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10話/12話
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懺悔室の扉を少し開けて覗いてみると、汗だくになって叫ぶ男性の姿があった。
「魔王が死んで居なくなったはずの魔物が、再び現れたんだ! 今、この街は大群に襲われている!」
(魔物の大群ですって!? いったいどうして……)
「このままだと、この街は壊滅してしまう!」
そんな……魔王はたしかに目の前で死んだはずなのに――。
いや、今はそんなことを考えている暇はない! 私は懺悔室から飛び出すと、そのまま教会の外へと向かった。
するとそこには、確かに魔物たちの姿があった。しかもその数は1匹2匹なんてものじゃない。軽く見ても100匹以上は居るだろう。
「みんな! 教会の中へ! 動ける人は、動けない人を連れて! 女子供を優先的に避難させるのよ!」
私がそう叫ぶと、魔物に怯えていた人たちも動き始めた。私の顔を見て不思議そうにする人もいるけれど、今は緊急事態。気にせず怪我人の処置をしなくっちゃ!
「あ、あの……貴女は?」
「私はこの教会のシスターです。今は細かいことは気にしないでください」
私は戸惑う男性を急かして、教会の中へ避難させた。そして動ける女性や子供たちに怪我人の処置をさせるように指示を出していく。
(だけど魔物の数が多過ぎる!)
教会の中に居るだけでは安全とは言えない状況だ。それに街の外に居る魔物たちは、今もなお進行を続けているだろう。
「……でも私がやるっきゃない」
魔王討伐では後方支援が担当だったけれど、そうも言ってられない状況だ。これでも戦闘の心得がまったく無いわけじゃないからね。
自室のクローゼットで眠らせていた杖を取り出し、私は再び戦場へと舞い戻る。
魔物を魔法で蹴散らし、途中で見掛けた怪我人には治療を。とにかく目に入ったものを片っ端から処理していく。
「――っ!! もうっ、キリがない!」
いったいどこから湧いてくるのか、魔物の数がひとりでは抑えきれなくなってきた。こんなとき、相棒が居てくれたら――。
「お待たせしてすみません、レイ。遅くなりました!」
「魔王が死んで居なくなったはずの魔物が、再び現れたんだ! 今、この街は大群に襲われている!」
(魔物の大群ですって!? いったいどうして……)
「このままだと、この街は壊滅してしまう!」
そんな……魔王はたしかに目の前で死んだはずなのに――。
いや、今はそんなことを考えている暇はない! 私は懺悔室から飛び出すと、そのまま教会の外へと向かった。
するとそこには、確かに魔物たちの姿があった。しかもその数は1匹2匹なんてものじゃない。軽く見ても100匹以上は居るだろう。
「みんな! 教会の中へ! 動ける人は、動けない人を連れて! 女子供を優先的に避難させるのよ!」
私がそう叫ぶと、魔物に怯えていた人たちも動き始めた。私の顔を見て不思議そうにする人もいるけれど、今は緊急事態。気にせず怪我人の処置をしなくっちゃ!
「あ、あの……貴女は?」
「私はこの教会のシスターです。今は細かいことは気にしないでください」
私は戸惑う男性を急かして、教会の中へ避難させた。そして動ける女性や子供たちに怪我人の処置をさせるように指示を出していく。
(だけど魔物の数が多過ぎる!)
教会の中に居るだけでは安全とは言えない状況だ。それに街の外に居る魔物たちは、今もなお進行を続けているだろう。
「……でも私がやるっきゃない」
魔王討伐では後方支援が担当だったけれど、そうも言ってられない状況だ。これでも戦闘の心得がまったく無いわけじゃないからね。
自室のクローゼットで眠らせていた杖を取り出し、私は再び戦場へと舞い戻る。
魔物を魔法で蹴散らし、途中で見掛けた怪我人には治療を。とにかく目に入ったものを片っ端から処理していく。
「――っ!! もうっ、キリがない!」
いったいどこから湧いてくるのか、魔物の数がひとりでは抑えきれなくなってきた。こんなとき、相棒が居てくれたら――。
「お待たせしてすみません、レイ。遅くなりました!」
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