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第19話:デイズお兄様と公爵邸を見て回ります
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翌日、朝早く起きた私は、領地の中庭を散歩する。自然豊かな領地は、本当に空気が美味しい。
「フランソア、おはよう。また勝手に部屋から出て!」
「おはようございます、デイズお兄様。あら、領地に来たら自由に動き回ってもいいとおっしゃったではありませんか?」
「僕はそんな事は言っていないよ。本当にフランソアは。今日は公爵家の屋敷をゆっくり見学させてもらおうと思ってね。フランソアも案内してくれるだろう?」
「ええ、もちろんですわ。公爵家の屋敷内には小さな牧場もあって、馬や牛、ヤギなどもいるのですよ」
「馬か、それは楽しみだな。それじゃあ、早く朝食を食べてしまおう。さあ、行こうか」
デイズお兄様といつもの様に手を繋いで、食堂へと向かい、朝食を頂いた。食後は2人で公爵家内を見て回る。私も8年ぶりとあって、覚えていない個所もあり、使用人たちが案内してくれた。
「こちらが公爵家で管理している畑です。ここでは新鮮な野菜を毎日食べられる様に、沢山の野菜を育てているのです。あっちは果物園ですわ」
「しばらく来ない間に、こんな場所が出来ていたのね。どれも美味しそうだわ」
いつの間にかこのような場所が出来ていたのね。だから昨日の夕食のお野菜も、新鮮でおいしかったのね。
「せっかくだから、こちらの野菜を試食してみますか?」
そう言って私とデイズお兄様にキュウリ渡してくれたのだ。でも、どうやって食べるのかしら?困惑している私に
「こうやって丸かじりして食べるのだよ」
そう言うと、デイズお兄様がキュウリをかじったのだ。さすがに私は令嬢だ。丸かじりだなんて…そう思って躊躇していると
「みずみずしくて本当に美味しいよ。ほら、フランソアも食べてみて。ここには僕と使用人しかいないのだから。ほら、早く」
デイズお兄様に促される。う~ん、まあいいか。そう思い、意を決してキュウリにかぶりつく。
「このキュウリ、みずみずしくて美味しいですわ。こんなに美味しいキュウリは初めて食べました」
「それはよかった。それじゃあ、こっちのトマトも頂いてみよう。食べてもいいよね?」
「もちろんですわ。お好きな野菜を試食してください。あちらには果物もありますから」
そう言って使用人が微笑んでいる。せっかくなので、その後トマトも頂いた。そして果物園では、桃やメロンも頂く。少々はしたないが、とれたての野菜や果物は本当に美味しい。
「次はフランソアが話していた牧場に行ってみよう」
使用人に案内してもらい、牧場へとやって来た。
「見て下さい、デイズお兄様。たくさんの動物たちがいるでしょう?」
得意げに紹介した。ただ、私が8年前に来た時よりも、明らかに牧場の規模が大きくなっているし、動物たちも増えている。
「この牧場では牛や馬、豚や鶏などたくさんの動物たちがおります。今朝お嬢様やお坊ちゃまがお飲みになった牛乳も、搾りたてを提供しております。さらにバターやチーズも全て手作りしております」
「まあ、それでいつもより牛乳が美味しかったのね。いつの間にか領地の公爵家もすっかり変わってしまったのね…」
8年も経っているのだから、当たり前と言えば当たり前の事だが。本当に月日が経つのは早いものだ。
「フランソア、せっかくだから乳しぼりの体験をさせてもらおう。領地に来たのだから、出来る事は色々と体験しないと勿体ないだろう?いいかな?」
「もちろんです、すぐに準備をいたしますので」
そう言うと、使用人がすぐに準備をしてくれた。早速乳しぼり体験だ。
「このように人差し指から順番に優しく握る様に搾ってください。あまり力を入れすぎない様にしてくださいね」
使用人に説明を受け、まずはデイズお兄様が搾っていく。
「これは難しいな。あっ、でも少しずつコツが掴めて来たよ」
なんだかんだ言って上手に絞っているお兄様。さすがだ。
次は私が搾る。なんだか緊張してきたわ。さっき教えてもらった通りに、ゆっくり人差し指、中指、薬指、小指の順で優しく握っていく。すると、ピュッとミルクが出たのだ。
「デイズお兄様、ミルクが出ましたわ」
「よかったね、フランソア。もっと搾って行こう」
そうね、せっかくなら、今日の夕食に頂けるくらい搾りたい。そう思い、2人で搾って行く。
「お2人ともお疲れ様です。こちらは今夜の夕食のお料理で使わせていただきますね」
どうやら私たちが搾ったミルクは、お料理で使ってもらえる様だ。
「フランソア、次は馬に乗ろう。さすがにその格好では乗れないから、着替えておいで」
「まあ、馬にですか?それは素敵ですわ。すぐに着替えて参りますね」
すぐにズボンに着替え、デイズお兄様の元へと向かう。
「どうですか?ズボンなんて履いたことがないので、なんだか変な感じがしますわ」
「よく似合っているよ。さあ、こっちにおいで」
デイズお兄様にお尻を抑えてもらい、馬にまたがる。
「お兄様、怖いですわ」
「大丈夫だよ」
すぐにお兄様が後ろに乗り込んできてくれた。そして、ゆっくり走り出す馬。少しずつスピードが上がっていく。
「すごいですわ。私、馬に乗っているのですね。気持ちいいわ」
最初は怖かったが、だんだん慣れて来た。少し走った後、馬から降りる。
「デイズお兄様、私も1人で馬に乗れる様になりたいです。せっかく領地に3ヶ月もいるのですもの。ね、いいでしょう?」
「フランソアがやりたいなら、やってみたらいい。まずは馬と仲良くならないとね。乗せてもらった馬に、こうやってブラッシングをしてあげるんだよ」
そう言ってお兄様が、馬にブラシをかけ始めた。私も見よう見まねでブラッシングをかけていく。
「今日は乗せてくれてありがとう。また私を乗せてね」
そう伝え、牧場を後にした。
「さあ、もう日暮れだ。そろそろ屋敷に戻ろう。着替えもしないといけないしね」
「そうですわね。今日はとても楽しかったですわ。明日から乗馬の練習も頑張らないと」
「そうだね、でも、乗馬は危険だから、僕が一緒の時にしようね。わかったかい?」
「ええ、分かりましたわ」
今日はとても楽しかった。領地1日目でこんなに楽しいだなんて。なんだか増々この後の生活が楽しみになって来た。
「フランソア、おはよう。また勝手に部屋から出て!」
「おはようございます、デイズお兄様。あら、領地に来たら自由に動き回ってもいいとおっしゃったではありませんか?」
「僕はそんな事は言っていないよ。本当にフランソアは。今日は公爵家の屋敷をゆっくり見学させてもらおうと思ってね。フランソアも案内してくれるだろう?」
「ええ、もちろんですわ。公爵家の屋敷内には小さな牧場もあって、馬や牛、ヤギなどもいるのですよ」
「馬か、それは楽しみだな。それじゃあ、早く朝食を食べてしまおう。さあ、行こうか」
デイズお兄様といつもの様に手を繋いで、食堂へと向かい、朝食を頂いた。食後は2人で公爵家内を見て回る。私も8年ぶりとあって、覚えていない個所もあり、使用人たちが案内してくれた。
「こちらが公爵家で管理している畑です。ここでは新鮮な野菜を毎日食べられる様に、沢山の野菜を育てているのです。あっちは果物園ですわ」
「しばらく来ない間に、こんな場所が出来ていたのね。どれも美味しそうだわ」
いつの間にかこのような場所が出来ていたのね。だから昨日の夕食のお野菜も、新鮮でおいしかったのね。
「せっかくだから、こちらの野菜を試食してみますか?」
そう言って私とデイズお兄様にキュウリ渡してくれたのだ。でも、どうやって食べるのかしら?困惑している私に
「こうやって丸かじりして食べるのだよ」
そう言うと、デイズお兄様がキュウリをかじったのだ。さすがに私は令嬢だ。丸かじりだなんて…そう思って躊躇していると
「みずみずしくて本当に美味しいよ。ほら、フランソアも食べてみて。ここには僕と使用人しかいないのだから。ほら、早く」
デイズお兄様に促される。う~ん、まあいいか。そう思い、意を決してキュウリにかぶりつく。
「このキュウリ、みずみずしくて美味しいですわ。こんなに美味しいキュウリは初めて食べました」
「それはよかった。それじゃあ、こっちのトマトも頂いてみよう。食べてもいいよね?」
「もちろんですわ。お好きな野菜を試食してください。あちらには果物もありますから」
そう言って使用人が微笑んでいる。せっかくなので、その後トマトも頂いた。そして果物園では、桃やメロンも頂く。少々はしたないが、とれたての野菜や果物は本当に美味しい。
「次はフランソアが話していた牧場に行ってみよう」
使用人に案内してもらい、牧場へとやって来た。
「見て下さい、デイズお兄様。たくさんの動物たちがいるでしょう?」
得意げに紹介した。ただ、私が8年前に来た時よりも、明らかに牧場の規模が大きくなっているし、動物たちも増えている。
「この牧場では牛や馬、豚や鶏などたくさんの動物たちがおります。今朝お嬢様やお坊ちゃまがお飲みになった牛乳も、搾りたてを提供しております。さらにバターやチーズも全て手作りしております」
「まあ、それでいつもより牛乳が美味しかったのね。いつの間にか領地の公爵家もすっかり変わってしまったのね…」
8年も経っているのだから、当たり前と言えば当たり前の事だが。本当に月日が経つのは早いものだ。
「フランソア、せっかくだから乳しぼりの体験をさせてもらおう。領地に来たのだから、出来る事は色々と体験しないと勿体ないだろう?いいかな?」
「もちろんです、すぐに準備をいたしますので」
そう言うと、使用人がすぐに準備をしてくれた。早速乳しぼり体験だ。
「このように人差し指から順番に優しく握る様に搾ってください。あまり力を入れすぎない様にしてくださいね」
使用人に説明を受け、まずはデイズお兄様が搾っていく。
「これは難しいな。あっ、でも少しずつコツが掴めて来たよ」
なんだかんだ言って上手に絞っているお兄様。さすがだ。
次は私が搾る。なんだか緊張してきたわ。さっき教えてもらった通りに、ゆっくり人差し指、中指、薬指、小指の順で優しく握っていく。すると、ピュッとミルクが出たのだ。
「デイズお兄様、ミルクが出ましたわ」
「よかったね、フランソア。もっと搾って行こう」
そうね、せっかくなら、今日の夕食に頂けるくらい搾りたい。そう思い、2人で搾って行く。
「お2人ともお疲れ様です。こちらは今夜の夕食のお料理で使わせていただきますね」
どうやら私たちが搾ったミルクは、お料理で使ってもらえる様だ。
「フランソア、次は馬に乗ろう。さすがにその格好では乗れないから、着替えておいで」
「まあ、馬にですか?それは素敵ですわ。すぐに着替えて参りますね」
すぐにズボンに着替え、デイズお兄様の元へと向かう。
「どうですか?ズボンなんて履いたことがないので、なんだか変な感じがしますわ」
「よく似合っているよ。さあ、こっちにおいで」
デイズお兄様にお尻を抑えてもらい、馬にまたがる。
「お兄様、怖いですわ」
「大丈夫だよ」
すぐにお兄様が後ろに乗り込んできてくれた。そして、ゆっくり走り出す馬。少しずつスピードが上がっていく。
「すごいですわ。私、馬に乗っているのですね。気持ちいいわ」
最初は怖かったが、だんだん慣れて来た。少し走った後、馬から降りる。
「デイズお兄様、私も1人で馬に乗れる様になりたいです。せっかく領地に3ヶ月もいるのですもの。ね、いいでしょう?」
「フランソアがやりたいなら、やってみたらいい。まずは馬と仲良くならないとね。乗せてもらった馬に、こうやってブラッシングをしてあげるんだよ」
そう言ってお兄様が、馬にブラシをかけ始めた。私も見よう見まねでブラッシングをかけていく。
「今日は乗せてくれてありがとう。また私を乗せてね」
そう伝え、牧場を後にした。
「さあ、もう日暮れだ。そろそろ屋敷に戻ろう。着替えもしないといけないしね」
「そうですわね。今日はとても楽しかったですわ。明日から乗馬の練習も頑張らないと」
「そうだね、でも、乗馬は危険だから、僕が一緒の時にしようね。わかったかい?」
「ええ、分かりましたわ」
今日はとても楽しかった。領地1日目でこんなに楽しいだなんて。なんだか増々この後の生活が楽しみになって来た。
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