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第11章 陰謀編
脈動
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「私が担ぎます!」
「……」
「イリサヴィアさん!」
「……やむを得ぬか」
おっ!
「アリマには悪いが、頼むぞ」
存外簡単に引き下がってくれた。
「いえ、任せてください」
ということで、オルセーを引き受けるため手を伸ばしたところ。
「なっ!?」
「ん?」
「オルセーが!」
目を覚ましている!
「覚醒してます!」
「何?」
俺の言葉にすぐさま反応した剣姫がオルセーを床に降ろす。
「ふむ、これは」
階段の手前、少し広くなったスペースに横たわるオルセー。その両眼は開いているものの……。
「意識を取り戻しているようだが、目は虚ろだな。半覚醒状態か」
剣姫の見立て通り。
焦点は合っていないし、体も動きはしない。声も出ていない。
とはいえ、これはまた早すぎる。
覚醒するごとに昏睡時間が短くなっているじゃないか。今回は念入りに眠らせたというのに。
「アリマ、そっちもだ!」
そっちってバシモスか?
急ぎ確認すると。
「……」
こちらも意識を取り戻しつつある。
「もう一度眠らせた方がいい」
ともに縄と猿ぐつわで強く拘束しているので、簡単に抜け出せる状態じゃない。
が、それでも、危険の芽は摘むべきだ。
「ええ、意識を奪いましょう」
今回は掌底と雷撃で、より入念に慎重に。
まずは、オルセーから……?
表情が変わった?
「ん、んん!」
猿ぐつわの下からくぐもった声
もう完全に覚醒している。
「んんん!!」
とはいえ、することに変わりはない。
目覚めたばかりだが、また眠ってもらうぞ。
「んん、んんん!!」
床で暴れるオルセーの胸に手を当て。
掌底を。
何だ?
この感触?
胸に当てていた右の掌に伝わる脈動。
オルセーの胸が異常な大きさで脈打っている?
気持ちの悪いその感触に、思わず手が離れてしまう。
「んんん!!!」
「アリマ、どうした?」
「……」
胸が脈打つだけじゃない。
隆起している!
「なっ!」
胸がボコボコと音を立てるように大きく。
さらに、二の腕の筋肉も隆起して。
「んん!!」
胸も腕も、腹も、すべて。
上半身全体が膨張していく。
「んんんん!!!!!」
ブチ、ブチッ、ブチィィ!!
拘束していた縄が切れ。
猿ぐつわが千切れ飛ぶ。
上着が破れ散り。
そして……。
細身だった上半身を、隆起した筋肉で2倍近い半身に変化させ。
大きく変貌したオルセーが、真っ赤に充血させた目を見開き。
立ち上がっていた!
「……」
「イリサヴィアさん!」
「……やむを得ぬか」
おっ!
「アリマには悪いが、頼むぞ」
存外簡単に引き下がってくれた。
「いえ、任せてください」
ということで、オルセーを引き受けるため手を伸ばしたところ。
「なっ!?」
「ん?」
「オルセーが!」
目を覚ましている!
「覚醒してます!」
「何?」
俺の言葉にすぐさま反応した剣姫がオルセーを床に降ろす。
「ふむ、これは」
階段の手前、少し広くなったスペースに横たわるオルセー。その両眼は開いているものの……。
「意識を取り戻しているようだが、目は虚ろだな。半覚醒状態か」
剣姫の見立て通り。
焦点は合っていないし、体も動きはしない。声も出ていない。
とはいえ、これはまた早すぎる。
覚醒するごとに昏睡時間が短くなっているじゃないか。今回は念入りに眠らせたというのに。
「アリマ、そっちもだ!」
そっちってバシモスか?
急ぎ確認すると。
「……」
こちらも意識を取り戻しつつある。
「もう一度眠らせた方がいい」
ともに縄と猿ぐつわで強く拘束しているので、簡単に抜け出せる状態じゃない。
が、それでも、危険の芽は摘むべきだ。
「ええ、意識を奪いましょう」
今回は掌底と雷撃で、より入念に慎重に。
まずは、オルセーから……?
表情が変わった?
「ん、んん!」
猿ぐつわの下からくぐもった声
もう完全に覚醒している。
「んんん!!」
とはいえ、することに変わりはない。
目覚めたばかりだが、また眠ってもらうぞ。
「んん、んんん!!」
床で暴れるオルセーの胸に手を当て。
掌底を。
何だ?
この感触?
胸に当てていた右の掌に伝わる脈動。
オルセーの胸が異常な大きさで脈打っている?
気持ちの悪いその感触に、思わず手が離れてしまう。
「んんん!!!」
「アリマ、どうした?」
「……」
胸が脈打つだけじゃない。
隆起している!
「なっ!」
胸がボコボコと音を立てるように大きく。
さらに、二の腕の筋肉も隆起して。
「んん!!」
胸も腕も、腹も、すべて。
上半身全体が膨張していく。
「んんんん!!!!!」
ブチ、ブチッ、ブチィィ!!
拘束していた縄が切れ。
猿ぐつわが千切れ飛ぶ。
上着が破れ散り。
そして……。
細身だった上半身を、隆起した筋肉で2倍近い半身に変化させ。
大きく変貌したオルセーが、真っ赤に充血させた目を見開き。
立ち上がっていた!
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