7 / 28
7 第二王子のメイド
しおりを挟む
「果実酒が飲みたい」
空は青く、白い雲が風に吹かれてゆっくり動いていた。サーシャは白と黒を基調としたメイド服に身を包み、両頬を無理やり持ち上げる。
「かしこまりました」
一週間前、啖呵を切ったサーシャだったが、ライを危険な目に合わせるわけにはいかないと、ここに残ることになった。そして、何もしないで衣食住を与えられるわけにはいかないと、メイドになることを自ら申し出てた。
そんな2人の発言に、宮中は揺れに揺れた。執事は何度もユリウスに確認し、メイド長は目を丸くした。
「冷たい」と噂の第二王子が、動物の声が聞こえる女を自分の傍に置く。そんな事態に、周りはサーシャへの態度を決めかねていた。そんな事とは知らず、サーシャが「メイドとして働く」と言い出したものだから、周りが混乱しないわけがない。
王子が傍に置いた女。けれど、2人が話している様子を見れば仲睦まじさは感じられない。2人の関係については、色んな声が聞かれたがそれは全て想像に過ぎない。サーシャは、「王子が気まぐれに傍に置いた女性」。それ以上でも以下でもなかった。
そんなサーシャを特別扱いすることも、無下にすることもできず、50代半ばのメイド長は、悩みながらも、他のメイドと同じように、仕事方法やメイドとしての心得をたたき込んだ。
何もないところから宮殿でメイドとして働くこととなったサーシャへの教育は、2日にわたり続いた。粗相があっては、自分の首も危ういと、メイド長は必死でサーシャに教え込んだ。しかし、今まで一人の生活をしてきたサーシャは、一通りのことはでき、またダリムに淑女としての心得を教えられていたこともあり、3日目から普通にメイドとして働くまでとなった。
いや、「普通」とは言えないのかもしれない。なぜなら、サーシャは主にユリウスに呼ばれたからだ。食事を運び、ベッドのシーツを変え、必要な書物をユリウスに渡した。特に仕事がない時でもユリウスに呼ばれ、気まぐれに用事を頼まれるほかは、部屋での待機を命じられることも多かった。もちろんユリウスの傷の手当ても同時にしていたが、その怪我はあと少しで治りそうだ。
ちなみに、いつもサーシャと一緒にいるオースは、こんな人間ばかりのところではゆっくり眠れないと、宮殿の庭の木に巣を作り、そこで暮らしている。
「おい、早くしろ」
「はい。只今、用意いたします」
サーシャはワゴンに乗せていたワイングラスを取り出し、ユリウスの前に置いた。少しだけ高い位置から注ぐ。ユリウスは満足したようにグラスに口をつけ、すぐにサーシャを見た。
「…果実酒と言ったはずだが、聞こえなかったか?」
「ええ、もちろん聞こえておりました」
「酒が入っていないようだが?」
「はい。入っておりません」
「ふざけるな」
「お酒は思考能力の低下を招きます。仕事中には控えた方がいいと判断しましたので、果実酒の代わりに、レモンを入れた果実水をご用意いたしました」
笑みを浮かべて、すらすらとそう応える。そんなサーシャをユリウスは睨みつけた。
「余計なことをするな。言われたことを言われた通りやればいい」
声のトーンを一つ落としたユリウス。それでも、サーシャは満面の笑みを浮かべ続ける。
「いいえ、そんなわけにはいきませんわ。王子様のことを考えた結果です。メイド長に叩きこまれましたから。王子様の事を一番に考えるように、と」
芝居がかった言い方にユリウスから舌打ちが漏れる。
「ああ言えば、こう言う」
「ええ。思い通りにならないと言ったはずですわ。嫌なら家に帰してください。怪我もだいぶ良くなりましたでしょう?」
「生憎、まだ痛む」
「あら、軟弱ですこと」
笑いを含んだ言い方に、ユリウスがイラつくのがわかった。けれど、まだ言い足りない。続けるためにと口を開いた時だった。コンコンとドアを叩く音が耳に入る。
「王子、ハリオです。入室してもよろしいでしょうか」
「入れ」
「失礼します。ああ、サーシャ様もいらっしゃいましたか」
ハリオが人好きのする笑みを浮かべる。つられてサーシャも笑みを浮かべて会釈をした。
「だいぶ態度が違うようだが?」
「それはもちろん人が違いますから。自分の事を軟禁している人に、優しくできる人がいますか?」
「サ、サーシャ様、あの、言葉を少し選んでいただけると、助かるですが…」
ハリオが困った顔でサーシャに懇願する。右手は腹部を押さえていた。けれど、サーシャは首を横に振る。
「いいえ。そうはいきません。怪我だってもう治ってきているんですから、もう私がここにいる意味はないですよね?ハリオ様もそう思いますよね?」
「いえ、あの…私には、何とも…」
「ま、確かにそうだな」
ハリオの反応とは反対に、納得したようにユリウスは頷いた。そこに再び、ノック音が響く。
「ユリウス王子、お食事のご用意ができました」
高い可愛らしい声が耳に入る。メイドが部屋の前に食事を運んできたのだろう。サーシャが後から用意する予定であったはずだが、情報に行き違いでもあったのだろうか。サーシャは首を傾げ、けれど、ユリウスは少しだけ考える様なそぶりを見せた。
「…ちょうどいいな」
独り言がユリウスの口から洩れる。そして浮かべたのは黒い笑み。
「ユリウス王子?」
返事がないためか、可愛らしい声が尋ねるようにユリウスの名前を呼んだ。
「承知している。だが、呼ぶまで部屋の外で待っていろ」
「…?はい。かしこまりました」
よくわからない注文に、けれどメイドは言葉に従った。
「お前は、そこの前に立て」
ユリウスが指をさしたのはユリウスが普段使っているベッドの前。ユリウスの意図が分からず、サーシャは怪訝そうな顔を浮かべる。
「どうしてですか?」
「つべこべ言うな」
「でも…」
「早くしろ」
問答無用な言い方に、サーシャは渋々従った。小さな嫌がらせとしてゆっくり歩く。けれど、気にせずユリウスは椅子から腰を浮かせ、自分も同じようにベッドの前に立った。
目の前に立つユリウスの意図が分からず、尋ねようと口を開く。しかし、言葉を繋ぐことはできなかった。
「ひゃっ」
かすかに開いた口から、小さく悲鳴が漏れる。
ユリウスは前触れもなく、サーシャの肩を両手で押した。柔らかいベッドがサーシャの身体を受け止める。
「入っていいぞ」
サーシャが外に聞こえるように張り上げた声でそう言った。
「失礼します」
メイドが扉を開ける。それを横目で確認すると、ユリウスはサーシャの上にのしかかった。下に見下ろしたサーシャに向かって笑みを浮かべる。そして、頬に手を伸ばし、優しく触れた。
「サーシャ、君といれて幸せだ」
突然降ってきたのはそんな甘い声。目の前にはユリウスの端正な顔が広がる。
視界の端では目を丸くしているハリオとメイドの姿が見えた。
「ああ、食事だったな。運んできてくれてありがとう。でも、これから俺のことは全てサーシャにやってもらうから。君は出ていっていい。あ、そうだ、他のみんなにもそう伝えてくれないか」
この人、私の名前を知っていたんだな、なんて場違いなことを想いながら、サーシャは目の前のユリウスを見た。今までとは違うキラキラと輝く笑顔は「王子様」そのもので、自分の意志に反して、胸が音を立てた。
そんなサーシャの心情を知ってか、知らずか、再び頬にユリウスの手が伸びる。軽く撫でられたその部分が熱い。頬が赤く染まる。
「俺のサーシャ。なんて可愛いんだ」
「…」
「君、何をしている?食事を置いたら、早く出て行ってくれないか?」
顔だけ動かして、ユリウスがメイドに言った。その言葉にメイドは、はっ、とし、ようやく動きを始めた。ユリウスとサーシャを交互に見る。可愛らしい顔から表情が消え、自身の下唇を噛んだ。
「…かしこまり…ました」
絞り出したように言葉を繋ぎ、メイドが頭を下げた。ゆっくり部屋を出て行く。その背をサーシャはただ、茫然と見送った。
空は青く、白い雲が風に吹かれてゆっくり動いていた。サーシャは白と黒を基調としたメイド服に身を包み、両頬を無理やり持ち上げる。
「かしこまりました」
一週間前、啖呵を切ったサーシャだったが、ライを危険な目に合わせるわけにはいかないと、ここに残ることになった。そして、何もしないで衣食住を与えられるわけにはいかないと、メイドになることを自ら申し出てた。
そんな2人の発言に、宮中は揺れに揺れた。執事は何度もユリウスに確認し、メイド長は目を丸くした。
「冷たい」と噂の第二王子が、動物の声が聞こえる女を自分の傍に置く。そんな事態に、周りはサーシャへの態度を決めかねていた。そんな事とは知らず、サーシャが「メイドとして働く」と言い出したものだから、周りが混乱しないわけがない。
王子が傍に置いた女。けれど、2人が話している様子を見れば仲睦まじさは感じられない。2人の関係については、色んな声が聞かれたがそれは全て想像に過ぎない。サーシャは、「王子が気まぐれに傍に置いた女性」。それ以上でも以下でもなかった。
そんなサーシャを特別扱いすることも、無下にすることもできず、50代半ばのメイド長は、悩みながらも、他のメイドと同じように、仕事方法やメイドとしての心得をたたき込んだ。
何もないところから宮殿でメイドとして働くこととなったサーシャへの教育は、2日にわたり続いた。粗相があっては、自分の首も危ういと、メイド長は必死でサーシャに教え込んだ。しかし、今まで一人の生活をしてきたサーシャは、一通りのことはでき、またダリムに淑女としての心得を教えられていたこともあり、3日目から普通にメイドとして働くまでとなった。
いや、「普通」とは言えないのかもしれない。なぜなら、サーシャは主にユリウスに呼ばれたからだ。食事を運び、ベッドのシーツを変え、必要な書物をユリウスに渡した。特に仕事がない時でもユリウスに呼ばれ、気まぐれに用事を頼まれるほかは、部屋での待機を命じられることも多かった。もちろんユリウスの傷の手当ても同時にしていたが、その怪我はあと少しで治りそうだ。
ちなみに、いつもサーシャと一緒にいるオースは、こんな人間ばかりのところではゆっくり眠れないと、宮殿の庭の木に巣を作り、そこで暮らしている。
「おい、早くしろ」
「はい。只今、用意いたします」
サーシャはワゴンに乗せていたワイングラスを取り出し、ユリウスの前に置いた。少しだけ高い位置から注ぐ。ユリウスは満足したようにグラスに口をつけ、すぐにサーシャを見た。
「…果実酒と言ったはずだが、聞こえなかったか?」
「ええ、もちろん聞こえておりました」
「酒が入っていないようだが?」
「はい。入っておりません」
「ふざけるな」
「お酒は思考能力の低下を招きます。仕事中には控えた方がいいと判断しましたので、果実酒の代わりに、レモンを入れた果実水をご用意いたしました」
笑みを浮かべて、すらすらとそう応える。そんなサーシャをユリウスは睨みつけた。
「余計なことをするな。言われたことを言われた通りやればいい」
声のトーンを一つ落としたユリウス。それでも、サーシャは満面の笑みを浮かべ続ける。
「いいえ、そんなわけにはいきませんわ。王子様のことを考えた結果です。メイド長に叩きこまれましたから。王子様の事を一番に考えるように、と」
芝居がかった言い方にユリウスから舌打ちが漏れる。
「ああ言えば、こう言う」
「ええ。思い通りにならないと言ったはずですわ。嫌なら家に帰してください。怪我もだいぶ良くなりましたでしょう?」
「生憎、まだ痛む」
「あら、軟弱ですこと」
笑いを含んだ言い方に、ユリウスがイラつくのがわかった。けれど、まだ言い足りない。続けるためにと口を開いた時だった。コンコンとドアを叩く音が耳に入る。
「王子、ハリオです。入室してもよろしいでしょうか」
「入れ」
「失礼します。ああ、サーシャ様もいらっしゃいましたか」
ハリオが人好きのする笑みを浮かべる。つられてサーシャも笑みを浮かべて会釈をした。
「だいぶ態度が違うようだが?」
「それはもちろん人が違いますから。自分の事を軟禁している人に、優しくできる人がいますか?」
「サ、サーシャ様、あの、言葉を少し選んでいただけると、助かるですが…」
ハリオが困った顔でサーシャに懇願する。右手は腹部を押さえていた。けれど、サーシャは首を横に振る。
「いいえ。そうはいきません。怪我だってもう治ってきているんですから、もう私がここにいる意味はないですよね?ハリオ様もそう思いますよね?」
「いえ、あの…私には、何とも…」
「ま、確かにそうだな」
ハリオの反応とは反対に、納得したようにユリウスは頷いた。そこに再び、ノック音が響く。
「ユリウス王子、お食事のご用意ができました」
高い可愛らしい声が耳に入る。メイドが部屋の前に食事を運んできたのだろう。サーシャが後から用意する予定であったはずだが、情報に行き違いでもあったのだろうか。サーシャは首を傾げ、けれど、ユリウスは少しだけ考える様なそぶりを見せた。
「…ちょうどいいな」
独り言がユリウスの口から洩れる。そして浮かべたのは黒い笑み。
「ユリウス王子?」
返事がないためか、可愛らしい声が尋ねるようにユリウスの名前を呼んだ。
「承知している。だが、呼ぶまで部屋の外で待っていろ」
「…?はい。かしこまりました」
よくわからない注文に、けれどメイドは言葉に従った。
「お前は、そこの前に立て」
ユリウスが指をさしたのはユリウスが普段使っているベッドの前。ユリウスの意図が分からず、サーシャは怪訝そうな顔を浮かべる。
「どうしてですか?」
「つべこべ言うな」
「でも…」
「早くしろ」
問答無用な言い方に、サーシャは渋々従った。小さな嫌がらせとしてゆっくり歩く。けれど、気にせずユリウスは椅子から腰を浮かせ、自分も同じようにベッドの前に立った。
目の前に立つユリウスの意図が分からず、尋ねようと口を開く。しかし、言葉を繋ぐことはできなかった。
「ひゃっ」
かすかに開いた口から、小さく悲鳴が漏れる。
ユリウスは前触れもなく、サーシャの肩を両手で押した。柔らかいベッドがサーシャの身体を受け止める。
「入っていいぞ」
サーシャが外に聞こえるように張り上げた声でそう言った。
「失礼します」
メイドが扉を開ける。それを横目で確認すると、ユリウスはサーシャの上にのしかかった。下に見下ろしたサーシャに向かって笑みを浮かべる。そして、頬に手を伸ばし、優しく触れた。
「サーシャ、君といれて幸せだ」
突然降ってきたのはそんな甘い声。目の前にはユリウスの端正な顔が広がる。
視界の端では目を丸くしているハリオとメイドの姿が見えた。
「ああ、食事だったな。運んできてくれてありがとう。でも、これから俺のことは全てサーシャにやってもらうから。君は出ていっていい。あ、そうだ、他のみんなにもそう伝えてくれないか」
この人、私の名前を知っていたんだな、なんて場違いなことを想いながら、サーシャは目の前のユリウスを見た。今までとは違うキラキラと輝く笑顔は「王子様」そのもので、自分の意志に反して、胸が音を立てた。
そんなサーシャの心情を知ってか、知らずか、再び頬にユリウスの手が伸びる。軽く撫でられたその部分が熱い。頬が赤く染まる。
「俺のサーシャ。なんて可愛いんだ」
「…」
「君、何をしている?食事を置いたら、早く出て行ってくれないか?」
顔だけ動かして、ユリウスがメイドに言った。その言葉にメイドは、はっ、とし、ようやく動きを始めた。ユリウスとサーシャを交互に見る。可愛らしい顔から表情が消え、自身の下唇を噛んだ。
「…かしこまり…ました」
絞り出したように言葉を繋ぎ、メイドが頭を下げた。ゆっくり部屋を出て行く。その背をサーシャはただ、茫然と見送った。
7
あなたにおすすめの小説
虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜
ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」
あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。
「セレス様、行きましょう」
「ありがとう、リリ」
私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。
ある日精霊たちはいった。
「あの方が迎えに来る」
カクヨム/なろう様でも連載させていただいております
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。
冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─
あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」
没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。
しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。
瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。
「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」
絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。
嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。
私が生きていたことは秘密にしてください
月山 歩
恋愛
メイベルは婚約者と妹によって、崖に突き落とされ、公爵家の領地に倒れていた。
見つけてくれた彼は一見優しそうだが、行方不明のまま隠れて生きて行こうとする私に驚くような提案をする。
「少年の世話係になってくれ。けれど人に話したら消す。」
完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!
仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。
ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。
理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。
ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。
マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。
自室にて、過去の母の言葉を思い出す。
マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を…
しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。
そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。
ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。
マリアは父親に願い出る。
家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが………
この話はフィクションです。
名前等は実際のものとなんら関係はありません。
将来の嫁ぎ先は確保済みです……が?!
翠月 瑠々奈
恋愛
ある日階段から落ちて、とある物語を思い出した。
侯爵令息と男爵令嬢の秘密の恋…みたいな。
そしてここが、その話を基にした世界に酷似していることに気づく。
私は主人公の婚約者。話の流れからすれば破棄されることになる。
この歳で婚約破棄なんてされたら、名に傷が付く。
それでは次の結婚は望めない。
その前に、同じ前世の記憶がある男性との婚姻話を水面下で進めましょうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる