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第5章 王都編
迎撃 4
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アイスアローを剣で弾き次の攻撃に備える俺に対し、オルセーは連続での攻撃を選択せず、距離を取ってしまった。
「この攻撃も防ぎますか」
防ぐというか、ギリギリ躱したってところだ。
「……」
正直、こっちに余裕はない。
その宝具に何とか対応できる程度にしか身体が動かないのだから。
「マリスダリスの刻宝に続いて瞬宝まで……」
瞬宝?
やはり瞬間移動なんだな。
「恐ろしい人ですよ」
「……」
「いったい何者です?」
もう何度されたか分からない、この問い掛け。
普通なら辟易としてしまう言葉だが……。
この局面では助かるぞ。
僅かな時間でも身体を休めることができるのは、今の俺にとっては大きい。
「だんまりですか」
「……新人冒険者だよ」
「フッ、口を開いたと思ったら、また見え透いた嘘を」
信じてもらわなくて結構。
「新人冒険者が、初見でロシュノワの瞬宝に対応する? 馬鹿馬鹿しい」
「……」
「それとも、瞬宝を受けた経験があるんですか?」
「……ない」
ただし、瞬間移動の異能者に対したことはある。
「経験もないのに避けたと。ホント、あなたという人は……」
「転移系は無駄だな」
だから、使うのは止めた方がいい。
こっちとしても助かる。
「転移系? 何を言ってるんです?」
ん?
転移の宝具じゃないのか?
とすると、何系の宝具だ?
「コーキさん、ロシュノワの瞬宝は数秒だけ対象の時を止めることができる。ただし、停止中対象の周囲には手を出せない。そんな宝具だぞ」
何!
時を止めるだって!
「……」
さっきの対戦時に感じたのは、瞬間移動のようなもの。
時を止められたような感じはしなかった。
オルセーが消えた際も、頭の中ではしっかり思考していたんだ。
それなのに、時を止めていたと言うのか?
簡単には信じがたい。
とはいえ、それが事実だったとしても……。
停止中に手が出せないなら何とかなる。
「他にも制約があるみたいだが……とにかく気をつけてくれ!」
「ヴァルターさん、助かります」
「おう。っと!」
危ない!
敵の剣がヴァルターさんの頬をかすめた!
「こっちは大丈夫ですから、戦いに専念してください」
ヴァルターさんが対する敵も、決して楽な相手じゃない。
戦いに集中した方がいい。
「了解だ!」
「……」
さあ、こっちは。
体も休めたし、種も分かった。
仕切り直しといこうか。
「ヴァルターめ、余計なことを」
余所見しているオルセーに。
「雷撃!」
「ッ!」
この距離で避けるとは!
相変わらず、素晴らしい反応速度。
「……何です、その魔法は?」
忘れたのか?
前回も使っただろ。
「……」
そうか、そうだった。
この時間の流れの中では、オルセー相手に魔法は使っていないんだ。
「その剣の腕前に魔法まで?」
「ああ、剣と魔法を使える俺に勝ち目はないぞ。降伏するか?」
「するわけないでしょ」
「なら、宝具でも使うか?」
ロシュノワの瞬宝に制約があるのなら。
干渉制限のほかに回数制限でもあるのだろう。
それを使い切れば、あいつにはもう切り札はないはず。
「そうですねぇ」
オルセーはこちらに剣を向けたまま。
「……」
消えた!
わけじゃないんだな。
時を止めた隙に視界から姿を消しただけ。
とすると、やつの位置は?
そこだ!
右横に現れたオルセーの剣撃!
その一撃を剣で受け止める。
「クッ!」
受け止めた剣を上に大きく払い、返す剣でオルセーの胸に!
剣が届く直前に後ろに跳ぶオルセー。
その回避は、もう何度も見たぞ。
だからな、こっちも前に飛び込んでやる!
飛び込みざまに放つ剣撃。
キン!
オルセーの剣とこちらの剣が交差する!
キン、キン!
受け止められるのも想定内。
なら、これは!
「雷撃!」
超至近距離からの雷撃だ。
「アイスウォール!」
雷光の現出と同時に発動されるオルセーの防御魔法。
早い!
バリ、バリ、バリ!
雷撃は氷の壁を削るだけ!
「……」
これも防ぐのか。
「ほんと……あなたの腕には驚かされますよ」
オルセーがまた数歩下がってしまった。
こちらは……。
まずいな。
息が切れてきたぞ。
俺の体調不良をオルセーには悟られないようにしているものの、どかまでごまかせるものか?
「……」
平気なふりをすると、余計に息が辛い。
「それでも、あなたが素晴らしい腕の持ち主だということは分かっていたことです」
「……」
「前回、じっくりと味わいましたからね」
「……」
「そして、今回も」
いいぞ。
そのまま、ゆっくり喋っていてくれ。
「ただし、そんなあなたがどんな達人であろうと」
時間を使ってくれるのはありがたい。
ただ、オルセーのこの余裕は?
「ここまでです」
「……」
「あなたみたいな人を失うのは残念ですよ」
また宝具なのか?
こいつ、どれだけ宝具を持っているんだ!
名前通りの博物館かよ。
いや、美術館か。
「残念ですが、仕方ない」
「何の宝具だ?」
「フフ、それを話すと思います?」
思わない。
「では、覚悟してください」
今のこの状態で新たな宝具。
嬉しくないな。
まあ、少しは呼吸も楽になってきたんだ。
やるしかない。
「エリルエイル」
「!?」
「ベアサマ」
これは?
マリスダリスの刻宝の呪文?
「この攻撃も防ぎますか」
防ぐというか、ギリギリ躱したってところだ。
「……」
正直、こっちに余裕はない。
その宝具に何とか対応できる程度にしか身体が動かないのだから。
「マリスダリスの刻宝に続いて瞬宝まで……」
瞬宝?
やはり瞬間移動なんだな。
「恐ろしい人ですよ」
「……」
「いったい何者です?」
もう何度されたか分からない、この問い掛け。
普通なら辟易としてしまう言葉だが……。
この局面では助かるぞ。
僅かな時間でも身体を休めることができるのは、今の俺にとっては大きい。
「だんまりですか」
「……新人冒険者だよ」
「フッ、口を開いたと思ったら、また見え透いた嘘を」
信じてもらわなくて結構。
「新人冒険者が、初見でロシュノワの瞬宝に対応する? 馬鹿馬鹿しい」
「……」
「それとも、瞬宝を受けた経験があるんですか?」
「……ない」
ただし、瞬間移動の異能者に対したことはある。
「経験もないのに避けたと。ホント、あなたという人は……」
「転移系は無駄だな」
だから、使うのは止めた方がいい。
こっちとしても助かる。
「転移系? 何を言ってるんです?」
ん?
転移の宝具じゃないのか?
とすると、何系の宝具だ?
「コーキさん、ロシュノワの瞬宝は数秒だけ対象の時を止めることができる。ただし、停止中対象の周囲には手を出せない。そんな宝具だぞ」
何!
時を止めるだって!
「……」
さっきの対戦時に感じたのは、瞬間移動のようなもの。
時を止められたような感じはしなかった。
オルセーが消えた際も、頭の中ではしっかり思考していたんだ。
それなのに、時を止めていたと言うのか?
簡単には信じがたい。
とはいえ、それが事実だったとしても……。
停止中に手が出せないなら何とかなる。
「他にも制約があるみたいだが……とにかく気をつけてくれ!」
「ヴァルターさん、助かります」
「おう。っと!」
危ない!
敵の剣がヴァルターさんの頬をかすめた!
「こっちは大丈夫ですから、戦いに専念してください」
ヴァルターさんが対する敵も、決して楽な相手じゃない。
戦いに集中した方がいい。
「了解だ!」
「……」
さあ、こっちは。
体も休めたし、種も分かった。
仕切り直しといこうか。
「ヴァルターめ、余計なことを」
余所見しているオルセーに。
「雷撃!」
「ッ!」
この距離で避けるとは!
相変わらず、素晴らしい反応速度。
「……何です、その魔法は?」
忘れたのか?
前回も使っただろ。
「……」
そうか、そうだった。
この時間の流れの中では、オルセー相手に魔法は使っていないんだ。
「その剣の腕前に魔法まで?」
「ああ、剣と魔法を使える俺に勝ち目はないぞ。降伏するか?」
「するわけないでしょ」
「なら、宝具でも使うか?」
ロシュノワの瞬宝に制約があるのなら。
干渉制限のほかに回数制限でもあるのだろう。
それを使い切れば、あいつにはもう切り札はないはず。
「そうですねぇ」
オルセーはこちらに剣を向けたまま。
「……」
消えた!
わけじゃないんだな。
時を止めた隙に視界から姿を消しただけ。
とすると、やつの位置は?
そこだ!
右横に現れたオルセーの剣撃!
その一撃を剣で受け止める。
「クッ!」
受け止めた剣を上に大きく払い、返す剣でオルセーの胸に!
剣が届く直前に後ろに跳ぶオルセー。
その回避は、もう何度も見たぞ。
だからな、こっちも前に飛び込んでやる!
飛び込みざまに放つ剣撃。
キン!
オルセーの剣とこちらの剣が交差する!
キン、キン!
受け止められるのも想定内。
なら、これは!
「雷撃!」
超至近距離からの雷撃だ。
「アイスウォール!」
雷光の現出と同時に発動されるオルセーの防御魔法。
早い!
バリ、バリ、バリ!
雷撃は氷の壁を削るだけ!
「……」
これも防ぐのか。
「ほんと……あなたの腕には驚かされますよ」
オルセーがまた数歩下がってしまった。
こちらは……。
まずいな。
息が切れてきたぞ。
俺の体調不良をオルセーには悟られないようにしているものの、どかまでごまかせるものか?
「……」
平気なふりをすると、余計に息が辛い。
「それでも、あなたが素晴らしい腕の持ち主だということは分かっていたことです」
「……」
「前回、じっくりと味わいましたからね」
「……」
「そして、今回も」
いいぞ。
そのまま、ゆっくり喋っていてくれ。
「ただし、そんなあなたがどんな達人であろうと」
時間を使ってくれるのはありがたい。
ただ、オルセーのこの余裕は?
「ここまでです」
「……」
「あなたみたいな人を失うのは残念ですよ」
また宝具なのか?
こいつ、どれだけ宝具を持っているんだ!
名前通りの博物館かよ。
いや、美術館か。
「残念ですが、仕方ない」
「何の宝具だ?」
「フフ、それを話すと思います?」
思わない。
「では、覚悟してください」
今のこの状態で新たな宝具。
嬉しくないな。
まあ、少しは呼吸も楽になってきたんだ。
やるしかない。
「エリルエイル」
「!?」
「ベアサマ」
これは?
マリスダリスの刻宝の呪文?
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