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第8章 南部動乱編
聞き取り 1
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「まったく動きがありませんね」
「……ええ」
「こうして無事に過ごせるのはありがたいことですけど、何もないというのも……」
この3日間、俺はほとんどの時間をセレス様の傍らで過ごしている。
さらに、ヴァーン、シア、アル、ディアナ、ユーフィリアのうち少なくとも1人は必ずセレス様の傍に付くようにしている。
あとは犯人を捕まえるだけ。
不審者の登場を待つばかり、なのだが……。
宴の夜同様、どうにも上手くいかない。
「敵は何を考えているのでしょ?」
「……」
「警戒しているのでしょうか?」
「その可能性はあります」
もちろん、犯人に警戒されないよう護衛する際はできる限りさり気なく平常のように振る舞ってはいる。
とはいえ緊張感を消し去れているかと言えば……強く頷くことはできない。
「困った状況ですね」
緊張感で若干重くなった空気が今のエンノアでは異質に映り、犯人の警戒を呼んで……。
「申し訳ありません。私の責任です」
「そんな、違います」
それこそ違う。これは俺に問題があるはず。
心の裡を完全には隠しきれていないのだから。
手練れであろう犯人相手に、重い空気を出していいわけがない。
「クゥーン」
「ノワールも大丈夫だと言ってますよ」
「……」
「それに、また1つ分かりましたし」
この状況で、何が分かったんだ?
「3日間も手を出してこないということは、呪いの類ではなさそうですよね」
確かに……。
断定はできないけれど、可能性は相当高いだろう。
「1つ分かって、また1つ進展したと」
「……」
「ところで、コーキさん、聞き取りの成果はいかがでした?」
それについては。
「ある程度、聞き出せたと思います。セレス様の方は?」
「私も、そうですね」
セレス様の幻視での感覚や諸々の状況から判断した結果。
魔落後の件と宴後の件は、同一犯の仕業だと今は推定している。
なので、2度ともに犯行可能な者を探し出せばいいのだが、この時間軸では宴後の襲撃は行われていない。
それゆえ、アリバイから探ることは不可能。前回の時間軸のアリバイも今となっては調べようがないことだ。
こうなると、残るは最初の事件のみ。
セレス様と初めて出会ったテポレン山のあの時の状況を調べるしかない。
ということで、セレス様と俺は個別に聞き取りを行ったんだ。
もちろん、こちらの意図は隠して。
「コーキさん、内容を教えてください」
「まず、エンノアの皆さんは、あの日はいつも通り全員がテポレン山にいたそうです」
「犯行は可能ということですね」
「一応、そうなります」
エンノアの民がセレス様を害するとは思えないが、可能ではあったのだろう。
「続いて冒険者たちですが……。エレナさんとランセルさんはテポレン山の南西に位置する常夜の森を出てオルドウに向かっていたようです。私がダブルヘッドから彼らを救った後の話ですね」
「その後、テポレン山に上ったということはありませんか?」
「無いとは言い切れません。ただ、少々難しいとは思います」
「……」
「……ええ」
「こうして無事に過ごせるのはありがたいことですけど、何もないというのも……」
この3日間、俺はほとんどの時間をセレス様の傍らで過ごしている。
さらに、ヴァーン、シア、アル、ディアナ、ユーフィリアのうち少なくとも1人は必ずセレス様の傍に付くようにしている。
あとは犯人を捕まえるだけ。
不審者の登場を待つばかり、なのだが……。
宴の夜同様、どうにも上手くいかない。
「敵は何を考えているのでしょ?」
「……」
「警戒しているのでしょうか?」
「その可能性はあります」
もちろん、犯人に警戒されないよう護衛する際はできる限りさり気なく平常のように振る舞ってはいる。
とはいえ緊張感を消し去れているかと言えば……強く頷くことはできない。
「困った状況ですね」
緊張感で若干重くなった空気が今のエンノアでは異質に映り、犯人の警戒を呼んで……。
「申し訳ありません。私の責任です」
「そんな、違います」
それこそ違う。これは俺に問題があるはず。
心の裡を完全には隠しきれていないのだから。
手練れであろう犯人相手に、重い空気を出していいわけがない。
「クゥーン」
「ノワールも大丈夫だと言ってますよ」
「……」
「それに、また1つ分かりましたし」
この状況で、何が分かったんだ?
「3日間も手を出してこないということは、呪いの類ではなさそうですよね」
確かに……。
断定はできないけれど、可能性は相当高いだろう。
「1つ分かって、また1つ進展したと」
「……」
「ところで、コーキさん、聞き取りの成果はいかがでした?」
それについては。
「ある程度、聞き出せたと思います。セレス様の方は?」
「私も、そうですね」
セレス様の幻視での感覚や諸々の状況から判断した結果。
魔落後の件と宴後の件は、同一犯の仕業だと今は推定している。
なので、2度ともに犯行可能な者を探し出せばいいのだが、この時間軸では宴後の襲撃は行われていない。
それゆえ、アリバイから探ることは不可能。前回の時間軸のアリバイも今となっては調べようがないことだ。
こうなると、残るは最初の事件のみ。
セレス様と初めて出会ったテポレン山のあの時の状況を調べるしかない。
ということで、セレス様と俺は個別に聞き取りを行ったんだ。
もちろん、こちらの意図は隠して。
「コーキさん、内容を教えてください」
「まず、エンノアの皆さんは、あの日はいつも通り全員がテポレン山にいたそうです」
「犯行は可能ということですね」
「一応、そうなります」
エンノアの民がセレス様を害するとは思えないが、可能ではあったのだろう。
「続いて冒険者たちですが……。エレナさんとランセルさんはテポレン山の南西に位置する常夜の森を出てオルドウに向かっていたようです。私がダブルヘッドから彼らを救った後の話ですね」
「その後、テポレン山に上ったということはありませんか?」
「無いとは言い切れません。ただ、少々難しいとは思います」
「……」
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