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~第四章~
86.サバスside ~イカレた学校2~
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「イカレてないよ!僕が言いたいのは『お姫様が静かだ』ってこと!!」
……どうやら違ったらしい。
過酷すぎる日常に狂ったのかと思ったぞ。
「そういえば最近見掛けないな」
「おかしいよねぇー。四人のお友達が死んでムチャクチャ騒がしかったのに。ぷっつり止んだしねぇ。それに気付いてる?」
「何をだ?」
「お姫様もそうだけど、その周りも静かなんだよね。サバスにだって絡んでこないし」
「………………そういえば」
「ね、変でしょ?」
確かに、ここ最近奴らを見ない。
嫌がらせや隙をついての攻撃もない。全て防げた上に奴らの行動パターンは熟知しているから防御するは容易く回避するのは余裕だった。単純作業ともいうべきものだから気にしなかったが。改めて指摘されると確かにおかしいかもしれない。
しかし、だ。
「連中が静かならいいじゃないか」
「……うーん、確かに静かだけどさぁ。なんか気になるんだよねぇ。急に、だよ?」
何を拘ってるんだか。
連中が静かな事は喜ばしいことだ。
「気にし過ぎじゃないか?」
「……でもさぁ」
「授業には出ているんだろ?」
「うん。普通にね」
「なら別に問題ないだろう」
これで授業をボイコットしたなら問題になるところだが。
今のところ出席はしているのだから何も問題はない。
というか、問題児たちが静かになって教師達は大喜びなんじゃないか?
「嵐の前の静けさ、じゃないといいけど」
不吉なことを口にするエヴァンに溜息しか出ない。
そのエヴァンに追従するかのように蝉が更に鳴き始めた。
ミーンミン、ミーン!!ミーン、ミンミーン!!
ミーーーーン!!ミーーーーン!!ミーーーーン!!!
うるくなる一方の蝉の合唱。
一抹の不安がよぎった。
何事も無ければいいのだが……。
……どうやら違ったらしい。
過酷すぎる日常に狂ったのかと思ったぞ。
「そういえば最近見掛けないな」
「おかしいよねぇー。四人のお友達が死んでムチャクチャ騒がしかったのに。ぷっつり止んだしねぇ。それに気付いてる?」
「何をだ?」
「お姫様もそうだけど、その周りも静かなんだよね。サバスにだって絡んでこないし」
「………………そういえば」
「ね、変でしょ?」
確かに、ここ最近奴らを見ない。
嫌がらせや隙をついての攻撃もない。全て防げた上に奴らの行動パターンは熟知しているから防御するは容易く回避するのは余裕だった。単純作業ともいうべきものだから気にしなかったが。改めて指摘されると確かにおかしいかもしれない。
しかし、だ。
「連中が静かならいいじゃないか」
「……うーん、確かに静かだけどさぁ。なんか気になるんだよねぇ。急に、だよ?」
何を拘ってるんだか。
連中が静かな事は喜ばしいことだ。
「気にし過ぎじゃないか?」
「……でもさぁ」
「授業には出ているんだろ?」
「うん。普通にね」
「なら別に問題ないだろう」
これで授業をボイコットしたなら問題になるところだが。
今のところ出席はしているのだから何も問題はない。
というか、問題児たちが静かになって教師達は大喜びなんじゃないか?
「嵐の前の静けさ、じゃないといいけど」
不吉なことを口にするエヴァンに溜息しか出ない。
そのエヴァンに追従するかのように蝉が更に鳴き始めた。
ミーンミン、ミーン!!ミーン、ミンミーン!!
ミーーーーン!!ミーーーーン!!ミーーーーン!!!
うるくなる一方の蝉の合唱。
一抹の不安がよぎった。
何事も無ければいいのだが……。
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