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第六章 その祈り、届かなくとも……
461 大聖堂の庭での再会
呆然としていると、突然勇者が駆け寄って来てボロボロ泣き出した。
「おい、やめろ、せっかく勇者らしくなって来たのに台無しだぞ!」
「師匠、だって、あの時……うぐっ……もう……」
言葉にならないようだ。
「許してやってよ。ここまでずっとほとんど何も口にしてないんだよ。お師匠が心配でさ」
モンクがちょっと優しい顔で勇者を見た。
今までモンクは勇者にあまり深く関わろうとしなかったので、少し意外だ。
なんというか母性を感じる表情だった。
「ここは大聖堂か? 何がどうなってるんだ? 俺達はついさっきまで大連合の聖地にいたんだぞ」
「さぞかしすごい冒険だったんだろうね。後でじっくり話を聞かせてよ。今はミュリア達がいないから私らだけで勝手に楽しむ訳にはいかないしね。そうそう、ダスターさん達をここに呼んだのはきっとミュリアだよ。今、神の盟約にお師匠さんの行方を占ってもらっているところのはずだから。まさかいきなり湧いて出るとは思わなかったけどさ」
テスタが楽しそうに笑った。
湧いて出るとはなんだ。
俺達は虫か何かか?
あと、どうでもいいが俺の肩に顔をうずめて泣いているこの勇者をなんとかして欲しい。
涙と鼻水で酷い有様だぞ。
もともとびしょ濡れだったとは言え、あんまりじゃないか。
「ピャッ!」
「あっ!」
フォルテがガッ! と、鋭い音を立てて勇者の頭を蹴った。
勇者の頭が俺の肩から離れて一瞬ぐらりと傾く。
すぐに体勢を立て直したのはさすがだ。
「フォルテ貴様! 感動の再会の邪魔をするなんて野暮だぞ!」
「ゲッゲゲゲッ! ピャウッ!」
「ガキっぽいとはなんだ! お前のほうがずっと子供だろうが!」
うーん。
賑やかだな。
こいつに比べたらミャアはずっと大人だったよなぁ。
鷹のダックなんか四つしか違わないのに凄い貫禄だったぞ。
「別れの挨拶も出来なかったが、うまく収まったかな」
「きっと大丈夫」
何がとか誰がとか聞くことなく、メルリルがうなずいた。
同じものを見て来たのだ、メルリルだって思うところはあるのだろう。
さて、俺たちが今いるところはどうやら大聖堂のなかの宿泊房のようだった。
このやたら凝った美しい庭には見覚えがある。
そして周囲で少しずつ騒ぎが起きていることもはっきりわかった。
ものすごく戸惑いつつ、神殿騎士がこっちに走って来る。
「ゆ、勇者様……」
ヤバい、いくらなんでも大聖堂の連中に勇者が泣いているなどという状況を見せる訳にはいかない。
まぁ今はフォルテとつかみ合いの喧嘩中なので、涙も引っ込んだようだが、俺は念の為モンクに目配せをした。
案外気の利くモンクはさりげなく手巾を取り出して「顔、汚れてるよ」と勇者に渡す。
勇者が体裁を整えている間、俺が勇者と神殿騎士の間に立ちふさがった。
「あの、あなた、は?」
警戒をしてはいるのだが、勇者と親しいらしいということを見て取って、居丈高な態度は取らず、丁寧に確認して来る。
結界があるはずの大聖堂にいきなり見知らぬ男が現れたらそりゃあ警戒するよな。
そう言えばこの騎士は以前滞在していたときに見たことのない顔だ。
かなり若い。
「俺はダスターと言う。聖者様のご依頼を受けて、勇者御一行と一緒に東方に行っていた冒険者だ」
「えっ、は、はあ」
全部事実なのだが、おそらくは彼の聞きたいこととは違うだろうことはわかる。
なんで突然ここに現れたのかということを知りたいよな。
でもな、俺もそれを知りたいんだ。
聖女が関わっているらしいことはわかったんだが、それを事実と言っていいのかどうかわからんし。
「大丈夫だ。安心するがいい。これは神の御心の成せる御技。神の成したことに人が理由をつけてはならないということは知っているだろう?」
どうやら落ち着いたらしい勇者が後ろから姿を現してそう説明する。
まだ目元と鼻が赤いが、そこはもうどうにもならないし、騎士には脳内補正してもらうしかない。
「は、はい! 了解いたしました。神の御技ならば納得です」
「ああ、場を騒がせたことを謝る。俺たちは部屋に戻るので、何かあったら知らせて欲しい」
「はっ! お任せください!」
初々しいな。
見た感じ二十歳前後か。
勇者と同じぐらいの年頃じゃねえか。
お前同い年にそんなうやうやしく扱われてちゃ、友達もなかなか出来ないよな。
友達と言えばあの後ッエッチ達はどうなんたんだろう?
大丈夫だとは思うが、戦争になっていたら何が起こるかわからないからな。
「し、師匠、……何か凄い残念な相手を見るような視線を感じるんだが」
「勘が鋭くなったな。いいことだ」
「え? そうだろ。俺もだいぶ気配を感じることが出来るようになって来て、扉の外に誰が立っているかだいたいわかるようになった。これ、便利だな」
「お前みたいな立場の人間にはその手のことはかなり有用だろうな。勇者の様子を探りたい奴は多いだろうし」
「相手が悪意を持っているか好意を持っているかとかも、わかるようになると全然違うんだな。今までの俺の鈍さにびっくりするよ」
「そういうのは経験だからな」
大聖堂の宿泊房か、ほんと懐かしいな。
いろいろ話すことも聞くこともあるが、まずは聖女達の帰りを待ってからにするか。
そう言えばこいつ、飯を食ってないとかモンクが言っていたな。
ジロジロと勇者を見てみると、確かに少しやつれているようではあった。
どんな事情があれ戦いを生業とする人間が飯を食わないとか、バカじゃないか?
ちょっとガツンと言ってやらないとな。
そんなことを考えていた俺の耳に、鈴のような精霊の声とは違う、人の暖かさを持った優しい声が届く。
メルリルが楽しげに歌を口ずさんでいたのだ。
その歌に誘われたのか、そよ風が美しい花を浮かべた水面を揺らして踊る。
どうやらメルリルもあの殺伐とした雰囲気から開放されてホッとしているようだ。
俺もずっと緊張続きだったし、少し休ませてもらうのもいいかもしれない。
今は遥かに遠い場所にいる不自由な身体になってしまったミャアと鷹のダックは気になるが、今俺がここで心配したところでどうにもならないしな。
彼らの生きる力を信じるべきだろう。
「おい、やめろ、せっかく勇者らしくなって来たのに台無しだぞ!」
「師匠、だって、あの時……うぐっ……もう……」
言葉にならないようだ。
「許してやってよ。ここまでずっとほとんど何も口にしてないんだよ。お師匠が心配でさ」
モンクがちょっと優しい顔で勇者を見た。
今までモンクは勇者にあまり深く関わろうとしなかったので、少し意外だ。
なんというか母性を感じる表情だった。
「ここは大聖堂か? 何がどうなってるんだ? 俺達はついさっきまで大連合の聖地にいたんだぞ」
「さぞかしすごい冒険だったんだろうね。後でじっくり話を聞かせてよ。今はミュリア達がいないから私らだけで勝手に楽しむ訳にはいかないしね。そうそう、ダスターさん達をここに呼んだのはきっとミュリアだよ。今、神の盟約にお師匠さんの行方を占ってもらっているところのはずだから。まさかいきなり湧いて出るとは思わなかったけどさ」
テスタが楽しそうに笑った。
湧いて出るとはなんだ。
俺達は虫か何かか?
あと、どうでもいいが俺の肩に顔をうずめて泣いているこの勇者をなんとかして欲しい。
涙と鼻水で酷い有様だぞ。
もともとびしょ濡れだったとは言え、あんまりじゃないか。
「ピャッ!」
「あっ!」
フォルテがガッ! と、鋭い音を立てて勇者の頭を蹴った。
勇者の頭が俺の肩から離れて一瞬ぐらりと傾く。
すぐに体勢を立て直したのはさすがだ。
「フォルテ貴様! 感動の再会の邪魔をするなんて野暮だぞ!」
「ゲッゲゲゲッ! ピャウッ!」
「ガキっぽいとはなんだ! お前のほうがずっと子供だろうが!」
うーん。
賑やかだな。
こいつに比べたらミャアはずっと大人だったよなぁ。
鷹のダックなんか四つしか違わないのに凄い貫禄だったぞ。
「別れの挨拶も出来なかったが、うまく収まったかな」
「きっと大丈夫」
何がとか誰がとか聞くことなく、メルリルがうなずいた。
同じものを見て来たのだ、メルリルだって思うところはあるのだろう。
さて、俺たちが今いるところはどうやら大聖堂のなかの宿泊房のようだった。
このやたら凝った美しい庭には見覚えがある。
そして周囲で少しずつ騒ぎが起きていることもはっきりわかった。
ものすごく戸惑いつつ、神殿騎士がこっちに走って来る。
「ゆ、勇者様……」
ヤバい、いくらなんでも大聖堂の連中に勇者が泣いているなどという状況を見せる訳にはいかない。
まぁ今はフォルテとつかみ合いの喧嘩中なので、涙も引っ込んだようだが、俺は念の為モンクに目配せをした。
案外気の利くモンクはさりげなく手巾を取り出して「顔、汚れてるよ」と勇者に渡す。
勇者が体裁を整えている間、俺が勇者と神殿騎士の間に立ちふさがった。
「あの、あなた、は?」
警戒をしてはいるのだが、勇者と親しいらしいということを見て取って、居丈高な態度は取らず、丁寧に確認して来る。
結界があるはずの大聖堂にいきなり見知らぬ男が現れたらそりゃあ警戒するよな。
そう言えばこの騎士は以前滞在していたときに見たことのない顔だ。
かなり若い。
「俺はダスターと言う。聖者様のご依頼を受けて、勇者御一行と一緒に東方に行っていた冒険者だ」
「えっ、は、はあ」
全部事実なのだが、おそらくは彼の聞きたいこととは違うだろうことはわかる。
なんで突然ここに現れたのかということを知りたいよな。
でもな、俺もそれを知りたいんだ。
聖女が関わっているらしいことはわかったんだが、それを事実と言っていいのかどうかわからんし。
「大丈夫だ。安心するがいい。これは神の御心の成せる御技。神の成したことに人が理由をつけてはならないということは知っているだろう?」
どうやら落ち着いたらしい勇者が後ろから姿を現してそう説明する。
まだ目元と鼻が赤いが、そこはもうどうにもならないし、騎士には脳内補正してもらうしかない。
「は、はい! 了解いたしました。神の御技ならば納得です」
「ああ、場を騒がせたことを謝る。俺たちは部屋に戻るので、何かあったら知らせて欲しい」
「はっ! お任せください!」
初々しいな。
見た感じ二十歳前後か。
勇者と同じぐらいの年頃じゃねえか。
お前同い年にそんなうやうやしく扱われてちゃ、友達もなかなか出来ないよな。
友達と言えばあの後ッエッチ達はどうなんたんだろう?
大丈夫だとは思うが、戦争になっていたら何が起こるかわからないからな。
「し、師匠、……何か凄い残念な相手を見るような視線を感じるんだが」
「勘が鋭くなったな。いいことだ」
「え? そうだろ。俺もだいぶ気配を感じることが出来るようになって来て、扉の外に誰が立っているかだいたいわかるようになった。これ、便利だな」
「お前みたいな立場の人間にはその手のことはかなり有用だろうな。勇者の様子を探りたい奴は多いだろうし」
「相手が悪意を持っているか好意を持っているかとかも、わかるようになると全然違うんだな。今までの俺の鈍さにびっくりするよ」
「そういうのは経験だからな」
大聖堂の宿泊房か、ほんと懐かしいな。
いろいろ話すことも聞くこともあるが、まずは聖女達の帰りを待ってからにするか。
そう言えばこいつ、飯を食ってないとかモンクが言っていたな。
ジロジロと勇者を見てみると、確かに少しやつれているようではあった。
どんな事情があれ戦いを生業とする人間が飯を食わないとか、バカじゃないか?
ちょっとガツンと言ってやらないとな。
そんなことを考えていた俺の耳に、鈴のような精霊の声とは違う、人の暖かさを持った優しい声が届く。
メルリルが楽しげに歌を口ずさんでいたのだ。
その歌に誘われたのか、そよ風が美しい花を浮かべた水面を揺らして踊る。
どうやらメルリルもあの殺伐とした雰囲気から開放されてホッとしているようだ。
俺もずっと緊張続きだったし、少し休ませてもらうのもいいかもしれない。
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樋口紗夕
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