これ以上私の心をかき乱さないで下さい

Karamimi

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第66話:それぞれの想い

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 すると何を思ったのか、3人が私に抱き着いて来たのだ。

「ユーリのバカ。大丈夫な訳ないでしょう?」

「ごめんね、気が利いた言葉をかけてあげられず、あなたに気を遣わせてしまって」

「私達、ユーリには幸せになって欲しい。だってユーリ、今まで沢山傷ついて来たのですもの。せっかくユーリも幸せになれると思ったのに。それなのに…こんな事ってないわ」

「皆…」

「私達、ユーリには誰よりも幸せになって欲しいと思っていた。アレックス様の件で、ユーリが苦しそうな姿をずっと見て来たから」

「ディアン様が現れた時、やっとユーリも幸せになれると皆で喜んだのよ。婚約した時は、本当に嬉しかった。それなのに…」

「神様は意地悪よ。どうしてこんなにユーリを虐めるの?ユーリが一体何をしたというの?ユーリは本当にいい子なのに…それなのにどうして」

 この子達は、どこまでいい子たちなのだろう。いつも私の事を考え、寄り添ってくれる大切な友人。

「皆、ありがとう。私の事をそんな風に思っていてくれて、私は本当に幸せだわ。私もね、どうしてディアンがこんな目に遭わないといけないの?やっと幸せになれると思ったのに…そう思って、一昨日からずっと泣いてばかりだった。包帯グルグル巻きの姿に絶望し、このまま死んでしなったら…そんな恐怖に押しつぶされそうだったの。今でも正直怖いわ。このままディアンが目覚めなかったら、どうしようって…」

「そんな、ディアン様はきっと目覚めるわ。あなたが信じなくて、どうするの?」

「ありがとう、リリアン。そうよね、私が信じなくてどうするのよね。こうやって弱気になっている私に、喝を入れているあなた達の存在が、私にとっていかに支えになっているか。皆、いつも私を支えてくれて、ありがとう。いつも心配ばかりかけて、本当にごめんね」

 私はいつでも友人たちに、心配をかけてばかりだ。でも、そんなどうしようもない私を、彼女たちはいつも支えてくれる。彼女たちの存在が、私の支えになってくれえる。それは嬉しいが、これ以上彼女たちに心配をかけたくはない。

「それじゃあ私は、そろそろ行くわね。わざわざお見舞いに来てくれて、ありがとう」

「こちらこそ、お見送りありがとう。ユーリ、辛いだろうけど、気を確かにね」

「何かあったら、いつでも相談して。1人で抱え込もうとしたらダメよ」

「私たちは、いつでもあなたの味方よ。それだけは忘れないで」

「ありがとう、皆」

 心配そうな顔をした友人たちを笑顔で見送ったあと、急いで病室へと戻る。

「お待たせして…」

「ディアン、どうしてだよ。なんで目を覚まさないんだよ。やっとユーリとディアンを祝福できる程、心も落ち着てきたのに…僕と約束したじゃないか!絶対にユーリを泣かせないって。ユーリ、泣いているぞ。こんなんじゃあ僕、ディアンの事ぶっ飛ばさないといけないじゃないか…」

 ディアンに向かって、泣きながら訴えているアレックス様。

「ディアン、起きてよ。ユーリが泣いているよ。ディアンが起きないと、僕はユーリの事、諦められなくなるじゃないか。頼むよ、ディアン…起きてくれよ」

 何度も何度もディアンに泣きながら訴えるアレックス様の姿を見たら、胸が張り裂けそうになり、そのままそっとドアを閉めた。

 そうよね…

 アレックス様にとっても、ディアンはかけがえのない大切な幼馴染であり友人だ。私にはわからない、男同士の友情があるのだろう。

 それにしても、アレックス様があんな風に感情を表すだなんて…

 アレックス様の涙を思い出し、再び私も涙が溢れだした。

 ディアン、苦しいよ…私、一体どうしたらいいの?アレックス様も悲しんでいるよ。レーナたちも、とても心配している。私だって、不安でたまらない。

 ディアン、お願い。目覚めて、苦しいよ。悲しいよ。あなたを失うかもしれないと思うと、怖いよ…

 私は今後、どうすればいい?

 心の中で何度も何度もディアンに話しかける。

 そうか…私はディアンがいないと、何も出来ないんだ…ディアンがいたから、アレックス様の事も諦める事が出来た。ディアンが傍で支えてくれたから、今の私がある。

 今の私は、ディアンがいないと何もできない、愚かな人間…ディアン、お願い。私、ディアンがいないと、生きる事も辛い。

 でも…このままではいけないのよね。

 いつまでも泣いていてはいけない。ディアンが目覚めた時、胸を張れる様に…

 その為に、私は一体何が出来るのだろうか…
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