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第23話:やっとグリーズン王国に帰れます
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ラッセル王国に来て、3ヶ月が経とうとしていた。すっかり騎士団にも慣れた私は、攻撃魔法もある程度マスターした。
今は毎日いかに早く的確の量の魔法を出せるかを練習をしている。もちろん、基礎体力作りも欠かさない。今日は午前中のみ、騎士団の稽古に来ている。
ちなみに明日の朝一で、グリーズン王国に帰る事になっている為、この稽古が最後なのだ。
「ジャンティーヌ、随分とうまく攻撃魔法が出来るようになったな。これならきっと、グリーズン王国に戻っても通用するだろう。お前ならきっと、魔女を倒せる。もし俺たちの力が必要なら、俺たちも一緒にグリーズン王国に向かってもいいと思っている。お前はもう、俺たちの仲間だ」
「ジャンティーヌ、お前、本当によく頑張ったよ。頑張って魔女を倒せよ。騎士団長の言う通り、俺たちも加担してもいいと思っているんだから」
騎士団長様始め、騎士団員たちが微笑んでくれている。
「ありがとうございます…でも、魔女は私が倒しますわ。その為に今までこの地で頑張って来たのです。騎士団長様、それに団員の皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました」
騎士団長様や団員の方たちに頭を下げた。彼らならきっと、物凄い戦力になるだろう。でも、関係のない彼らを巻き込むわけにはいかないし、何よりもジルド殿下が受け入れないだろう。
ジルド殿下…
ふとジルド殿下の寂しそうな顔が脳裏をよぎった。この3ヶ月、忙しいながらも、ジルド殿下の事を忘れたことは一度もなかった。やっとジルド殿下に会える。そう思ったら、自然と笑みがこぼれる。
「なんだ、急に笑い出して。ジャンティーヌ、お前は本当によく頑張った。もしどうしても困ったことがあったら、俺たちに連絡をして来い。俺たちはいつでもお前の味方だからな」
「ありがとうございます。それではこれで失礼いたします」
王宮騎士団の稽古場を後にし、次に向かったのは王宮魔術師たちの元だ。
早速魔力を引き出す練習をしている。魔女と戦うとなれば、かなりの魔力が必要となる。その為、自分の持つ100%に近い魔力を引き出す練習をしているのだ。
「いいですよ、もっともっと、魔力を引き出してください。その調子です」
精神を集中させ、魔力を一点に集める。この際、邪念があるといけないのだ。とにかく、精神を集中させ、無になる事。これが一番難しい。
「はい、そこまで!お疲れさまでした」
「はぁ、はぁ…どうでした?私の魔力量は」
「随分と引き出せていましたよ。70%くらいは出ていたと思います」
「まだ70%ですか…」
必死に魔力を集中しているのだが、中々70%の壁を超える事が出来ないのだ。このままでは、魔女に勝てるのかしら?
つい焦りが出てしまう。
「ジャンティーヌ殿、焦りは禁物ですよ。いいですか?我々魔術師ですら、何年もかけ、やっと自分の持つ魔力の90%まで引き出すことが出来る様になるのです。たったの3ヶ月で、70%の魔力を引き出せたあなたは、本当に素晴らしいのですよ。まさに、天才と言えます。どうですか?このまま、我が国の王宮魔術師になって下さってもいいのですよ。あなたなら、大歓迎です」
なぜかここに来て、よく魔術師の方たちから、勧誘を受けるのだ。もちろん
「私はグリーズン王国を助けるためにここに来ておりますので、お断りしますわ」
そう言ってはっきりと断っている。
「そうですか。それは残念です。それにしても、この3ヶ月で、本当に色々な事をマスターしましたね。ここまで色々と吸収してくださるだなんて、私も教えがいがありました。どうかグリーズン王国に戻っても、私が教えた事を忘れないで下さいね。それでは、今日の訓練はお終いにしましょう」
「3ヶ月間、本当にありがとうございました。私、魔術師様たちから学んだこと、絶対に忘れませんわ。必ず魔女を倒して見せます」
「今のジャンティーヌ殿なら、きっと倒せます。私達は、この地であなたの活躍を祈っております」
そう言って魔術師様たちが微笑んでくれている。
「それでは私はこれで失礼いたします」
魔術師様たちとお別れした後は、王宮にある自室に戻ってきた。そして湯あみを済ませ、久しぶりにドレスに着替える。
今日は両親とお兄様、伯母さまや陛下、さらに従兄弟達が私の為にお別れパーティーを開いてくれることになっているのだ。
早速パーティー会場へと向かうと、既に皆集まっていた。
「ジャンティーヌ、遅いわよ。さあ、早速パーティーを始めましょう」
家族のみで行われる小さなパーティー。それでも私の為に、こうやってお別れパーティーを開いてくれることが、嬉しくてたまらない。
この日は、夜遅くまでパーティーを楽しんだのだった。
※次回、ジルド視点です。
よろしくお願いいたします。
今は毎日いかに早く的確の量の魔法を出せるかを練習をしている。もちろん、基礎体力作りも欠かさない。今日は午前中のみ、騎士団の稽古に来ている。
ちなみに明日の朝一で、グリーズン王国に帰る事になっている為、この稽古が最後なのだ。
「ジャンティーヌ、随分とうまく攻撃魔法が出来るようになったな。これならきっと、グリーズン王国に戻っても通用するだろう。お前ならきっと、魔女を倒せる。もし俺たちの力が必要なら、俺たちも一緒にグリーズン王国に向かってもいいと思っている。お前はもう、俺たちの仲間だ」
「ジャンティーヌ、お前、本当によく頑張ったよ。頑張って魔女を倒せよ。騎士団長の言う通り、俺たちも加担してもいいと思っているんだから」
騎士団長様始め、騎士団員たちが微笑んでくれている。
「ありがとうございます…でも、魔女は私が倒しますわ。その為に今までこの地で頑張って来たのです。騎士団長様、それに団員の皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました」
騎士団長様や団員の方たちに頭を下げた。彼らならきっと、物凄い戦力になるだろう。でも、関係のない彼らを巻き込むわけにはいかないし、何よりもジルド殿下が受け入れないだろう。
ジルド殿下…
ふとジルド殿下の寂しそうな顔が脳裏をよぎった。この3ヶ月、忙しいながらも、ジルド殿下の事を忘れたことは一度もなかった。やっとジルド殿下に会える。そう思ったら、自然と笑みがこぼれる。
「なんだ、急に笑い出して。ジャンティーヌ、お前は本当によく頑張った。もしどうしても困ったことがあったら、俺たちに連絡をして来い。俺たちはいつでもお前の味方だからな」
「ありがとうございます。それではこれで失礼いたします」
王宮騎士団の稽古場を後にし、次に向かったのは王宮魔術師たちの元だ。
早速魔力を引き出す練習をしている。魔女と戦うとなれば、かなりの魔力が必要となる。その為、自分の持つ100%に近い魔力を引き出す練習をしているのだ。
「いいですよ、もっともっと、魔力を引き出してください。その調子です」
精神を集中させ、魔力を一点に集める。この際、邪念があるといけないのだ。とにかく、精神を集中させ、無になる事。これが一番難しい。
「はい、そこまで!お疲れさまでした」
「はぁ、はぁ…どうでした?私の魔力量は」
「随分と引き出せていましたよ。70%くらいは出ていたと思います」
「まだ70%ですか…」
必死に魔力を集中しているのだが、中々70%の壁を超える事が出来ないのだ。このままでは、魔女に勝てるのかしら?
つい焦りが出てしまう。
「ジャンティーヌ殿、焦りは禁物ですよ。いいですか?我々魔術師ですら、何年もかけ、やっと自分の持つ魔力の90%まで引き出すことが出来る様になるのです。たったの3ヶ月で、70%の魔力を引き出せたあなたは、本当に素晴らしいのですよ。まさに、天才と言えます。どうですか?このまま、我が国の王宮魔術師になって下さってもいいのですよ。あなたなら、大歓迎です」
なぜかここに来て、よく魔術師の方たちから、勧誘を受けるのだ。もちろん
「私はグリーズン王国を助けるためにここに来ておりますので、お断りしますわ」
そう言ってはっきりと断っている。
「そうですか。それは残念です。それにしても、この3ヶ月で、本当に色々な事をマスターしましたね。ここまで色々と吸収してくださるだなんて、私も教えがいがありました。どうかグリーズン王国に戻っても、私が教えた事を忘れないで下さいね。それでは、今日の訓練はお終いにしましょう」
「3ヶ月間、本当にありがとうございました。私、魔術師様たちから学んだこと、絶対に忘れませんわ。必ず魔女を倒して見せます」
「今のジャンティーヌ殿なら、きっと倒せます。私達は、この地であなたの活躍を祈っております」
そう言って魔術師様たちが微笑んでくれている。
「それでは私はこれで失礼いたします」
魔術師様たちとお別れした後は、王宮にある自室に戻ってきた。そして湯あみを済ませ、久しぶりにドレスに着替える。
今日は両親とお兄様、伯母さまや陛下、さらに従兄弟達が私の為にお別れパーティーを開いてくれることになっているのだ。
早速パーティー会場へと向かうと、既に皆集まっていた。
「ジャンティーヌ、遅いわよ。さあ、早速パーティーを始めましょう」
家族のみで行われる小さなパーティー。それでも私の為に、こうやってお別れパーティーを開いてくれることが、嬉しくてたまらない。
この日は、夜遅くまでパーティーを楽しんだのだった。
※次回、ジルド視点です。
よろしくお願いいたします。
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