あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです

Karamimi

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第20話:シャーラ嬢が憎い~アルト視点~

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「殿下、カナリア様の様子ですが…申し訳ございません。公爵家の警備が非常に厳重なのと、公爵家一帯に電波を妨害する装置が付けられていて、カナリア様が公爵家でどのように過ごしているかを、把握する事は出来ませんでした」

 申し訳なさそうに、執事が報告してきた。

「やはりそうか…公爵め、どこまでも僕からカナリアを奪うつもりだな」

 貴族学院に入学してからしばらくは、カナリアは僕の言う事を聞き、大人しくしてくれていた。でも、あの日を境に、またカナリアの様子がおかしくなったのだ。

 あの日とは、シャーラ嬢とカナリアが抱き合っていた日だ。あの日僕は、いつもの様に面倒な生徒会の仕事を押し付けられていた。カルアとアクアは、大した用事もないのにしょっちゅう僕を呼び出すのだ。

 カナリアが心配で、カナリアには護衛を密かに付けている。さらに、どこにいるか居場所が特定できるブローチ型の機械も、密かに付けさせているのだ。ただ、いつもカナリアの居場所を確認できるわけではない。

 アクアとカルアの人使いが荒く、機械を見る暇も与えてくれないのだ。こいつら、何が何でもカナリアと僕を引き裂こうとしているに違いない!この日も確認できないまま、こき使われていた。

 その時だった。僕の通信機が鳴ったのだ。僕の通信機が鳴るという事は、カナリアに何かあった時だ!

 すぐにカナリアの居場所を確認すると、何と中庭の奥の方にいるではないか。どうしてこんな場所に、カナリアが?

 いてもたってもいられず、すぐに僕は中庭へと急いだ。後ろで皆が何か叫んでいるが、今はそれどころではない。もしかして、僕の可愛いカナリアを誘拐する不届き者がいたのか?それとも、カナリアを虐める悪い奴がいたのか?

 確かカナリアはここら辺にいるはず…

 いた!

 ただ…どうしてカナリアがシャーラ嬢を、抱きしめているのだ?

 どうして…

 おのれシャーラ嬢め、僕からカナリアを奪おうとするだなんて!もしかしてカナリアとシャーラ嬢は、知り合いだったのかもしれない。確か入学式の時も、シャーラ嬢をカナリアは見つめていた。

 あの女!絶対に許せない!

 急いでカナリアからシャーラ嬢を引き離すと、すぐにカナリアを連れて馬車に乗り込んだ。そしてカナリアには、二度とあの女には近づかないように、強く伝えた。

 僕からカナリアを奪おうとするのは、男だけでなかったのだ。完全に油断していた。とにかくシャーラ嬢には、カナリアには近づかないように釘を刺しておかないと!

 そう思い、翌日早く学院に着くと、シャーラ嬢を待ち伏せした。そして、校舎裏へと連れていく。

「シャーラ嬢、君は一体どういうつもりだい?僕の可愛いカナリアに抱き着くだなんて!もしかして、僕からカナリアを、奪い取るつもりなのかい?」

 極力冷静に話そうと思っていたが、この女の顔を見たら、怒りを爆発させそうになってしまった。それでも僕なりに、冷静に話しをする様に心掛けた。

「そんな…あの日は侯爵令嬢の方たちに呼び出されて…酷い事を沢山言われていたところを、カナリア様に助けていただいただけです。恐怖で震え涙する私を、カナリア様は優しく抱きしめて下さいました。ただそれだけです」

「ただそれだけ?ふざけるな!今嬉しそうに、カナリアの話をしていたではないか?貴様、カナリアの優しさに付けこみ、僕からカナリアを奪うつもりだな!絶対にカナリアは渡さないからな。二度とカナリアには、近づかないでくれ!」

 感情が爆発した僕は、ついにこの女を怒鳴りつけてしまった。さすがに令嬢に怒鳴るだなんて大人げないが、カナリアの事となれば話は別だ。絶対にこんな女なんかに、カナリアを渡さない!

 ただ、僕が怒鳴った事がよほど怖かったのか、ポロポロと涙を流し出したのだ。

 その時だった。

「アルト、お前は何をやっているのだ?シャーラ嬢、大丈夫かい?」

 僕たちの前に現れたのは、何とシモンだ。何を思ったのかシモンは、この女を抱きしめたのだ。

「シモン、君は一体何をやっているのだい?どうしてこの女…失礼、シャーラ嬢を抱きしめているのだい?」

「アルトこそ、シャーラ嬢を呼び出して、何を泣かせているのだよ!大方昨日の件だろう?カナリア嬢はただ、シャーラ嬢がイジメられていたから助けただけだ。彼女は昔から正義感が強かっただろう?それをお前は、訳の分からん嫉妬をして。さすがにみっともないぞ」

「何がみっともないだ!とにかく二度とカナリアには近づかないでくれ。それじゃあ、僕はもう行くから」

 そう言って2人の傍を離れた。そうか、シモンはあの女の事が好きなのだな。あんな女のどこがいいのだろう。でも、シモンがあの女とくっ付いてくれたら、僕にとってもメリットが大きい。よし、シモンを応援しよう。

 それよりもカナリアだ。もうカナリアは、学院に着いている頃だろう。急いで居場所を特定する機械で確認すると、やはり学院に来ている様だ。でも、どうしてこんなところにいるのだろう。

 なぜかカナリアは、校舎裏にいたのだ。僕は急いでカナリアの元へと向かった。
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