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第42話:色々と疲れました
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まずはお父様とシャルルが一緒に入場し、その後お母様、私と続く。ふと周りを見ると、たくさんの王族の方々が、こちらを注目していた。それにしても、すごい数だ。ダメだ、緊張してきたわ。
ふと舞台のそでを見ると、レオナルド様がいた。優しい表情でこちらを見つめている。あんなところで見守ってくれていたのね。
レオナルド様の姿を見たら、なんだか少しだけ気持ちが落ち着いた。そもそも私は立っているだけだし。
そしていよいよ式典が始まり、お父様の挨拶と、シャルルの紹介が行われた。周りから大きな拍手が沸き上がる。そしてなぜか、私とお母様も紹介された。もう、私たちの紹介があるのなら、改めて教えておいて欲しかったわ!
そう思いつつ、お母様と一緒に頭を下げた。
何だかんだであっという間に式典は終わった。
式典が終わると、すぐにレオナルド様の元へと向かう。
「レオナルド様、私、どうだったかしら?変なところはなかった?」
「ああ、大丈夫だったよ。ただ…王子たちが君を凝視していたのが気になったが…まあ、致し方ないね。大仕事で疲れただろう。夜会まではまだ時間がある、少しゆっくりしよう。そうだ、僕がお茶を飲ませてあげるよ。お菓子もあるよ。ドレスが汚れたら大変だから、ナプキンを使おう」
なぜか甲斐甲斐しくお世話をしてくれるレオナルド様。そんなレオナルド様にそっと寄り添った。やっぱりレオナルド様の傍にいると、落ち着く。
そして始まった夜会。どうやら親と子供は別々で行動する様で、お父様とお母様は各王族たちに挨拶に向かっている。シャルルはまだ子供という事で、夜会には参加していない。
私はと言うと、レオナルド様の隣をしっかりキープしている。
「オリビア、他国の王族に話しかけられると面倒だから、ダンスでも踊ろう。あれだけ練習したのだから、僕たちの息の合ったダンスを皆に見せないとね」
そう言って私を連れ出したレオナルド様。音楽に合わせてゆっくり踊る。
「オリビアは相変わらずダンスが上手だね。皆こっちを見ているよ。僕たちの息の合ったダンスを、もっと皆に見せつけてやろう」
耳元で呟くレオナルド様。その言葉通り、周りの王族たちが私たちに注目している。なんだか楽しくなってきて、結局3曲連続で踊った。
ダンスが終わると、続々と王子様や王女様が挨拶に来てくれた。明らかにレオナルド様をうっとり見つめている王女様もいたが、私がレオナルド様に寄り添い、仲睦まじい姿を見せたら、そそくさと去って行った。
やっぱり、私たちの仲睦まじい姿を見せると、皆諦めるのね。
「色々な王族と話をして、疲れただろう。飲み物を持ってくるから、ここで待っていてくれ」
慣れない接待にクタクタの私に気が付いたレオナルド様が、私をイスに座らせ、飲み物を取りにってくれた。本当に優しいわね。
「君は確かオリビア殿下だよね。こんばんは、俺はエレフセリア王国の王太子、グレース・ツゥル・エレフセリアだ。よろしくね」
私に話しかけてきたのは、青い髪に緑の瞳をしたエレフセリア王国の王太子殿下だ。
「お初にお目にかかります。私はあなた様がおっしゃった通り、ペリオリズモス王国の第一王女、オリビア・ディア・ペリオリズモスです」
急いで立ち上がり、カーテシーを決める。
「君の事は知っているよ。9歳までエレフセリア王国にいたんだよね。さっきから一緒にいる男性は、君の友達かい?確かペリオリズモス王国の国王陛下が、娘には婚約者はしばらくは作らないと言っていたから」
お父様ったら、エレフセリア王国の王太子殿下に、そんな話をしたのね。
「ええ…幼馴染ですわ」
「そうなんだね。それにしても美しいね…ねえ、今度エレフセリア王国に遊びにおいでよ。9歳まで俺の国にいたのだろう?当時の友人たちもいるのだろう。そうだ、俺が街を案内してあげるよ」
「ありがとうございます…ただ、異国へ行く事を、きっと父は良しとしませんので…」
「そうか…確かに君の父上は、随分と君と君の母上を縛り付けていると聞いたよ。もしかしてさっきまで一緒にいた男性は、君の見張り役かい?」
「いえ、レオナルド様は…」
「オリビア!」
レオナルド様がこちらに向かって走って来たと思ったら、私を背にかばう様にして私たちの間に入った。
「あなた様は、エレフセリア王国のグレース王太子殿下ですね。お初にお目にかかります。私はレオナルド・ミシュラーノと申します」
レオナルド様がすかさず挨拶をした。
「ご丁寧にありがとう。そうか、君はミシュラーノ公爵令息か。ミシュラーノ公爵には何度もあった事があるよ。特に王妃殿下とオリビア殿下を捜索している時に、何度も我が王宮に足を運んでいたのを覚えている」
「人を探す場合、その国の王族に挨拶をするのが通例ですからね。あの節は色々と父がお世話になりました」
「まさか我が国に他国の王妃様と王女様が身分を隠して住んでいるなんて、本当にびっくりしたよ。でもそのお陰で、こうして親交を深める事が出来たのだよね。これからは、もっとお互い親交を深めて行けたらと、父上が言っていたよ」
「そうですか。それは光栄な事です。それでは、私たちはこの辺で失礼いたします」
グレース王太子殿下に頭を下げ、私を連れてその場を去るレオナルド様。私もぺこりとグレース様に頭を下げた。
そしてそのままなぜかホールから出ていく。この瞳、間違いなく怒っているわ。
ホールの外に出ると、クルリと私の方を向いた。
「オリビア!君は何を…」
「ごめんなさい。急に話しかけられて、どうしていいか分からなかったの!」
怒られる前に素直に謝った。これで許してくれるかしら?チラリとレオナルド様の方を見る。
「…僕の方こそ、ごめん。君から目を離した僕の責任だ。まさかエレフセリア王国の王太子に目を付けられるなんて…とにかく、今日はもう部屋に戻ろう」
「え…でも、まだ夜会は…」
「もう十分挨拶もしたし、問題ないだろう。さあ、オリビア、部屋まで送ってあげるよ」
やっぱり怒っているわ。きっと私が、約束を破って他国の王族と話をしたからね…
それにしても、レオナルド様以外の殿方とあんなに話しをしたのは、初めてだわ。それに、一日中気を張り詰めていたから、かなり疲れた。今日はゆっくり休もう。
ふと舞台のそでを見ると、レオナルド様がいた。優しい表情でこちらを見つめている。あんなところで見守ってくれていたのね。
レオナルド様の姿を見たら、なんだか少しだけ気持ちが落ち着いた。そもそも私は立っているだけだし。
そしていよいよ式典が始まり、お父様の挨拶と、シャルルの紹介が行われた。周りから大きな拍手が沸き上がる。そしてなぜか、私とお母様も紹介された。もう、私たちの紹介があるのなら、改めて教えておいて欲しかったわ!
そう思いつつ、お母様と一緒に頭を下げた。
何だかんだであっという間に式典は終わった。
式典が終わると、すぐにレオナルド様の元へと向かう。
「レオナルド様、私、どうだったかしら?変なところはなかった?」
「ああ、大丈夫だったよ。ただ…王子たちが君を凝視していたのが気になったが…まあ、致し方ないね。大仕事で疲れただろう。夜会まではまだ時間がある、少しゆっくりしよう。そうだ、僕がお茶を飲ませてあげるよ。お菓子もあるよ。ドレスが汚れたら大変だから、ナプキンを使おう」
なぜか甲斐甲斐しくお世話をしてくれるレオナルド様。そんなレオナルド様にそっと寄り添った。やっぱりレオナルド様の傍にいると、落ち着く。
そして始まった夜会。どうやら親と子供は別々で行動する様で、お父様とお母様は各王族たちに挨拶に向かっている。シャルルはまだ子供という事で、夜会には参加していない。
私はと言うと、レオナルド様の隣をしっかりキープしている。
「オリビア、他国の王族に話しかけられると面倒だから、ダンスでも踊ろう。あれだけ練習したのだから、僕たちの息の合ったダンスを皆に見せないとね」
そう言って私を連れ出したレオナルド様。音楽に合わせてゆっくり踊る。
「オリビアは相変わらずダンスが上手だね。皆こっちを見ているよ。僕たちの息の合ったダンスを、もっと皆に見せつけてやろう」
耳元で呟くレオナルド様。その言葉通り、周りの王族たちが私たちに注目している。なんだか楽しくなってきて、結局3曲連続で踊った。
ダンスが終わると、続々と王子様や王女様が挨拶に来てくれた。明らかにレオナルド様をうっとり見つめている王女様もいたが、私がレオナルド様に寄り添い、仲睦まじい姿を見せたら、そそくさと去って行った。
やっぱり、私たちの仲睦まじい姿を見せると、皆諦めるのね。
「色々な王族と話をして、疲れただろう。飲み物を持ってくるから、ここで待っていてくれ」
慣れない接待にクタクタの私に気が付いたレオナルド様が、私をイスに座らせ、飲み物を取りにってくれた。本当に優しいわね。
「君は確かオリビア殿下だよね。こんばんは、俺はエレフセリア王国の王太子、グレース・ツゥル・エレフセリアだ。よろしくね」
私に話しかけてきたのは、青い髪に緑の瞳をしたエレフセリア王国の王太子殿下だ。
「お初にお目にかかります。私はあなた様がおっしゃった通り、ペリオリズモス王国の第一王女、オリビア・ディア・ペリオリズモスです」
急いで立ち上がり、カーテシーを決める。
「君の事は知っているよ。9歳までエレフセリア王国にいたんだよね。さっきから一緒にいる男性は、君の友達かい?確かペリオリズモス王国の国王陛下が、娘には婚約者はしばらくは作らないと言っていたから」
お父様ったら、エレフセリア王国の王太子殿下に、そんな話をしたのね。
「ええ…幼馴染ですわ」
「そうなんだね。それにしても美しいね…ねえ、今度エレフセリア王国に遊びにおいでよ。9歳まで俺の国にいたのだろう?当時の友人たちもいるのだろう。そうだ、俺が街を案内してあげるよ」
「ありがとうございます…ただ、異国へ行く事を、きっと父は良しとしませんので…」
「そうか…確かに君の父上は、随分と君と君の母上を縛り付けていると聞いたよ。もしかしてさっきまで一緒にいた男性は、君の見張り役かい?」
「いえ、レオナルド様は…」
「オリビア!」
レオナルド様がこちらに向かって走って来たと思ったら、私を背にかばう様にして私たちの間に入った。
「あなた様は、エレフセリア王国のグレース王太子殿下ですね。お初にお目にかかります。私はレオナルド・ミシュラーノと申します」
レオナルド様がすかさず挨拶をした。
「ご丁寧にありがとう。そうか、君はミシュラーノ公爵令息か。ミシュラーノ公爵には何度もあった事があるよ。特に王妃殿下とオリビア殿下を捜索している時に、何度も我が王宮に足を運んでいたのを覚えている」
「人を探す場合、その国の王族に挨拶をするのが通例ですからね。あの節は色々と父がお世話になりました」
「まさか我が国に他国の王妃様と王女様が身分を隠して住んでいるなんて、本当にびっくりしたよ。でもそのお陰で、こうして親交を深める事が出来たのだよね。これからは、もっとお互い親交を深めて行けたらと、父上が言っていたよ」
「そうですか。それは光栄な事です。それでは、私たちはこの辺で失礼いたします」
グレース王太子殿下に頭を下げ、私を連れてその場を去るレオナルド様。私もぺこりとグレース様に頭を下げた。
そしてそのままなぜかホールから出ていく。この瞳、間違いなく怒っているわ。
ホールの外に出ると、クルリと私の方を向いた。
「オリビア!君は何を…」
「ごめんなさい。急に話しかけられて、どうしていいか分からなかったの!」
怒られる前に素直に謝った。これで許してくれるかしら?チラリとレオナルド様の方を見る。
「…僕の方こそ、ごめん。君から目を離した僕の責任だ。まさかエレフセリア王国の王太子に目を付けられるなんて…とにかく、今日はもう部屋に戻ろう」
「え…でも、まだ夜会は…」
「もう十分挨拶もしたし、問題ないだろう。さあ、オリビア、部屋まで送ってあげるよ」
やっぱり怒っているわ。きっと私が、約束を破って他国の王族と話をしたからね…
それにしても、レオナルド様以外の殿方とあんなに話しをしたのは、初めてだわ。それに、一日中気を張り詰めていたから、かなり疲れた。今日はゆっくり休もう。
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