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映えたよね

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 私達は、カフェでコーヒーを軽く飲んだ後で、皆でサムギョプサルが美味しい所へ行った。

 もうね、もうね、そこのサムギョプサルが今まで食べたサムギョプサルがスゲー美味しいの。
外がカリッとして、中がジュワーとして、厚切りだったけど、2人前食べちゃったよね。
パンチャンも美味しくておかわりしちゃッたよね。
ビールが最高に合って、ウマ、ウマ、馬ーーーー。

 ちょっと待てよ。うーーーんと、確か、ソンジュン、君、君、怪我して大変だったんじゃなかったのかい。

 ジーッと彼を見てたら、なんだか泣けてきちゃって、号泣しちゃったの。
だって、もう少しで、女の子の日だもん。
情緒不安定になるものなの。
仕方ないっしょ。


 いや、違う。ホントに心配してたから。ずっと、ずっと頭の中は、彼の事でいっぱいだった。
撃たれたって言われたからじゃない。
その前から、頭の中は、彼の事でいっぱいだった。
大袈裟だけど、彼とずっと永遠に一緒にいるんじゃないかな、と直感で思ってた。
わたし、キモッ!!!
あ、あのさーーー、自分で恋愛の気分ぶち壊すのやめとこっか、ウンウン!!!

 それよりよ、それより、ソンジュンの同僚君よ。なぜ、あんな嘘ついたんさ。言ってみ。言ってみ。

 同僚君を睨み付けてたら、ソンジュンが微笑んで言ったの。
「本当に怪我してたんだよ。でも、そんなに大怪我じゃなかったんだけどね」
そう言うと、彼は、羽織ってたワイシャツを脱いでタンクトップになって、包帯を巻いているのを見せてくれた。
本当だったんだ。
ごめん、ていうか、私は、訓練で鍛え抜かれた筋肉に目がいってしまう。


 女子は、みんな、男の鍛え上げられた筋肉がすき、キュン!!!!

 大袈裟にいった同僚君は、バツが悪いのか、そそくさと帰っていった。

 その途端、ソンジュンが私にニコリと笑いかけた。
 クソーッ!これが作戦か。帰るつもりはないんだよ。帰るつもりはさらさらないんだよ。試しに立って、彼に背を向けた。

 彼は、慌てて、私の片方の手首を掴んで言った。
「カエラナイデクダサイ」

 ねえねえ、こういう時のカタコト日本語ずるいんだが。かわゆ過ぎるんだが。

 私は、振り返って、仕方ないなって感じでボソッと言ったの。
「わかった、、、帰らないよ」

 私は、彼と彼のマンションに向かった。
もちろん、そういう事は、そういう事だって、覚悟してね……。

 私は、サムギョプサルと一緒に呑んでた韓国のビールが美味しくて、かなり、酔っぱらっちゃってたんだけど、お酒の勢いっていうのは、やっぱり、ヤかな。

 彼は、部屋の中に入ると、私のおでこにキスしてきた。
やっぱり、そうか、そういう事か、、、
そして、手をギュッと握ってきた。


 ウワーーー、はじまる!!!!


 すると、すると、彼は、な、なんと、その手を離して、水を持ってきた。
「葵さん、水飲んで、飲み過ぎだよ」
私は、真っ赤な顔を更に真っ赤にして、頷いた。
「ごめん、ありがと……」
ジーッと彼が私を見つめた。


 オー! 今度こそだね! 勝負じゃ! うん? なんの勝負してるんだか、私は!

 「面白い動画あるんだけど、観ようか? 葵さん」


 なにこれ、じらし、じらし作戦? それからだよね! ね! ね!

 しばらく、私達は、その韓国人のコメディアンらしき人がやっている動画を笑いながら見てた。
言葉は、わからないけど、そのコメディアンの動きが面白くて、なんとなく通じて笑えた。

 彼がまた、ジーッと私を見た。
「葵さんは、カワイイデス。私の好きなアイドルに凄い似てます。本当にカワイイデス」

 うん? それって微妙……そのアイドルに似てるからなの? それって微妙じゃない? うーーーん!
でもね!でも!日本人ってあまり褒めてくれない感じするし、車道側歩いてくれるし、さりげなく守ってくれる感じが韓国人っぽなところかな?

 私は、お酒を飲んだせいか、いつの間にか眠ってしまった。
でも、1時間後には、なんだか、ふと目を覚ました。

 私は、ソファーの上で眠ってしまったらしい。
でも、ぐっすりでは、なかったから、彼が私に何もしなかった事は、わかっていた。

 結局、何も起こらずに私達は、朝を迎えた。
あのー、あのーーー、男女2人っきりで何もないってどういう事?


 大事な事忘れてた!!!
私の事、このお方、好きって私に一言も言ってない。
ニャンと、もしや、そういう恋人的な感じでも、ないってこと?

 わからん! わからん! わからん!!!

 私は、仕事に行く彼を見送ると、また、韓国の街中を観光して、日本に帰った。
日本にいる間は、ずっとDMでやり取りをしていた。

 しばらくすると、私の仕事が忙しくなって、そのDMの行き来もなくなった。


 なんとなく、思ってた。これで自然とお別れかな。

 ある日、今度は、彼が日本に来るとDMがきた。
うん? でも、あの同僚と一緒に来るって、、、なぜ……

 私は、成田空港に迎えに行って、東京の浅草や秋葉原を観光で周ったりした。
私は、すっかり、諦めてたから、サバサバサバサバ鯖女でガイドさん並みのテンションでいた。

 3人で、銀座のオシャレなカフェに入った。
同僚君が、ふと言った。
「お前ってさ、好きなヤツいるの?」


 ウンウン!私も聞きたい!!!

「えっ? 葵さんと結婚するつもりだけど!?」
ソンジュンが、首を傾げて言った。



ハーーーーーー!!! け、結婚!? どこがどうやって!? 好きとも言われてないのに!? 何もしてないのに!? 失敬! 自分、はしたなっ!! でも、動揺するワ!!! わかりずらいワ!!!!

「葵さん、ケッコンシテクダサイ」
「ネ!」


 はいって言ったよね私。言ったよね! ね!

 でも、実は、ちょっと彼の気持ちもわかる。私も、ずーーーーと彼の事、会えない時も想ってたから、勝手に愛してたから。

 ただね、結婚詐欺的なロマンス詐欺的な事心配したよね。


 でも、この時から20年経ってまーーーす!!!
2人の子供がいる今も彼とラブです。
私達の人生、映えだよね!

 それはそうと、メニューにそんなに悩むな!

 パリパリ文化どこいった!!
 私は、今でも、彼のこういう感じに悩んでるよねーー。しょうがないよねーーーーー。

 モヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤモヤ





       了


※一応、言っておくけど、今回は、めでたしめでたしだけど、もちろん、気をつけてね!
何がとは、言わないけどーーー。
外国人じゃなくてもね!











 
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