」
「いや、違うだろう。愛する者と結ばれるから緊張している」
「!…それが大部分です」
「はっ、珍しく素直ではないか」
「じゃあついでにもう少し素直になっておこうかな。」
「ん?」
「私、この世界に来れてよかった。
この世界の、女王になれてよかった。
私が、誰かに…祝福される女王でよかった…。」
「…そこまで思ってくれるとは、嬉しいな。」
「ね、お父さん。
だからさ、もうこの国を頼む…だなんて何回も言わなくても、
絶対私が、あなたの守りたいものも、守ってきたものも、
女王の、この私が全部守るから」
父の目が、大きく見開かれた。
「女王陛下の入場です!」
その声に、扉が開く。
「さ、参りましょう」
父の手を、引く。
バージンロードを、一歩ずつ、歩いていく。
コルゼの、愛する人へのもとへ。
ピタリと、コルゼの前で、止まる。
「娘よ」
「…はい」
「コルゼ」
「はい」
「どうか、末永く幸せにな。
いつまでも、お前達の幸せを願っている。
…お前たちが、出会えた奇跡に、感謝を。
…娘を、たのむ。」
「はい… !」
父との手が、離れる。
「あ…」
「ほら、早くいかんか」
「…はい。」
微笑んで、父から手を離した。
少し、涙ぐんでいたと思う。
コルゼの隣に並ぶ。
「スノーリリー・ベル・フィオンシーナ、
コルゼ・アルティア、ここに夫婦の誓いを。
一生、支えあい、愛し合い、良き夫婦であることを誓いますか」
コルゼの方を見ると、目が合った。
それに、ほほ笑んだ。
ぎゅっと、手を握る。
「「誓います」」
「よろしい。では、誓いの口づけを」
コルゼと向き合い、身をかがめた。
ベールがすくいあげられる。
ハッキリと、コルゼと目を合わせる。
「ん」
少し目にたまった涙を、コルゼが指ですくった。
「泣かないで。これから幸せになるんだから」
「…はい。」
目を閉じる。
唇が触れて、距離がゼロになる。
「これで、二人の婚姻は成立いたしました。
どうか、末永くお幸せに。」
…無事に終わって、安心…。
三日後には五国会議か…。それからパーティー。
まあ、三日はゆっくりできるんだし…、ゆっくりするとしよう。
…だが、ゆっくりはできなさそうだ。
と、私は寝室で思った。
「ま、待ってコルゼ…そんな、乱暴に…あっ」
「あれ…、離しちゃだめなんじゃなかったんですか…?
ね、リリー」
ベッドの上で、かなり強引に攻められて、
私は顔が赤くなりすぎて死にそうになっている。
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