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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
34話 「イリスの舞踏会デビュー」その2
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さてイリスが気絶してから8日が経過して、目を覚ました後に酷い筋肉痛に苦しんだイリスも復活してようやくイリスの御披露目舞踏会が開催される事になった。
「ううう・・・酷い目に合った・・・」
どことなくカクカクしているイリス・・・エスコート役のクレアの腕にしがみ付いている。
「うっ・・・すまぬのうイリスよ・・・完全に妾の落ち度であった・・・許せ」
ちゃんと謝る事が出来る大人のクレア、弟子に対しても謝罪をする。
「ああ!いや!契約の事は良いんですよ。
ケイモーン達に名前を付けたのは私の意思ですから。
ただ・・・魔力枯渇症の後遺症が「筋肉痛」だけで済んだ所が自分でもビックリしてますけど・・・」
「ふむ?・・・・・・・言われて見ればそうじゃのう・・・」
前に魔力枯渇症になったイリスは生死に関わる症状になったのだ。
しかし今回は「気絶した後の筋肉痛」だけで済んでイリスも驚いている。
「イリスが妾の見えない所でしっかりと修行をしていたとの証しじゃな!」
そう言って愛弟子の頭を撫で撫でする師匠クレア。
「えへへへへへへ~♪♪♪♪」
あんまり人に褒められても反応が薄いイリスだがクレアに褒められるのは滅茶苦茶嬉しいのだ。
あのシルバニアの「大岩大乱舞」の修行は機敏さ予測力の強化だけでは無く、魔力を効率良く使う事への修行になっていたのだ。
そんな時を話しながら歩いて行くと・・・
「クレア・ラーデンブルク公爵、並びにイリス・ラーデンブルク様、ご入場!」
担当の文官さんがクレアとイリスの会場入りを告げる。
クレアの腕から手を離してピシッとするイリス、ここからはお姫様モードに移行するのだ。
差し出して来たクレアの手を取るイリス。
女性のハイエルフ同士のエスコートは絵本に出てくる一幕の様だ。
普通エスコートするのって男性じゃね?
と思われるかも知れないがエルフのエスコートは「付き添い」の意味しか無いので別に女性でも男性でも構わない。
まぁ、エルフも普通の場合では男性が女性をエスコートするのだが・・・
もし女性同士だとダメと言われたらホワイトに頼もうとしていたイリス。
一応見た目は男性なので。
他の男性のロイは妻子持ちだし、ガストンはシルフィーナに悪いからだ。
「じゃあドンゴさん!」とイリスは言ったのだが・・・
ドンゴはめっちゃ嬉しそうな顔をしていたが、「すみません儂は護衛なので」とエスコートは断れてしまった。
確かにエスコートしながらの護衛は注意散漫になり危険だね。
その話しを聞き、「む?イリスは妾のエスコートは嫌なのか?」
なぜかクレアにしょんぼりされて、ホワイトは「へっへーん」となぜかドヤ顔だ。
「違いますから!マナーとしてのお話しです!」
面倒くさい師匠とホワイトに必死になってマナーの説明をするイリス。
すると。
「真面目な話しをするとクレア様がイリスのエスコートじゃ無いとダメよ?
何せ今日はクレア様の後継者の御披露目舞踏会だからね」
とホワイトが女性同士のエスコートの趣旨についての説明する。
周囲の者が入場の際にクレアが手を引く少女が後継者だと一発で分かるので何かと都合が良いそうだ。
いやホワイトよ・・・クレアをいじって遊んで無いで最初からそう言え。
「でもイリスは本当にクレアの後継者で良いの?
少なくとも普通の生活・・・特にイリスダンジョンの経営とかはまともに出来なくなると思うわよ?」
「・・・ちょっと嫌だなあとは正直思ってます」
「イリス?!」イリスのカミングアウトにマジショックのクレア。
「でもハイエルフになった時からこう言う事への覚悟はしていました。
イリスダンジョンは誰が経営しても大丈夫な様にしていますから大丈夫です」
責任感が強いイリスはハイエルフに進化する時に王族、若しくは王族に類する者になる事を両者ともしっかりと話し合いをしている。
「そっか・・・イリスがそう決めてるならアタシも全力で応援するよ」
「ありがとう!白さん!」満面の笑顔になるイリス。
「まぁ・・・やる以上は徹底的に王族をやりますけどね・・・」
そう言って可愛いらしい満面の笑顔から悪人の笑顔に変わるイリス。
有言実行!この後にイリスは「結構おっかねえ女王様」になるのだ。
「のう・・・・・何なら今日からでも女王に・・・」
「ダメです!物事には順序があります。
先ずは清楚可憐なお姫様を演じて人々から支持を得ないとダメです」
思い切り「演じる」って言っちゃうイリス。
そう・・・この舞踏会でイリスは媚を売りまくるつもりなのだ。
堂々と・・・では無く静々と小刻みな歩幅で通路中央を歩く、普段のイリスが大股で歩いているのを知っている者は大爆笑モノの猫被りだ。
「ほう・・・可愛いらしい姫では無いか」
とイリスを知らない人はコロッと騙される。
それを護衛隊の位置から見ているガストンとロイは表情が抜け落ちて超真顔だ。
・・・いや・・・あれは吹き出すのを必死に我慢をしておるな・・・
ホワイトに関しては・・・イリスを見て無いじゃん!
視線をずらして何処を見ているのか分からん視点をしている。
そして何故か意気揚々と得意気な顔でイリスをエスコートするクレア。
「素晴らしい!何て絵になる御2人なのか」
「あの少女がイリス様か・・・」
なかなかイリスの作戦がハマり好意的な目でイリスを見るエルフの貴族達。
イリス御披露目舞踏会は始まったばかり、果たしてイリスは何をやらかすのか?
「ううう・・・酷い目に合った・・・」
どことなくカクカクしているイリス・・・エスコート役のクレアの腕にしがみ付いている。
「うっ・・・すまぬのうイリスよ・・・完全に妾の落ち度であった・・・許せ」
ちゃんと謝る事が出来る大人のクレア、弟子に対しても謝罪をする。
「ああ!いや!契約の事は良いんですよ。
ケイモーン達に名前を付けたのは私の意思ですから。
ただ・・・魔力枯渇症の後遺症が「筋肉痛」だけで済んだ所が自分でもビックリしてますけど・・・」
「ふむ?・・・・・・・言われて見ればそうじゃのう・・・」
前に魔力枯渇症になったイリスは生死に関わる症状になったのだ。
しかし今回は「気絶した後の筋肉痛」だけで済んでイリスも驚いている。
「イリスが妾の見えない所でしっかりと修行をしていたとの証しじゃな!」
そう言って愛弟子の頭を撫で撫でする師匠クレア。
「えへへへへへへ~♪♪♪♪」
あんまり人に褒められても反応が薄いイリスだがクレアに褒められるのは滅茶苦茶嬉しいのだ。
あのシルバニアの「大岩大乱舞」の修行は機敏さ予測力の強化だけでは無く、魔力を効率良く使う事への修行になっていたのだ。
そんな時を話しながら歩いて行くと・・・
「クレア・ラーデンブルク公爵、並びにイリス・ラーデンブルク様、ご入場!」
担当の文官さんがクレアとイリスの会場入りを告げる。
クレアの腕から手を離してピシッとするイリス、ここからはお姫様モードに移行するのだ。
差し出して来たクレアの手を取るイリス。
女性のハイエルフ同士のエスコートは絵本に出てくる一幕の様だ。
普通エスコートするのって男性じゃね?
と思われるかも知れないがエルフのエスコートは「付き添い」の意味しか無いので別に女性でも男性でも構わない。
まぁ、エルフも普通の場合では男性が女性をエスコートするのだが・・・
もし女性同士だとダメと言われたらホワイトに頼もうとしていたイリス。
一応見た目は男性なので。
他の男性のロイは妻子持ちだし、ガストンはシルフィーナに悪いからだ。
「じゃあドンゴさん!」とイリスは言ったのだが・・・
ドンゴはめっちゃ嬉しそうな顔をしていたが、「すみません儂は護衛なので」とエスコートは断れてしまった。
確かにエスコートしながらの護衛は注意散漫になり危険だね。
その話しを聞き、「む?イリスは妾のエスコートは嫌なのか?」
なぜかクレアにしょんぼりされて、ホワイトは「へっへーん」となぜかドヤ顔だ。
「違いますから!マナーとしてのお話しです!」
面倒くさい師匠とホワイトに必死になってマナーの説明をするイリス。
すると。
「真面目な話しをするとクレア様がイリスのエスコートじゃ無いとダメよ?
何せ今日はクレア様の後継者の御披露目舞踏会だからね」
とホワイトが女性同士のエスコートの趣旨についての説明する。
周囲の者が入場の際にクレアが手を引く少女が後継者だと一発で分かるので何かと都合が良いそうだ。
いやホワイトよ・・・クレアをいじって遊んで無いで最初からそう言え。
「でもイリスは本当にクレアの後継者で良いの?
少なくとも普通の生活・・・特にイリスダンジョンの経営とかはまともに出来なくなると思うわよ?」
「・・・ちょっと嫌だなあとは正直思ってます」
「イリス?!」イリスのカミングアウトにマジショックのクレア。
「でもハイエルフになった時からこう言う事への覚悟はしていました。
イリスダンジョンは誰が経営しても大丈夫な様にしていますから大丈夫です」
責任感が強いイリスはハイエルフに進化する時に王族、若しくは王族に類する者になる事を両者ともしっかりと話し合いをしている。
「そっか・・・イリスがそう決めてるならアタシも全力で応援するよ」
「ありがとう!白さん!」満面の笑顔になるイリス。
「まぁ・・・やる以上は徹底的に王族をやりますけどね・・・」
そう言って可愛いらしい満面の笑顔から悪人の笑顔に変わるイリス。
有言実行!この後にイリスは「結構おっかねえ女王様」になるのだ。
「のう・・・・・何なら今日からでも女王に・・・」
「ダメです!物事には順序があります。
先ずは清楚可憐なお姫様を演じて人々から支持を得ないとダメです」
思い切り「演じる」って言っちゃうイリス。
そう・・・この舞踏会でイリスは媚を売りまくるつもりなのだ。
堂々と・・・では無く静々と小刻みな歩幅で通路中央を歩く、普段のイリスが大股で歩いているのを知っている者は大爆笑モノの猫被りだ。
「ほう・・・可愛いらしい姫では無いか」
とイリスを知らない人はコロッと騙される。
それを護衛隊の位置から見ているガストンとロイは表情が抜け落ちて超真顔だ。
・・・いや・・・あれは吹き出すのを必死に我慢をしておるな・・・
ホワイトに関しては・・・イリスを見て無いじゃん!
視線をずらして何処を見ているのか分からん視点をしている。
そして何故か意気揚々と得意気な顔でイリスをエスコートするクレア。
「素晴らしい!何て絵になる御2人なのか」
「あの少女がイリス様か・・・」
なかなかイリスの作戦がハマり好意的な目でイリスを見るエルフの貴族達。
イリス御披露目舞踏会は始まったばかり、果たしてイリスは何をやらかすのか?
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