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第5章 王都編
迎撃 3
「一族の意向に逆らう愚か者は始末するしかないですねぇ。それとも、ウィルミネアを差し出しますか?」
「……断る」
「フフ。愚かですねぇ、ヴァルター」
「……」
「一族に逆らい、さらに、この数に挑むとは愚の骨頂です」
「うるさい。お前の御託などいらん」
その通り。
相変わらずよく喋るやつだ。
「本当に愚かだ」
「オルセー、無駄話はそれくらいにしておけ。降伏する気がないなら、さっさと片付ければいい」
堂々たる体躯を軽装鎧に包んだもうひとりの騎乗者が吐き捨てる。
「バシモスさん、分かってませんねぇ。これは様式美というやつですよ」
「ふん、くだらん。やるぞ」
「はぁ~、分かりましたよ」
ふたりが馬を降り近づいてくる。
後ろには他の者も従っているが……。
「かわいそうですから、私たちふたりで相手をしてあげます」
本当か?
数の有利を口にしていたのに。
「おい、後ろの者たちも使え」
「私たち2人で充分でしょ。それに、この狭さですよ」
「……」
「では、私はこっちの若い方と戦いますので、バシモスさんはヴァルターをお願いできますか」
「お前はヴァルターとやりたいんじゃないのか?」
「まあ、そうなんですが、こっちの若造とも因縁がありましてねぇ」
「……いいだろう」
「助かります。では、お前たちは少しの間見物していなさい。私とバシモスさんが戦いますから」
本当にふたりだけで戦うのか。
ありがたい。
しかし、オルセーは凄い自信だな。
前回は俺に敗れているというのに。
「……」
また宝具でも持ってきたのか?
持ってるんだろうなぁ。
となると、全く油断はできない。
宝具の恐ろしさは、身に染みて理解している。
バシモスというやつも厄介そうだ。
けど、まあ……。
ヴァルターさんなら何とかするだろう。
もし苦戦するようなら、加勢すればいい。
「それでは、バシモスさん」
「ああ」
俺とオルセー、ヴァルターさんとバシモスがそれぞれ距離をとって対峙する。
「ヴァルターさん、そっちは任せましたよ」
「任せとけ! で、コーキさんは大丈夫なのか?」
既に戦闘準備は済んでいる。
身体は重いが……。
「ええ」
弱気なことは言ってられない。
さて、オルセーと再戦だ。
「自信満々ですねぇ」
「当然だろ。お前には一度勝ってるからな」
「ふふ、生意気なことを」
「……」
「あれは、油断したからですよ。今回は覚悟してください」
確かに、マリスダリスの刻宝で動きを止められた直後に剣を向けられていたら、どうしようもなかっただろうな。
ただ、今の俺はあの時とは違うぞ。
それに、マリスダリスの刻宝もこちらの手の中だ。
「いきますよ!」
ああ、今度こそ決着をつけよう。
「アイスアロー!」
オルセーから発動される氷魔法。
これは前回経験済み。
が、発動は早いし、威力も十分。
やっぱり、大した魔法の腕前だよ。
と!
身体を振ってアイスアローを躱したところに、オルセーの細剣が迫る。
これも前回と同じような剣筋。
鋭い一撃だが。
キン!
引き抜いた剣でオルセーの剣をはね上げ。
そのまま剣を戻し、オルセーに袈裟がけに斬りつける。
オルセーは不十分な体勢。
「っ!」
そこから後ろに跳躍した。
「危ないですねぇ」
「……」
そうだった。
こいつはアクロバティックな動きができるんだったな。
あの打突の体勢から後ろに跳ぶなんて、普通はできない。
大口をたたくだけの実力はある。
魔法も剣も動きも一級品だ。
けどな、俺も前回の対戦時より成長しているんだよ。
問題はない。
体調面を除けばな。
「フフ、やはりあなたの剣は素晴らしい」
「分かっていて、よく向かってきたな」
「私も剣と魔法には自信があったんですが、あなたには勝てないかもしれませんねぇ。ですが……フフ、ハハハ」
以前と同様、嫌な嗤いをしてくれる。
「戦いはそれだけじゃありませんので」
この余裕の理由は。
「また宝具か」
「ご名答です」
その言葉と共にオルセーが俺の前から消え失せた!
宝具発動の文言は唱えていない?
呪文不要の宝具なのか?
「……」
面倒なものを使ってくれる。
ただ、目の前から消えたということは……。
「……」
そういうことだよな。
っ!?
早い!
背後に生まれた殺気を帯びた気配に、前に跳躍したまま振り返る。
「アイスアロー!」
至近距離で放たれた魔法。
前に跳んでいなければ、対応は困難だっただろう。
が、僅かでもこの間隔があれば。
カキーン!
着地と同時に飛来する氷の矢に剣を振るい、弾き飛ばせる。
「……」
今のは、ちょっと危なかった。
体調不良の影響か。
思ったほど身体が動いてくれない。
というか、とにかく身体が重い。
それに……。
あいつの宝具。
橘の瞬間移動より厄介だぞ。
単純な転移系宝具じゃないのか?
「……」
この体調に加え未知の宝具。
簡単じゃないな。
長引くとまずそうだ。
「……断る」
「フフ。愚かですねぇ、ヴァルター」
「……」
「一族に逆らい、さらに、この数に挑むとは愚の骨頂です」
「うるさい。お前の御託などいらん」
その通り。
相変わらずよく喋るやつだ。
「本当に愚かだ」
「オルセー、無駄話はそれくらいにしておけ。降伏する気がないなら、さっさと片付ければいい」
堂々たる体躯を軽装鎧に包んだもうひとりの騎乗者が吐き捨てる。
「バシモスさん、分かってませんねぇ。これは様式美というやつですよ」
「ふん、くだらん。やるぞ」
「はぁ~、分かりましたよ」
ふたりが馬を降り近づいてくる。
後ろには他の者も従っているが……。
「かわいそうですから、私たちふたりで相手をしてあげます」
本当か?
数の有利を口にしていたのに。
「おい、後ろの者たちも使え」
「私たち2人で充分でしょ。それに、この狭さですよ」
「……」
「では、私はこっちの若い方と戦いますので、バシモスさんはヴァルターをお願いできますか」
「お前はヴァルターとやりたいんじゃないのか?」
「まあ、そうなんですが、こっちの若造とも因縁がありましてねぇ」
「……いいだろう」
「助かります。では、お前たちは少しの間見物していなさい。私とバシモスさんが戦いますから」
本当にふたりだけで戦うのか。
ありがたい。
しかし、オルセーは凄い自信だな。
前回は俺に敗れているというのに。
「……」
また宝具でも持ってきたのか?
持ってるんだろうなぁ。
となると、全く油断はできない。
宝具の恐ろしさは、身に染みて理解している。
バシモスというやつも厄介そうだ。
けど、まあ……。
ヴァルターさんなら何とかするだろう。
もし苦戦するようなら、加勢すればいい。
「それでは、バシモスさん」
「ああ」
俺とオルセー、ヴァルターさんとバシモスがそれぞれ距離をとって対峙する。
「ヴァルターさん、そっちは任せましたよ」
「任せとけ! で、コーキさんは大丈夫なのか?」
既に戦闘準備は済んでいる。
身体は重いが……。
「ええ」
弱気なことは言ってられない。
さて、オルセーと再戦だ。
「自信満々ですねぇ」
「当然だろ。お前には一度勝ってるからな」
「ふふ、生意気なことを」
「……」
「あれは、油断したからですよ。今回は覚悟してください」
確かに、マリスダリスの刻宝で動きを止められた直後に剣を向けられていたら、どうしようもなかっただろうな。
ただ、今の俺はあの時とは違うぞ。
それに、マリスダリスの刻宝もこちらの手の中だ。
「いきますよ!」
ああ、今度こそ決着をつけよう。
「アイスアロー!」
オルセーから発動される氷魔法。
これは前回経験済み。
が、発動は早いし、威力も十分。
やっぱり、大した魔法の腕前だよ。
と!
身体を振ってアイスアローを躱したところに、オルセーの細剣が迫る。
これも前回と同じような剣筋。
鋭い一撃だが。
キン!
引き抜いた剣でオルセーの剣をはね上げ。
そのまま剣を戻し、オルセーに袈裟がけに斬りつける。
オルセーは不十分な体勢。
「っ!」
そこから後ろに跳躍した。
「危ないですねぇ」
「……」
そうだった。
こいつはアクロバティックな動きができるんだったな。
あの打突の体勢から後ろに跳ぶなんて、普通はできない。
大口をたたくだけの実力はある。
魔法も剣も動きも一級品だ。
けどな、俺も前回の対戦時より成長しているんだよ。
問題はない。
体調面を除けばな。
「フフ、やはりあなたの剣は素晴らしい」
「分かっていて、よく向かってきたな」
「私も剣と魔法には自信があったんですが、あなたには勝てないかもしれませんねぇ。ですが……フフ、ハハハ」
以前と同様、嫌な嗤いをしてくれる。
「戦いはそれだけじゃありませんので」
この余裕の理由は。
「また宝具か」
「ご名答です」
その言葉と共にオルセーが俺の前から消え失せた!
宝具発動の文言は唱えていない?
呪文不要の宝具なのか?
「……」
面倒なものを使ってくれる。
ただ、目の前から消えたということは……。
「……」
そういうことだよな。
っ!?
早い!
背後に生まれた殺気を帯びた気配に、前に跳躍したまま振り返る。
「アイスアロー!」
至近距離で放たれた魔法。
前に跳んでいなければ、対応は困難だっただろう。
が、僅かでもこの間隔があれば。
カキーン!
着地と同時に飛来する氷の矢に剣を振るい、弾き飛ばせる。
「……」
今のは、ちょっと危なかった。
体調不良の影響か。
思ったほど身体が動いてくれない。
というか、とにかく身体が重い。
それに……。
あいつの宝具。
橘の瞬間移動より厄介だぞ。
単純な転移系宝具じゃないのか?
「……」
この体調に加え未知の宝具。
簡単じゃないな。
長引くとまずそうだ。
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